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ことば・文化・社会の言語教育 ― リテラシーズ国際研究集会
http://www.kurosio.mine.nu/21web/conf/
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2005年9月17日(土)/18日(日)
早稲田大学国際会議場井深記念ホール
C.クラムシュ,J.ロ・ビアンコ,G.ザラト,M.バイラム,
川上郁雄,細川英雄,砂川裕一,佐々木倫子,門倉正美,牲川波都季,他
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主催:国際集会「ことば・文化・社会の言語教育」実行委員会
後援:くろしお出版
入場無料
参加申し込み: sanka@gbki.org (詳細,最下段)
発表申し込み: literacy@kurosio.mine.nu (詳細,最下段)
お問い合わせ: info@gbki.org (国際研究集会事務局)

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自分自身の背景と異なる文化に接する中で,ある特定の文化イメージから
離脱し,自身のアイデンティティを自覚して,個別の状況下でコミュニケー
ションを行う能力,「文化リテラシー」。
この「文化リテラシー」を育成する言語教育をめぐって,国際研究集会
「ことば・文化・社会の言語教育へ」では,すでに多文化化が進み文化リ
テラシーの問題に向かい合わざるを得ない地域で活躍する先駆的研究者が
一堂に会し,その理論と実践を討議します。

国際研究集会「ことば・文化・社会の言語教育」では,参加者ならびに
「ことば・文化・社会」の教育に関する研究発表・提言を募集しており
ます。第2言語教育,母語・国語教育,日本語教育など,幅広い分野間
での積極的な意見交流を目指します。
下記要領をご覧の上,お申し込みください。



# プログラム ##########################
9月17日(土)
午前の部(10:00−12:00)
●個人発表と討論(発表者募集中:下記参照)

午後の部(13:10−17:30)
●パネル・セッション:外国語教育・学習者主体の変遷
 C.クラムシュ & 細川英雄
●パネル・セッション:言語教育と多文化社会
 J.ロ・ビアンコ & 川上郁雄

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9月18日(日)
午前の部(10:00−12:00)
●個人発表と討論(発表者募集中:下記参照)

午後の部(13:10-17:30 ):井深大記念ホール
●パネル・セッション:言語と社会・文化
 G.ザラト & 砂川裕一
●全体ディスカッション
 M.バイラム & 佐々木倫子

# 概要 #############################
C.クラムシュ(Claire Kramsch:カリフォルニア大バークレー校教授)
Intercultural Literacy vs. Communicative Competence - What's the
difference?

Cook-Gumperzの「リテラシー」,Byramほかの「異文化能力」の定義に従え
ば,「異文化リテラシー」とは,異なるスピーチ・コミュニティーの範疇
で,他者のために他言語によってテクストを産出・理解する認知能力とな
ろう。それはかつての「コミュニケーション能力」とどう異なるのか。
本発表では外国語教育におけるリテラシーの多様性を探る。そして,「異
文化リテラシー」と「コミュニケーション能力」という両概念を明らかに
し,学習者の育成においてそれぞれが果たす役割を考える。

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細川英雄(早稲田大学大学院日本語教育研究科 教授)
日本語教育における「学習者主体」の意味 ― 「文化リテラシー」との関
連から

戦後の日本語教育における教育意識の推移を踏まえた上で,「学習者主体」
の意味について,教室活動での「相互」「協働」「合意」という観点から
検討を加える。
この「学習者主体」の教室活動およびその目的概念が「文化」および「文
化リテラシー」とどのように関わるかを論じる。

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J.ロ・ビアンコ(Joseph Lo Bianco:メルボルン大学 教授)
Some Problematics of Theorising Inter-Culturalism for Practice
 - Principles of Normative Behaviour in a Pedagogical Context at a
Time of Rapid and Deep Globalisation.

異文化間教育の実践における文化表象の扱いを巡る諸問題について論じる。
異文化間教育において,学習者は文化についてのさまざまな情報に触れる
につれ何らかの観念を抱く。しかしその際,その文化圏における特定言語
のネイティブスピーカーという幻想的理想像が,文化の代表者として立ち
現れてしまう。
急速なグローバリゼーションが進む現在,外国語教育において,文化はど
う扱われるのか。単に,言語・文化という概念を解体し脱構築するだけで
は乗り越えられないこの問題を,オーストラリアにおける具体的施策を通
じて考える。

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川上郁雄(早稲田大学大学院日本語教育研究科 教授)
「移動する子どもたち」と言語教育 ― ことば・文化・社会を視野に

グローバリゼーションや大量人口移動によるハイブリッドな文化の動態性
は,ナショナルなイデオロギー性を持つ同化主義的言語教育のあり方や,
母語・母文化尊重教育という固定的な多文化主義教育の欺瞞性を問い返し
ている。「ことばと文化」をめぐる政治性が,今まさに,他者と関わる力
をどう育成するのか,他言語話者との関わりを築く言語能力とは何かを問
うている。この課題を,日本の「JSL (Japanese as a Second Language)
の子どもたち」への言語教育実践を通じて考える。`

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G.ザラト(Genevieve Zarate:フランス国立東洋言語文化研究所教授)
La place de la "cultural literacy" dans le debat europeen sur l'
evaluation des competences culturelles.

現在,ヨーロッパは,国家を超えた個人の移動を進め,さらなる交流・連
帯を強めようとしている。その際,個人の異文化理解能力や多言語使用能
力を適切に評価し,さらなる向上を促していくことが重要である。だが一
方で,一般化された基準による評価には,個々人の能力や経験の流動性・
多様性を固定化するという側面もつきまとう。
欧州評議会による『欧州言語ポートフォリオ』は,評価をめぐるこのジレ
ンマに一定の答えを与えるものである。『欧州言語ポートフォリオ』の実
際と可能性を具体的に検討し,なお残されている課題と今後の展望につい
て議論したい。

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砂川裕一(群馬大学社会情報学部 教授)
「言語の獲得・習得」と「日常的生活世界の獲得・拡充」の一体性に
ついて

「外国語を使えるようになると世界が広がる」・「彼らのことばがわかれ
ばもっと気持ちを通じ合えるのに」・「ことばを学ぶことはそのことばの
背景にある文化や社会や人々の考え方や価値観などを学ぶことだ」という
ような日常的な表現の根底を掘り起こして,「言語の習得」と「文化・社
会・個人の発生・成立」の根源的な関係を俎上に載せる。

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司会:門倉正美(横浜国立大学)佐々木倫子(桜美林大学)
   牲川波都季(横浜国立大学)
コメンテイター:M.バイラム(Michael Byram: ダーラム大学)


# 申し込み ###########################
発表申し込み
■発表内容:「ことば・文化・社会の言語教育」に関する研究・提案の,
個人発表,およびパネル発表(1組3人以上)。関連諸分野(第二言語教育,
外国語教育,日本語教育,国語教育など)が集う,領域横断的で活発な意
見交流をめざします。
■応募方法:A4で1〜2枚程度の要旨を,参加者のお名前・連絡先・(よろ
しければ)御所属とともに,Subjectに「国際研究集会応募」と記入して,
メール添付にて
 literacy@kurosio.mine.nu
までお送りください(ファイル形式はWord,一太郎,TeX,テキストなど一
般的なもの。書式は自由)。エントリー費不要。発表者の資格は問いません。
締切は,6月30日正午(必着)。
■選考・採否:7月16日,組織委員会による選考会議を経て,速やかに採否
の結果を応募者全員にお知らせします。採択された発表者のかたには,8月
20日までに発表原稿をお送りいただきます。

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参加申し込み
国際研究集会「ことば・文化・社会の言語教育」に参加ご希望のかたは,
メールにて,お名前・(よろしければ)御所属・連絡先をご記入のうえ,
参加申し込み専用アドレス
 sanka@gbki.org
までお申し込みください。参加資格はございません。
事前にお申し込みいただくと,プロシーディングを当日1,500円でお頒けし
ます(当日申し込みの場合,2,000円)。なお,消防法により,満席の際
には当日申し込みをお断りすることがございますことをご了承ください。

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お問い合わせ
 info@gbki.org (国際研究集会事務局)
詳しい情報は,WEBサイトに随時掲載。
 http://www.kurosio.mine.nu/21web/conf/

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国際集会「ことば・文化・社会の言語教育」実行委員会
   佐々木倫子(代表:桜美林大学大学院国際学研究科教授)
   小川貴士 (国際基督教大学日本語教育研究センター講師)
   門倉正美 (横浜国立大学留学生センター教授)
   川上郁雄 (早稲田大学大学院日本語教育研究科教授)
   砂川裕一 (群馬大学社会情報学部教授)
   牲川波都季(横浜国立大学留学生センター非常勤講師)
   細川英雄 (早稲田大学大学院日本語教育研究科教授)
   事務局 info@gbki.org