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教材・教育資料 『山形県外国人児童生徒受け入れハンドブック』 『こんにちは、にほんご!−すぐに使える暮らしのかんたん表現』 「外国人児童生徒のための教材」愛知教育大学外国人児童生徒リソースルーム とん・とんインフォメーション 「天天好日」の《医療・健康関係記事》紹介 『外国人相談で役立つ 法律相談用語集』 「同声・同気」第50号記念特別企画 ニュース記事から 2010.10.15〜2011.02.07 遠隔学習インフォメーション 2010年度スクーリング講師研修会報告 研修会テーマ:「二、三世学習者の会話力(コミュニケーション力)を伸ばす指導を考える」 事例紹介 「習得した日本語を生かして」 |
同センター(首都圏センター)では、日本語教室や交流講座等の運営とともに、首都圏各地の支援者支援事業も様々に展開しています。本紙では、首都圏センターが今年度、地域のボランティア団体と協働で取り組んだ“地域支援”:「受診サポート」プロジェクトについて取材しました。
以下にその概要を紹介したいと思います。(取材:所沢 佐藤)
近年、帰国者1世世代で、がんが見つかり、しかも発見されたときにはかなり進行した段階になっているという話を聞くことが増えた。
日頃通院している帰国者は、不調なところが生じてもいつでも相談に乗ってくれる医師がいると安心していることもあり、それ以外に定期健診を受ける、早期発見のためのがん検診を受けるというような習慣は身に付いていないのではないか。そもそも自治体からの健診情報が目に留まっているのだろうか。目に留まっていたとしても経験のない健診を1人で受けに行くことは日本語の面でも難しいだろうし、病気ならともかく、健診のために忙しい2世に付き添いを頼むことははばかられるのだろう。
帰国者にがん検診の意義を伝え、受診を促し、早期に発見することで少しでも手遅れを防ぎたい、そのために必要な支援を考えたいということで今回のプロジェクトは計画された。
まずは、首都圏のボランティアの中から協力団体を探し出すことが必要となった。今回は、埼玉県内複数の市にまたがる地域で、帰国者の交流活動や生活相談等の支援を行い、高齢帰国者のことをよく把握している団体の賛同を得ることができたため、この地域の内A市在住の帰国者家族(40歳以上)に対象を絞り、「がん検診」受診をサポートしたいと考えた。また、A市の保健センターに相談したところ、帰国者だけでまとまって受診できる日を設けてもらうことができ、昨年末、検診を希望する1世世代3人、2世世代4人計7名が肺と胃の検診を受けた。
プロジェクトの目的はもちろん受診の促進であるが、併せて、受診に必要となる知識や情報とともに、日本語力(読解や聞き取り等の力)も身に付けてもらい、今後の受診に繋げていきたいと考えた。そのため、支援の手順としては、事前アンケート調査の実施、検診についての説明会および事前の勉強会の開催、申し込みのサポート、受診当日の引率と通訳、受診後のアンケートの実施、希望者に対する受診結果の読み取りのサポート、というような流れのモデルを想定した。
モデル通りには進められなかった部分もあったが、想定した各段階の支援の必要性について確認することができた。問診票の読み取りと記入はやはり自力では難しかった、レントゲン撮影は、肺は1人で受けられるが、胃は通訳などのサポートがほしいという1世の感想とともに、2世からは、次回胃の検診を受けるときには、技師に、日本語が十分にはわからないのでゆっくり指示してほしいと伝えることができれば自力で受診できそうだとの感想も得られた。
このボランティア団体の交流活動にA市外から参加している帰国者からは、ぜひ自分たちのところでもこのような取り組みを実施してほしい、また2世にもこうした健診をきちんと受けさせたいという1世の意見もあった。
現在、プロジェクトのまとめとして、年1回の定期健診の重要性や検査結果についての母語による説明文を整える作業を進めている。1世世代、そしてかつての孤児年齢に入っている2世世代に対して、こうした健診の受診をサポートする際に活用していただければ幸いである。
文化庁では、平成19年7月、文化審議会国語分科会に日本語教育小委員会を設置し、「生活者としての外国人に対する日本語教育」の体制整備及び標準的な内容・方法等について検討を行ってきました。
これまで、平成21年1月に地域における日本語教育の体制整備・連携推進・内容の改善について、平成22年5月19日に地域の実情に応じた日本語教育プログラム編成の基となる「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案」(以下、「標準的なカリキュラム案」という)の取りまとめを行いました。そして今回、平成23年1月25日の国語分科会において、「「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案 活用のためのガイドブック」(以下、「活用のためのガイドブック」という)を取りまとめました。今回取りまとめを行った「活用のためのガイドブック」は標準的なカリキュラム案を基にして、地域の実情や外国人の状況に応じた日本語教育プログラムを編成する際の
@基本的な考え方(標準的なカリキュラム案の活用のポイントや、言語・言語学習について)、
A各地域の状況に応じた日本語教育プログラムの作成手順、
B教室活動の方法を解説したものです。
「活用のためのガイドブック」は各地域において日本語教育のコーディネーター的役割を果たす人が「標準的なカリキュラム案」とセットで利用し、地域の実情に応じた日本語教育を実践するためのものとして考えています。
今後、日本語教育小委員会では「標準的なカリキュラム案」、「活用のためのガイドブック」を基にした教材例の作成、学習者の日本語力の評価、日本語指導者の指導力の評価について検討を行うことを予定しています。また、これまでの日本語教育小委員会の審議経過、成果等についてもホ
ームページで公開しています。どうぞ御覧ください。
【文化庁ホームページ・「標準的なカリキュラム案」及び「活用のためのガイドブック」について】
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kyouiku/nihongo_curriculum/index.html
【文化庁ホームページ・日本語教育小委員会】
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/bunkasingi/nihongo.html
文化庁では中国帰国者の日本語学習の促進と円滑な定着に資するため、昭和57年度から平成21年度まで、中国からの帰国者のための日本語教材を作成・配布していました。
現在は配布を終了しておりますが、下記ホームページに日本語教材を掲載していますので、ダウンロードして御自由にお使いください。
【文化庁ホームページ・中国からの帰国者のための日本語教材】
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/nihongo_kyozai/index.html
(文化庁文化部国語課)
厚生労働省では、日本に永住帰国した中国残留邦人等の生活実態を把握するための調査を実施し、その結果を平成22年10月29日に厚生労働省ホー
ムページに公開しました。今回の実態調査の結果、約8割の方が帰国して「良かった」、「まあ良かった」と回答するなど、新たな支援策について
、一定の効果があがっていると思われます。厚生労働省では、帰国者のニーズに応えられるよう、今後もきめ細やかな支援を推進していきます。
なお、本調査の詳細は、厚生労働省ホームページに掲載されている「平成21年度中国残留邦人等実態調査結果報告書」をご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000uhyy.html
“平成21年度中国残留邦人等実態調査”で検索
◆調査の目的:永住帰国した中国残留邦人等の生活実態を把握し、支援施策に関する基礎資料を整備することを目的としています。今回の調査は、
特に、平成20年4月から実施している「新たな支援策」の効果を検証するため実施したものです。
なお、「新たな支援策」とは、中国残留邦人等の方々が置かれている特別な事情にかんがみ、老後の生活の安定のため、「満額の老齢基礎年金等の
支給」に加え、世帯収入が一定の基準を満たさない60歳以上の中国残留邦人等に支給する「支援給付」及び身近な地域における日本語を学ぶ場の提
供や地域の人々との交流等を行う「地域生活支援事業」を骨子とする支援施策です。
◆調査の対象:昭和36年4月1日以降に永住帰国し、平成21年10月1日現在(調査基準日)、日本に居住する中国残留邦人等(樺太及びロシア本土の
残留邦人を含みます。)の本人(以下「帰国者」といいます。)6,020人を対象としました。なお、調査基準日において、永住帰国後1年未満の方は
、対象から除外しています。
◆調査の期間:平成21年11月10日〜平成22年2月12日
◆調査の方法:調査対象者に調査票及び回答用紙を郵送し、帰国者自ら記入した回答用紙を返送する方法により実施しました。
◆調査の結果:調査対象6,020人のうち回答のあった4,377人(回収率72.7%)について集計したものです。
本調査の結果、@年金受給者及び受給額の増加、Aほぼ全ての生活保護受給者が「支援給付」へ移行、B約8割の帰国者が帰国して「良かった」、
「まあ良かった」と回答するなど、「新たな支援策」について、一定の効果があがっていると思われます。
・帰国者の年齢および居住地
帰国者の平均年齢は71.6歳。年齢別では60歳代が48.5%と半数近くを占め、70歳代33.6%、80歳以上16.8%などとなっています。
居住地は全都道府県に及びますが、「東京都」が24.3%、次いで「大阪府」10.3%、「神奈川県」7.7%などの順になっています。
・日本語の理解度
「日常のほとんどの会話に不便を感じない」と回答した帰国者が43.7%で、前回調査(38.4%)より5.3ポイント増えています。
・「新たな支援策」の満足度
「満足」、「やや満足」と回答した帰国者が74.9%となっています。また、「新たな支援策」の実施により、具体的に良くなったと思う点は、「収入が増えた」が57.5%で最も多く、「気持ちのゆとりが増えた」が33.8%、「役所・福祉事務所の対応が良くなった」が31.8%と続いています。
・年金の状況
公的年金を受給していると回答した帰国者は85.5%で、前回調査(52.4%)より33.1ポイント増えています。年間の年金受給額も「60万円以上」が
67.6%と、前回調査(23.7%)より43.9ポイント増えています。受給者の割合、受給額とも大幅に増えており、「満額の老齢基礎年金等の支給」の効
果であると思われます。
なお、65歳以上で公的年金を受給していないと回答した帰国者は 5.3%であり、「満額の老齢基礎年金等の支給」のための申請を行っていない方や
公的年金の裁定請求手続き中のため調査基準日時点で公的年金を受給していない方であると思われます。このため、地方自治体や日本年金機構等と
連携して、速やかに受給開始できるよう支援します。
・支援給付の状況
「支援給付を受給している」と回答した帰国者は60.5%。一方、「生活保護を受給している」と回答した帰国者は0.5%で、前回調査(58.0%)より
大幅に減っており、ほぼすべての生活保護受給者が支援給付へ移行したと思われます。なお、生活保護を受給している方は、調査基準日時点で、支
援給付の対象とならない60歳未満の方や支援給付への移行手続き中の方です。
・海外への渡航状況
最近1年間に「親族訪問」、「墓参」の目的で海外渡航をしたと回答した帰国者は32.0%となっています。
・永住帰国後の生活
現在の生活状況は「苦しい」、「やや苦しい」が合わせて28.6%で、前回調査(58.6%)より30.0ポイント減っています。
帰国後の感想は、帰国して「良かった」、「まあ良かった」が76.5%で、前回調査(64.5%)より12.0ポイント増えています。将来の心配や不安につ
いては、「健康の不安」が最も多く、27.4%となっています。
・日本に在住している家族の状況
帰国者1人当たりの日本在住家族は9.17人となっています。
・地域生活の状況
「地域活動に参加したことがある」と回答した帰国者は74.7%で、主な活動内容は「町内会・自治会の地域清掃」(66.2%)や「地域の祭」(28.3%)などとなっています。
平成23年2月26日(土)千代田放送会館にて
※今回の申し込みは2月7日(月)で締め切られましたが、セミナーの概要を紹介します。
当援護基金は、平成20・21年度の2年にわたり、厚生労働省の委託を受け、高齢化した中国帰国者が老人福祉施設を利用する際、日本語が不自由で
あること又は日本と異なる生活習慣を持っていることに起因して発生する問題に対し、施設へ中国語話者を派遣したり、有識者による研究会を設置
したり等、効果的な支援方法を調査研究してきました。
この2年間の研究結果を踏まえ、本セミナーは、要介護者への効果的な支援方法の会得を目的に開催するものです。
シンポジストとして、地域福祉計画の第一人者である日本社会事業大学の村川浩一教授、介護・看護の研究者で、介護関係の著書も多い鎌田ケイ子
先生、帰国者二世であり、著書『あの戦争から遠く離れて』で第39 回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した城戸久枝さん及び介護施設責任者の方
々をお迎えして、要介護者へのベストな支援方法の確立を目指してトークセッションを行います。そのほか、村川教授及び鎌田先生(全国高齢者ケ
ア協会理事長)による講習会−中国帰国高齢者支援のポイント・困難事例への介護支援ポイント等−も予定しています。
2010年11月11日(木)台東区民館にて
主催:中国帰国者支援・交流センター
協力:NPO法人「多言語社会リソースかながわ」
近年、帰国者の高齢化とともに医療場面での通訳の重要性が益々高まっている。通訳の現場では、重篤な病や終末医療の問題に直面することもあ
り、通訳として帰国者を支える支援相談員や自立支援通訳の中には、さまざまな疑問や悩みを抱えている人がいる。一方、通訳派遣を担う自治体に
とっても、医療通訳を担当する者の技能向上が喫緊の課題となっていた。中国帰国者支援・交流センターのブロック(関東甲信越地域)内では、3
年前から東京都が支援相談員等を対象とした医療通訳研修会を開催してきた。しかし、ブロック内には、対象者が少ないため県単独での研修会開催
は難しいという自治体が複数あり、今回同センターはその要望に応える形で、9県を対象とした研修会を開催した。
研修会には、60名余りが参加。基調講演やロールプレイによる技能訓練、意見交換会が、真剣な空気の中で進められた。多くの参加者が「医師と
患者の双方から信頼される通訳をめざし『足さず、引かず、変えず』の原則の下、正確さと中立性を保つことが大切」という指導に共感し、一方で
、普段患者家族と深く関わり、心情的にも患者に近い立場から、医療通訳と支援相談員の両者の立場の使い分けに戸惑う声もあった。実際、帰国者
は普段から得られる医療情報が限られているし、医者と患者との間には、医療文化の違いもあるため、意志疎通に齟齬が生じる可能性がある。問題
解決の一助として、通訳は、病院内にいるメディカルソーシャルワーカーへ働きかけを行い、病院側の帰国者理解、異文化理解が進むよう努めるこ
とが大切とのアドバイスがあった。
また、通訳の「二次受傷」という問題にも触れた。通訳が時には患者の悲惨な状況に遭遇し、精神的な傷を負ってしまうことがある。そこまでいか
なくても、支援相談員等としての顔を持つ通訳は、患者や家族の不安や悲しみを受け止め、精神的に疲労しがちだ。医療機関で日常的に通訳する人
には、自身の抱えるケースについて、相談できる相手が不可欠だそうだが、この点について職場の理解が進むことが望まれる。
この種の研修会は初めてという方が大半を占める中、事後アンケートの5段階評価では「とても良かった 58%」「良かった36%」「どちらともい
えない6%」と概ね好評だった。過密スケジュールであったため、遠方からの参加は大変だったとの声も一部にあったが、これからも何らかの形で
研修会が継続されることが大切だとの意見に、異論はなかった。
今後、支援相談員等個々のご努力とともに、研修会をはじめ通訳を支える仕組みに注目が集まり、帰国者が安心して医療を受けられるような環境づ
くりが進むことを心から期待したいと思う。(中国帰国者支援・交流センター:H)
(財)中国残留孤児援護基金機関紙 第65号より転載
私は所沢センターで入所生の通院、入院の世話等を担当しており、医師、看護師と入所生との通訳をする機会が多く、これまで独学で医療通訳を学
んできた。まさに私のような者にとって、願ってもない貴重な体験となった。
医療通訳に長く携わり、ある程度自信がついてくると、あたかも自分は医療従事者であるかのような振る舞いをしてしまいがちになる。今回の研修
会では、帰国者支援に長年携わってきた方々と医療用語や表現法について意見交換を行って、今まで自分が如何に自己流で通訳してきたかを痛感さ
せられた。更に、三つの重要な心得を、再認識することができた。
第一に「通訳の正確性」を徹底しようと思うなら必ずメモを取ること。私も一時期比較的容易だと思われる通訳はメモを全く取らなかったことを反省した。
第二に「守秘義務の遵守」、中国帰国者は自分たちの習慣から、情報を共有しようという意識が非常に強く、全く悪意などなく自然に他人の病状を
職員に尋ねてくる場合がよくあるので、今後も気を引き締めて遵守していきたい。
第三に「アドバイス禁止」。本来相手を励ましたり慰めようとするばかりに、根拠もなく「大丈夫だから」と言ったりしてはいけないのである。専
門外のことは口にしてはいけないことを今後肝に銘じたい。
今回研修会に参加して大変勉強させていただいた。まさに目から鱗である。今後も中国帰国者の置かれた状況や中国の人の傾向に配慮しながら、基
本的な医学知識の習得を日々怠ることなく、医療通訳者の職業倫理に則った通訳を心がけたい。 所沢:岸本
『山形県外国人児童生徒受け入れハンドブック』作成委員会 平成22年
主に小中学校において外国人児童生徒を受け入れる際にどのようなことに留意したらよいか、具体的に記載した『山形県外国人受け入れハンドブ
ック』が山形県で作成されました。特に、一校に外国人児童生徒がほんの少数しか在籍しておらず、支援体制がまだ確立していないような学校での
支援の方法について様々な提案がなされています。「詳細版」と「簡易版」があり、「詳細版」はインターネットでも参照することができます。
http://www2.jan.ne.jp/~airy/yamagata-gaikokujinjidou-handbook/
他の都道府県や地域でも、外国人児童生徒の受け入れに関する資料が作成されています。以下は、インターネットでも閲覧可能なものです。
○千葉県『外国人児童生徒受入のための手引』(外国人児童生徒受入体制整備研究会、平成20 年)
http://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/gaikokujin/gazo/tebiki1.pdf
同概要版(平成20年)http://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/gaikokujin/gazo/tebiki2.pdf
○神奈川県川崎市『平成21年度 帰国・外国人児童生徒指導の手引きQ&A〜温かい受入そして豊かな学級・学校づくりのために〜』(川崎市教育委
員会、平成21年)
http://www.keins.city.kawasaki.jp/1/KE1026/h21/kikoku_gaikoku/kikokuseitosidoutebiki/kikokutebiki.doc (ワード文書)
○静岡県静岡市『日本語指導が必要な児童生徒を迎えるにあたって』(静岡市教育委員会学校教育課、平成21年)
http://www.gakkyo.shizuoka.ednet.jp/
○愛知県岩倉市「外国人児童生徒、保護者への受入・対応について」
※同市の日本語適応指導教室ホームページよりhttp://www.iwakura.ed.jp/nihongo/frame.htm
○三重県『外国人児童生徒受け入れ手引書 ようこそ学校へ』(三重国際交流財団、平成17年)
http://www.mief.or.jp/jp/education/starterkit.html#a1
○大阪府『帰国・渡日児童生徒の受入マニュアル』(大阪府教育委員会、平成22年)
http://www.pref.osaka.jp/attach/5277/00000000/Ukeire_manual.pdf
○兵庫県『外国人児童生徒受入初期対応ガイドブック(兵庫県教育委員会子ども多文化共生センター、平成22年)
八カ国語版の学校で使える通知文、日本語指導に関わる資料等も掲載
http://www.hyogo-c.ed.jp/~mc-center/
てくてく日本語教師会著、ジャパンタイムズ発行、2009年12月20日 A5判 143頁 1300円税別
このテキストは文法の積み上げ式の教科書ではありません。日常生活ですぐ役に立つ単語やフレーズを場面ごとに探しやすく分類してあり、必要な
フレーズに単語を入れ替えて、話すことができます。はじめに、この本を使う人に向けての本の構成や使い方の説明、日本語の特徴の簡単な説明が
あり、その後に以下のような構成で学習項目が並んでいます。
・パート1 日本語の文字、数字、基本のことば
・パート2 あいさつ、便利なフレーズ、12の場面(自己紹介、町で、乗り物、買い物、食事、郵便局・銀行、学校、病院、電話、住まい、役所、
緊急・トラブル)
・付録(動きを表すことば、様子を表すことば)
・フレーズ一覧 ・単語索引
また、「病院」には問診票や診察で医者に訊かれそうなことが、「学校(幼稚園・保育園)」には面接票など、あらかじめ書きこんで準備ができる
「マイ・ノート」が付いています。
テキストには平仮名とローマ字が併記され、英・中・韓の3カ国語訳が付けてあります。2010年からベトナム語、タイ語、タガログ語、スペイン語、ポルトガル語の訳も会のホームページからダウンロードできるようになりました。 http://www.tekuteku-nihongo.com/
平仮名、片仮名がわかれば一人でも使えますが、日本人の友人・知人やボランティアに発音してもらったり、会話のやりとりの相手になってもらっ
たりすると自信が付くと思われます。理解を助ける楽しいイラストも魅力的です。
愛知教育大学では、刈谷市、豊田市、知立市、豊明市教育委員会と小中学校教員が連携して外国人児童生徒支援及び教材開発を行っています。
教材には国語、算数、社会、ことばなどがあり、日本語の力がまだ十分でない子どもが教科学習に取り組めるように工夫されています。例えば、『
ことばとまなぶ 算数文章題《2年生》』「同《3年生》」及び『外国人児童のためのさんすう文章題(4〜6年生)』は、計算はできるけど、文
章題でくじけている子どもや、読まずに解こうとしている子どもに向けて作られた教材で、語彙や文をごく簡単なものに制限しながらも、各学年の
算数学習の中で絶対に必要な助数詞やキーワード(例:足し算…「ぜんぶで」、引き算…「のこりは」等)をしっかり盛り込んだ文章題を繰り返し
練習することで、算数学習に必要な概念だけでなく、そこで必要なことばも合わせて学習できるようになっています。また、子どもの理解を助ける
イラストや図解も多く添えられています。
学習支援に係わる方が教材の入手を希望する場合は、リソースルームに問い合わせて送料自己負担で受け取ることができます。一部有料のものもあ
りますが、ほとんど無料で入手できます。
外国人児童生徒支援リソースルーム
電話・fax:(0566)26-2219
E-mail gendaigp@auecc.aichi-edu.ac.jp
http://www.resource-room.aichi-edu.ac.jp/
有料の教材は愛知教育大学生活協同組合での販売となります。ホームページの注文用紙をファックスまたはメールでお送りください。
愛知教育大学生活協同組合
fax:0566-36-5465、E-mail r2202257@coop.aichi-edu.ac.jp
中国帰国者支援・交流センターのホームページでは、帰国者に向けた情報誌「天天好日」のバックナンバーが見られます。紙面では、生活情報・ニ
ュースのことば・資格を取ろう・健康相談室・パソコン用語知識・日本の家庭料理…などのコーナーで、毎号様々なものが取り上げられています。
帰国者に必要な情報を母語で伝えるという本来の目的の他に、中国語とルビ付き日本語の対訳形式になっているので、中国帰国者が日本語の自学自
習に活用することも、また日本語教室の材料としても利用できます。
今回は〈医療・健康〉に関するものを集めてみました。指導員、相談員等生活支援者、日本語教室の先生等、学習支援者の皆様にご利用いただける
のではないでしょうか。
http://www.sien-center.or.jp/magazine/index.html
タイトル | 掲載号 |
---|---|
現代人を悩ます腰痛・膝痛−自宅でできる予防方法− | 54号 |
終末期医療を考える | 54号 |
新型インフルエンザ情報★ | 53号 |
「子宮頸がん予防ワクチン接種」と「子宮がん検診」 | 52号 |
健康診断受診の勧め―早期発見、早期治療のために― | 50号 |
認知症の基礎知識@〜CDE | 48〜51、53、54号 |
備えあれば憂いなし―続新型インフルエンザ情報−★ | 47号 |
ニュースのことば「新型インフルエンザ」 | 44号 |
ちょっとした生活習慣病の予防 | 43号 |
気軽にできるストレス解消法@〜J | 36〜47号 |
夏と健康:熱中症と光化学スモッグ | 35号 |
診断の知識@〜C★ | 32〜35号 |
メタボリックシンドローム@〜C | 28〜31号 |
たばこ@〜A | 26〜27号 |
糖尿病@〜E | 20〜25号 |
ニュースのことば「認知症」 | 18号 |
骨粗しょう症@〜C | 16〜19号 |
老人性白内障 | 15号 |
予防接種 | 13号 |
異文化環境下での心の管理と病気に対する対処法 | 9号 |
もっとよく知ろう高血圧@〜E | 7〜12号 |
お酒をたくさん飲む人へ★ | 6号 |
タバコはやめたもの勝ち★ | 5号 |
★はロシア語でもご覧いただけます。
http://www.sien-center.or.jp/magazine/index2.html
自治体等の外国人住民相談コーナーには、在留資格はもちろんのこと、日本人配偶者との離婚や子どもの親権、雇用条件、住宅の賃貸、事故や相続
など、実に様々な問題が持ち込まれますが、支援者には、これらに関わる基本的な法律の知識が不可欠です。そのニーズを受けて、(財)埼玉県国際
交流協会が標題の用語集を2010年2月に発行しました。日本語と中国語、スペイン語、ポルトガル語の三か国語の対訳になっています。自分で調べ
たことなどを記入できるようにメモ欄が設けられていることも特長です。A5サイズ(55頁)で携帯にも便利です。
外国人支援に関わっている人であれば、国籍を問わず、無料でもらえます(送料は自己負担)。個人の場合、各言語1冊、団体は各言語5冊まで。
希望される方は事前に連絡の上、協会窓口に取りに行くか、切手(1冊200円、2冊240円、3冊390円。それ以上は要相談)を貼ったA4判の返信用封
筒を協会に送付すれば郵送されます。
送付、問い合わせ先
(財)埼玉県国際交流協会 「法律相談用語集」係
〒330-0074 さいたま市浦和区北浦和5−6−5
浦和合同庁舎3階
п@048-833-2992
1995年にスタートした「同声・同気」も、おかげさまで今回、第50号を発行することができました。
第50号記念特別企画として、当センターでの学習者(中国/サハリン帰国者)のエピソードを描いた、講師によるNL全カット50作品をまとめて紹介します。1号から毎号に1カットずつ掲載してきたカットです。以下のアドレスよりご覧ください。
http://www.kikokusha-center.or.jp/tokorozawa/tongtongclip/cutshu.htm
2010/10/29 | 中国残留孤児の75%「満足」 新支援策施行後の調査/厚労省 ※詳しくはp.4「平成21年度「中国残留邦人等実態調査」結果(ポイント)」をご覧ください。 |
2010/11/08 |
浜松市、群馬県太田市など、外国人が多く住む8県28都市の自治体や国際交流協会等で、災害時に通訳・職員派遣などの相互協定を締結 外国人集住都市会議/東京 |
2011/01/18 | 全国初、運転免許試験にポルトガル語導入、来年度中にも/静岡 ※中国語は宮城、京都、和歌山、熊本の4府県で実施されている |
2011/01/20 | 漫画展:少年だった漫画家たちの記憶、描き語る戦争体験(赤塚不二夫氏、ちばてつや氏など) 県美術館で3月開催/宮城 |
2011/02/05 | 中国残留邦人が要望 納骨墓、仙台に建立へ/宮城 |
全国各地で遠隔学習課程受講生をサポートしているスクーリング講師を対象とした研修会を今年度は、2010年10月28日、29日の2日にわたって行い
、47名の参加を得ました。
1日目は、二、三世学習者に必要な会話力とは「職場や地域等で信頼を得られる会話力(コミュニケーション力)」であることを確認した後、会話
力を把握するための”物差し”として、当センターが開発中の「中国帰国者『コミュニケーション力』水準」(※)を紹介しました。その後、実際
の事例として、二世学習者と講師との会話を10分程度聴き、その学習者の会話力を分析、改善点を挙げ、コミュニケーション力を伸ばしていくうえ
で目標としたい事柄を確認しました。そしてその目標を達成するためにスクーリングにおいてどんな学習活動ができるかを、具体的な学習内容を想
定し、4〜5人の小グループに分かれ検討しました。2日目は1日目に小グループで検討した活動案について14〜16名で意見交換を行いました。
二、三世学習者は、資格取得や就職、職場や近隣での円滑な人間関係の構築、仕事上のステップアップ、子どもの学校等との連絡、子どもとの関係
作りなど、様々な場面でのコミュニケーション力が要求されます。そこでは、自分の言いたいことを誤解なく伝えられる力や相手とスムーズなやり
取りができる力(発話力/聞き取り力/コミュニケーションストラテジー等)が必要となります。
二、三世学習者のコミュニケーション力を伸ばしていくためには、まず、スクーリングが学習者のコミュニケーション力の現状を客観的に本人が把
握できるよう助ける場となる必要があります。そして、スクーリング講師は、学習者とともに目標を立て、目指す水準を設定し、そこに達するため
に学習活動を練り、実践し、生活の中でどうすれば目標を達成していくことができるか、アドバイスしていかなければならないということを共有で
きたと思います。
学習者のコミュニケーション力は、コミュニケーションを通してしか測れず、また、コミュニケーション活動を通してこそ効果的に伸ばしていける
ということを研修会を通じて確認しました。
※詳しくお知りになりたい方は、当センターホームページ〈教材・論文コーナー〉「紀要」第12号(2010年8月発行)「中間報告:『評価』再考―中国帰国者コミュニケーション力水準の設定・判定テストの開発について―」をご覧ください
今号では、〈遠隔学習課程〉「自己表現作文『日本語学習』Bコース」の山川敬子さん(75歳)の修了作文をご紹介します。帰国者一世の山川さんは16年前に帰国して以来、不屈の精神と前向きな姿勢で日本語学習に取り組んできました。そして今、その経験を若い世代に伝える活動を始めています。 |
中国で終戦を迎えた時、私は国民学校四年生でしたが内地への引揚げが始まり、勉強は中断せざるを得なくなりました。その後、私達親子は中国に
残らなければならなくなり、母は私を連れて中国人と生活をすることになりました。養父から「学校に行くんだ」と言われ、中国人の学校にいやい
やながら通っていましたが、同級生たちから「日本鬼子」と口ぎたなくののしられました。長い間いじめが続くなか、私は歯を食いしばって勉強し
ていた記憶があります。
中日国交回復後、中国残留日本人の肉親探しが始まり、私は生まれて初めて本籍地岐阜県へ一時帰国することが出来ました。ある日叔母さんから「
なにが食べたいの」と聞かれ、うれしくて必死になって「細い棒のような魚」と答え、腰をくねくねと揺するジェスチャーをして見せましたが、な
かなか通じませんでした。そう言えば動物にも似たようなのがいるのを思い出して「蛇のような魚よ」と言いました。叔母さんは「日本にはそんな
魚なんかないわよ」と呆れて物も言えない様子でした。ちょっと不機嫌なようにも見えました。言葉が通じないもどかしさを感じながらも私は諦め
ないでその魚をさがしました。「これ!これなの」と指を差した魚には「鰻」と書いてありました。蒲焼にしてもらいましたが、苦労して見つけた
魚を眼の前にして涙がこらえられず、十分味わうことが出来ませんでした。そのことがきっかけで、私は失った母国語を絶対に取り戻すぞと前向き
な姿勢を持ったのです。語学学習に欠かせない本を古本屋でさがし、小学生の補習用参考書を一冊買い求め、中国に持ち帰り独学しました。
一九九五年永住帰国後、地域の被爆者の体験談を聞くなどの平和事業や第五福竜丸展示館などの社会見学に参加するなかで、日本の未来を担う世代
の人達に私もなにか伝えることが出来たらいいなと考えるようになりました。今の若い人達に戦争体験を語ってあげるのはとても大切なこと。戦争
を体験した私だからこそ平和への想いを語ることに意味があり、それは次の世代にとって絶対無駄なことではないと思います。
正直言って、つらい思い出を語り続けることは、まだ日本語が不自由な私としては大変な作業なのです。ある時は戦争体験の話をしている途中で日
本語がうまく言えず、話が詰まり、参加者に「こういうのなんと言ったっけ?」と身振り手振りで「ガリ版刷」の動作をして、たずねるようなこと
もありました。また話しているうちに、当時のことが昨日のことのように思い出され涙声になってしまうことが何度もありました。それでも若い人
達は静かに耳を傾けてくれたのです。その後、たくさんの感想文が寄せられ、なかには「良くがんばって生きて帰国されたとうれしく思いました」
と書いてありました。本当に勇気を出して話してよかったなと思いました。
私の平和への想いが年代を越えてどれだけ理解されたのかはまだ未知数ですが、あの戦争が生み出した残留孤児、残留婦人のことを戦争を知らない
後世の人達に伝える義務があると思うようになりました。
高齢になってから、定着促進センターの遠隔課程を受講し、神奈川中国帰国者定住サポートの会でスクーリングを受け、日本語を猛勉強したおかげ
で、私の世界は更に拡がってきました。今後、私は支援給付金をいただいていることに感謝しながら、これまでに学んだ日本語を使って積極的に地
域の人たちと交わりながら、自分史を書きたいと思っています。
NL50号で使われたクリップや学生さんから提供された作品を以下に掲載します。
兵庫県 張雨均さんの作品
今回のカット