中国・サハリン帰国者教育の相互支援ネットワーク

2014年12月19日号

編集・制作:中国帰国者定着促進センター
          教務部講師会
発行者:中国帰国者定着促進センター

今号を印刷してお読みになりたい方は、こちらのPDFをご利用ください。2014年12月19日号PDF

◎目次――――――――――――――――――――――――――――――――
地域情報ア・ラ・カルト
 ・「常楽園デイサービス」を訪ねて

研修会報告
 ・平成26年度 文化庁日本語教育大会
   「日本語教育の地域連携の可能性を考える-外国人のライフサイクルという視点から-」
 ・日本語音声教育セミナー「中国人学習者を対象とした効果的な音声指導の実践」
 ・第60回全国夜間中学校研究大会

とん・とんインフォメーション
 ・「医療通訳育成カリキュラムとテキスト」と「外国人向け多言語説明資料」がダウンロードできます!
 ・所沢センターHP「同声・同気」の新コーナーについて
 ・ニュース記事から(2014.9.18〜12.11)

遠隔学習インフォメーション
 ・遠隔学習課程コース紹介「おしゃべり話題コース」

 

地域情報ア・ラ・カルト

「常楽園デイサービス」を訪ねて

 2014年8月4日、群馬県前橋市に帰国者二世が立ち上げた施設「常楽園デイサービス」を訪問した。

●施設立ち上げのきっかけ

 婦人二世である原静子さんは1年前(2013年12月)高齢で体の悪くなった母親(帰国者)の世話をするためご主人とともに来日し、群馬県に来た。二人とも以前日本で20年ほど暮らしていたこともあり、日本語にはさほど問題はなかった。母親の住む団地には一人暮らしの帰国者が多く暮らしており、高齢の帰国者一世たちは、外へ行っても言葉が通じないし、話しかけてくれる人もいない。体も悪く生活をするのにも大変だが、二世である子供たちは仕事で忙しいため、普段は家でじっと我慢しているしかない。それなら自分たちでデイサービスを立ち上げようと考えた。静子さんは中国で保育士をしており、託児所を経営していたこともあり、施設経営のノウハウもあった。医大出身のご主人が高崎の有料老人ホームで半年働いて経験を積み、瞬く間にデイサービス「常楽園」立ち上げにこぎつけることができた。
 開設に当たって、たまたま市役所に行ったときに「創業塾」というのがあると聞いて、すぐに参加した。1か月間週1回の勉強会があり、そこでは事業を始めるのに必要なことをいろいろ教えてくれた。開業の仕方、融資の受け方、税金についてなどいろいろ教わり、その後は中小企業相談会で何度かアドバイスを受け、開業にこぎつけたとのこと。
 現在は、施設長であるご主人、管理者の静子さん、そして日本人スタッフ1名で運営しているが、利用者の中にもボランティアで手伝っている人が何人かいるようだ。

●入所者の募集と利用状況

 介護サービスというのが中国帰国者にはなかなか理解されず、開業当初は利用者がなかなか集まらなかったが、原さんの母親が住んでいる団地には帰国者が集住しており、そこからの口コミで徐々に利用者の人数が増えていった。ほとんどが帰国者だが、日本で暮らしている中国の人も一人来ている。日本人は受け入れていないとのこと。
 現在の施設利用者は13名。要支援、要介護度によって週1〜4回と利用回数は様々。1日10名まで受入れ可能で、常時7〜8名ほどが利用しているとのことだが、この日の利用者は5名だった。脳梗塞の後遺症のある人や認知症の人も利用しているそうだ。

●1日の流れ、活動

 利用者を迎えに行き、施設に到着するのは9時、それから帰宅まで盛りだくさんの活動が組まれている。
 バイタルチェック(血圧、脈拍、体温測定)/脳力トレーニング(絵を描く、間違いさがし等)/インターネットで中国の健康番組を見る/気功、ヤンガー(中国の踊り)/ゲーム(麻雀、トランプ、将棋、この間一人ずつの入浴等)/口腔体操/昼食/昼寝、ヨガの音楽をかけての瞑想/体操/ゲーム(風船バレー、手遊び、輪投げ、ボーリング、ボール蹴り等)/カラオケ/中国の連続ドラマ鑑賞/書道、折り紙、切り紙等/機能訓練、マッサージ、足湯等/合唱 そして16時半送迎。
 このように活動を多く組むことで、利用者同士がお互いの不満から口げんかになったりすることを避ける意味があるらしい。気分を切り替えることでストレスがたまらないように工夫しているとのこと。これだけ活動すれば、確かに夜はよく眠れることだろう。
 この日は小学生の息子さんがいて、ボーリングゲームのピン並べなどを手伝ったり一緒にゲームに参加したりしていた。小さな子供がいることも一世にとっては嬉しいことなのだろうと思う。

●料理について

 食事の料金が高いと利用者が敬遠するとのことで、一般の施設よりはかなり安い値段でやっている。庭で野菜を少しばかり作っていることもあり、できるだけ安く中国の家庭料理を提供したいとの思いがあるようだ。メニューには中国のクックパッド(インターネットの料理レシピ)なども参考にしているとのこと。

 以前は感情の起伏が激しかった人も、ここにきて落ち着いて自分をコントロールできるようになった人が多いそうだ。中国にいた時のような環境で、仲間とともに気兼ねなく過ごせるところがいいのだろう。

 施設長であるご主人は、利用者がここで楽しく過ごせるように活動(ゲーム、カラオケ等)を盛り上げつつ、利用者一人一人に気を配っているのがよく感じられた。     (T)

施設全景 中国のインターネット番組でくつろぐ利用者の方々


 〒379-2131群馬県前橋市西善町599-1 пF027-266-0567

 

研修会報告

平成26年度 文化庁日本語教育大会(2014/08/29-30)

「日本語教育の地域連携の可能性を考える
-外国人のライフサイクルという視点から-」


 上記大会が、2日間にわたって昭和女子大学で開催されました。1日目は、施策説明、日本語学習支援に役立つWEBサイト紹介、「生活者としての外国人」のための日本語教育の実践報告、母親・子ども・若者・労働者・高齢者に関わるパネリストを迎えての「日本語教育の地域連携の可能性を考える-住民のライフサイクルの視点から-」と題したパネルディスカッションが行われました。(1日目については、文化庁ホームページで全てのプログラムの動画が視聴できます。※1)
 2日目は、ワークショップとして以下の3つの分科会が行われ、その後、17団体から「生活者としての外国人」のための日本語教育事例のポスター発表が行われました。
  (1)「生活者としての外国人」に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案とは? -5点セット早わかり!-
  (2)行動・体験中心の教室活動をデザインしてみよう –教材例集を参考に-
  (3)日本語学習ポートフォリオ(※2)を活用してみよう -移動する学習者のための日本語能力評価-

 ここでは、分科会(3)について簡単に報告します。

 まず、標準的なカリキュラム案を軽くおさらいしたあと、日本語能力評価の考え方、日本語学習ポートフォリオを概観しました。その後、ポートフォリオ評価について良いと思う点・難しいと思う点、継続的に使える毎回の学習記録シートについて5〜6名のグループで意見交換を行い、共有しました。
 ポートフォリオ評価の良い点・難しい点については、以下のような意見が出ました。
  ・良い点:成果がわかりやすい、学習を振り返りやすい、学習者の学習動機に繋がる、引き継ぎに便利、等
  ・難しい点:評価が主観的になりやすい、記録が負担になる、学習者本人が管理することが大変、個人情報の問題、等

 また、継続的に使える学習記録シートを考える過程で、日本語学習ポートフォリオについて、学習者の母国語による活用法説明の必要性、デジタル化・IT化の必要性等の意見が出ました。
 分科会の前半、「日本語学習ポートフォリオのシステムは負担なく生活者の生活の中に入っていけるものでなければならない」ものであるが、「ポートフォリオを『記録/保管/共有/活用』することは実質的には難しいことでもある」という話が分科会講師からあり、移動する学習者の能力評価について、学習者や指導者間で継続的に使える環境をどう整えるのか、大変難しい問題であると感じました。一方で、学習者本人が主体となり常に使っていける評価システムを考えた時、記録や保管、共有等が容易なスマートフォンやタブレット等携帯端末で利用できる手段(多言語対応で教材ダウンロードと日本語学習ポートフォリオの一体型アプリ等)ができれば学習者・指導者の双方の利便性が上がるのではないかと感じました。参加者がそれぞれの現場で行われている評価とその共有・活用の方法について考えを巡らすことができる良い機会となったと思います。    (N)

※1 文化庁による大会報告及び発表資料、配布資料(当日のパンフレット、『「生活者として外国人」のための日本語教育の標準的なカリキュラム』関連資料 等)、大会1日目の動画は、文化庁のホームページで閲覧・ダウンロードが可能です。
    http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kyouiku/taikai/26/houkoku.html
※2 日本語学習ポートフォリオ:日本語学習の履歴・能力を把握し、継続的な支援や教育プログラムの改善に役立てることを目的に、学習成果や日本語使用の実態を蓄積するファイル


日本語音声教育セミナー

「中国人学習者を対象とした効果的な音声指導の実践」レポート


 中国でのユニークな音声指導法で知られるカリスマ日本語教師、笈川幸司さんの講演会が10/14、東京大学の本郷キャンパスで開かれました。北京の日本語スピーチコンテストで数年に渡って教え子から優勝者を出しているという笈川さんの活躍ぶりは、元お笑い芸人というユニークな経歴も相まって日本国内でも広く知られています。当日の講演では、教材例に沿って中国語の干渉の強い発音の例が全て誇張された実演付きで紹介され、ポイントの意識しやすい講演となっていました。かなり体育会系のトレーニング要素の強い、しかしそれを続ければ必ず聞き取りやすい発音が習得できるという技満載の当日の講演の様子はyoutubeの以下のURLで公開されています。
 講演 http://youtu.be/aQv8XSXP7DQ  質疑応答  http://youtu.be/IJCiBDitQ_g
 しかし、さすが体育会系、最終的には発音の適否よりも人の意見をきちんと聞いているか、内容のあることが言えるかといった点の方が重要だとしめくくられていたのも笈川さんらしく感じました。

動画を見る時間のない方のために、ポイントを列挙しておきましょう。
▶発音練習に入る前に喉の準備体操を毎回やる:@n〜とハミング →An,n,n,nと短く →B「あー」と長く
▶「ありがとうございます」等の一文フレーズをスローガンのようにリズミカルに3回繰り返して読む。使えるフレーズ(ポジティブな言葉:感動しました/使わせて下さい/個性的ですね等)で。練習はしつこく。3回×2〜3クール。毎日5分と決めてやる。
▶弱点別克服法…
・有気音の「気」が強すぎる →優しく言うこと。これを言うと学生は「それでは「か」が「が」になってしまう」と言うが、「どうせ違いはあなたたちにはわからない」とあえて言っている。中国語の四声の中の「軽声」で読むと「優しい発音」にできる。
・母音の発音時に唇を大きく動かしすぎる→腹話術のようにできるだけ口を動かさないように。「い」の口の形で話すようにする。自分の唇の動きを鏡でチェックする。但し、あまりに口の開きが小さいと何を言っているかわからないので、毎日録音しては聞くようにするとよい。
・長音・撥音が短い→まず「な」音を間に挟んで練習:「高校生は」⇒「こなこなせなは」×3回、「アンパンマンは」⇒「アナパナマナは」×3回。この直後に発音すると長さの感覚を体が覚えている。
・促音が出ない→これも同上だが、「つ」で読む:グッチのバッグ⇒グツチのバツグ×3回。
・単語の一音目の直音が長くなりがち→意識してものすごく短く発声するよう指導する。
・高低アクセントが意識されにくい→五線譜ならぬ三線譜上に平仮名を高低で配置し、視覚的にも意識してもらうようにする
・文単位のイントネーションやプロミネンスが不自然→長い文を最初の一文節だけ後について発音する練習から始めて一文節ずつ読む節を長くしていく。
・わかりにくい発音の人→褒め倒して大きな声を出してもらうことで弱点がよくわかる。自分の声を録音して聞いてもらうことで自覚してもらう。
・ナ−ラ問題→ら行の「r−l」の違いを知ってもらい、「r」を意識させる。今できなくても毎日1〜2分練習すること。(国際交流基金では「「な」行音のときには下あごの方を動かす」と指導していることが紹介された)
等等、実践してみられては!    (an)


第60回全国夜間中学校研究大会 報告


 11月27日(木)、28日(金)と大田区産業プラザpioにて、「第60回全国夜間中学校研究大会」が行われました。今回の全体を通してのテーマは「夜間中学校の実態から教育の課題を明らかにし、義務教育未修了者の人権としての学ぶ権利を保障しよう」というものでした。
 27日には李正連(イジョンヨン)東京大学准教授の「世界の基礎教育の現状と課題〜韓国の事例を中心に〜」と題しての記念講演もありました。
 28日は、前半は領域別分科会(第一分科会:「教育内容、授業」、第二分科会:「学校行事、特別活動、健康教育」、第三分科会:「識字教育、在日韓国・朝鮮人教育」、第四分科会:「引揚帰国者・新渡日外国人教育」、第五分科会:「増設、教育条件、PR活動」)、後半は教科別分科会(日本語A(入門)、日本語B(国語)、数学、社会科、理科、外国語(英語))が開かれ、意見交換が行われました。

《参加した第四分科会、日本語Aの中で取り上げられていた問題から》
・仕事をしている生徒も多いが、正規社員ではないため、仕事が不安定。解雇されることもあり、同じ場所に居住し続けることができないということもある。また、こちらの知らないうちに、急に帰国してしまったりする。
・子育て、子どもが通う学校とのやりとり、病院や事故による怪我などの問題で、学習できなくなってしまうこともある。
・10代、20代前半の若い生徒は、高校進学を考えても、親の都合でいつ帰国するかわからない、進学しても卒業まで日本にいられるかわからないといった状況にある。そのため自分の将来設計ができない。
・高齢の生徒の場合、入学当初はとても意欲的に学習していても、体がついていかなくなることがある。ある生徒は、授業中寝ていることも多くなり、服装も乱れて口数も少なくなってきた。最初は気づかなかったが、認知症を発病していた。離れて暮らしている家族に連絡してみたが、協力が得られなかった。アドバイスはできるが、家族のことなので学校や行政が立ち入れない。
・「中学校教科書」が理解できる日本語のレベルまでなかなかいかない。

 夜間中学では、「人権としての学ぶ権利」を保障するため、できる限り生活の相談にのり、通学できるように努めています。しかし、なかなか抱えている問題の改善や出席率の向上には結びつかないのが現状のようです。現在全国に31校(東京8、神奈川2、千葉1、大阪11、兵庫3、京都1、奈良3、広島2)の夜間中学があります。そして、夜間中学に通っている生徒数は1951人で、そのうち日本人はわずか319人しかおらず(2014年9月現在 大会資料より)、約84%が外国籍の生徒になります。しかも世界30か国以上の国と地域から渡日していて、多国籍化しています。そこでは、さまざまな問題が起こりますが、どのような人にも、教育の機会を充実させていこうと、夜間中学の多くの先生方が日々奮闘しています。       (S)

第60回全国夜間中学校研究大会・関係資料を入手したい方は、以下のホームページを参照してください。   
 http://zenyachu60th.sakura.ne.jp/

 

とん・とんインフォメーション

「医療通訳育成カリキュラムとテキスト」と
「外国人向け多言語説明資料」がダウンロードできます!


 日本医療教育財団は、厚生労働省 平成25年度医療施設運営費等補助金「医療機関における外国人患者受入れ環境整備事業」の補助金により、上記の資料を作成しました。

以下、日本医療教育財団ホームページからの引用です。

 「医療通訳育成カリキュラムとテキスト」は、医療に関する一定のレベル以上の知識および通訳技術を修得し、医療通訳者として機能する専門職を育成するために行うべき研修や指導要領等についてまとめ、作成をいたしました。
 一方、「外国人向け多言語説明資料」は、国内の医療機関における外国人患者受入れの院内体制整備の一環として、院内で外国人患者の対応時に必要となる、問診票、説明文書、コミュニケーションツール等の標準化および翻訳を行いました。

 上記の資料は厚労省のホームページにて公開されています。

「医療通訳育成カリキュラム・テキスト」
編集:多文化共生センターきょうと、全508頁
 ※巻末の「単語集」には医療に関する用語が日本語、英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語でまとめられています。
◆厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056944.html

「外国人向け多言語説明資料」 日、英、中、ポルトガル語、スペイン語版
【全般】【入院部門】【会計部門】【問診票】【手術・検査部門】などのカテゴリー、全48項目を網羅
◆厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056789.html


〈所沢センターHP「同声・同気」の新コーナーについて〉


 今回、HPトップ画面に「所沢センターの帰国者への学習支援」コーナーを新たに作りました。今までHP内にバラバラに存在していた「来日直後の初期研修」と「日本語通信教育」に、「中・長期的遠隔学習支援」と「コミュニケーション力評価」を新たに加えまとめました。
 所沢センターは、帰国者の日本語学習について、来日直後、施設入所の形で行う予備的集中研修と、定着後、「いつからでもどこにいても」学習できる「日本語遠隔学習課程(通信教育)」の実施という形で、帰国者の生涯学習としての日本語学習を継続的に支援し続けています。この学習支援の大きな柱について紹介しています。
「来日直後の初期研修」では、帰国者の方々が定着地の生活になるべくスムーズに入っていけるように「日本での生活への自信と意欲、それを裏付ける基礎知識、基礎技能を身に付ける」ことを目標にした、6ヶ月研修の学習カリキュラムや学習プログラムを紹介しています。
 「日本語通信教育」では、全国に定住する帰国者を対象に実施されている「日本語遠隔学習課程」の各コースを紹介しています。現在も、定着後の帰国者のライフステージに応じた多様な日本語ニーズに答えられるよう、新しい教材を開発し、コースのメニュー化を図っています。   
 また、「中・長期的遠隔学習支援」では、自学自習が中心となる「日本語遠隔学習課程」を居住地域でサポートする「スクーリング」を紹介しています。生活者としての帰国者は、各世代の事情を抱えながら生活の傍ら日本語を学んでいくことになります。そのような学習の「伴走者」としての「スクーリング講師」の役割についてまとめています。
そして、センターで開発した「コミュニケーション力評価」の方法について紹介しています。ここでいう「コミュニケーション力」とは、雑談場面等での会話力を指します。この評価は、日本語の言語形式の正しさのみを見るのではなく、「伝える力」「聞く力」=「やりとりする力」を評価の観点としています。

 新コンテンツを追加するにあたり、トップ画面もレイアウトを少し変えました。少しすっきりしたのではないかと思います。ご興味のある方は、是非一度訪れてみてください。
http://www.kikokusha-center.or.jp/


ニュース記事から 2014.9.18〜12.11

2014/09/18 北朝鮮でも「残留日本人」調査/厚労省
2014/10/01 一橋大院生らの「『満洲の記憶』研究会」主催シンポジウム開催/東京 ※1
2014/10/03 厚労省主催「中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウム」/横浜
2014/10/04 中国残留孤児の肉親調査、新たな認定者なく2年連続見送り/厚労省
2014/10/14 樺太等残留邦人6名が集団一時帰国(10/15〜25)/厚労省
2014/11/01 帰国二世、国支援の有無で日本語能力に大差、就労状況にも差(大阪、兵庫等6府県を調査)/神戸
2014/11/05 満蒙開拓平和記念館、開館1年半で来館者5万人を突破/長野
2014/11/09 中国残留者の帰国支援に尽力の中島多鶴さん死去 ※2
2014/11/10 “チャイニーズドラゴン”リーダーら逮捕
2014/11/16 「残留孤児の父」山本慈昭さんの生涯を描いた映画「望郷の鐘」完成試写会/東京・中野 ※3
2014/12/03 中国残留邦人10名が集団一時帰国(12/4〜15)/厚労省
2014/12/08 中国残留邦人の墓碑建立 共同墓地で除幕式/山形

※1 「『満洲の記憶』研究会」は一橋大学佐藤教授のゼミ生を中心に、2013年7月に発足。満州の歴史や日本と中国の戦後史をたどる上で貴重な証言や資料を集めている。11/2に「終わらなかった戦争―満洲からの引き揚げ」と題したシンポジウムを行った。

※2 昭和15年に開拓団員として家族と旧満州に渡り、21年に帰国。残留邦人の身元引受人になるなど帰国支援に力を入れた。「残留婦人の母」とも呼ばれ、長野県内外で満州の体験を語り継ぎ、満蒙開拓平和記念館の設立にも尽力した。享年88歳。

※3 「望郷の鐘」の今後の上映場所・日程は以下のホームページよりご確認ください。
 http://www.gendaipro.com/bokyo_new/schedule/schedule.html

遠隔学習インフォメーション

遠隔学習課程コース紹介

めざせレベルW!おしゃべり話題コース

 今回ご紹介するのは、会話力アップを目指すためのコースです。
 皆さんの周囲の帰国者の中にも、「挨拶はするんだけど、その先の話がなかなか続かない」とか、「よくしゃべるんだけど、いま一つ何言ってるかわかりにくい…」とか、「日常生活で困るほどではないけれど、もう少し会話力がつくと世界が広がりそう」とか、そんな方はいませんか。そういう方にお薦めなのが「おしゃべり話題コース」です。題名にある「めざせレベルW」の「W」というのは、センターが開発した「JSLコミュニケーション力水準」の上から二番目のレベルのことで、「自立段階前期:相手がわかりやすく話してくれれば身近な話題や自分の興味のある話題で雑談・歓談をすることができ、より一般的な話題でも、比較的自然に簡単なやりとりができる」レベルを指しています。テキストでは、日本人同士の雑談で良く扱われるテーマを取り上げ、それぞれのテーマでやり取りされる会話例を、短いものから長いものまで、できるだけたくさん紹介しています。そして、CDをたくさん聞いて、たくさん発話練習するように構成されています。おしゃべりの背景にある日本事情、おしゃべりを続けるためのコツなども紹介しており、コース修了者からも「実用的である」「読んでいて楽しい」「日常生活にぴったりだ」等、好評です。また、中国語が母語の人が発音しにくい日本語の音を取り上げた発音講座もついています。
 職場の人や、近所の人や、学校で知り合った母同士などと、挨拶を超えたちょっとした雑談ができると、お互いの距離が少し近づきますね!そのきっかけになるコースです。

全5冊で、1冊に2課ずつ入っています。各課のテーマは以下の通りです。

1課:住んでいるところ
2課:日常生活(1)
3課:日常生活(2)
4課:仕事
5課:出身地・故郷
6課:趣味・嗜好
7課:家族
8課:外国語学習(日本語と中国語)
9課:中国と日本(異文化)
10課:ニュース

※当センターホームページに教材のサンプルがあります。Internet Explorerで音声が聞けます。
http://www.kikokusha-center.or.jp/tokorozawa/enkaku/jp/1410course_jp.htm#24

お知らせ

★web版『同声・同気』は、情報掲載時に、その内容をメールにてお知らせすることができますので、ご希望の方は、以下の宛先まで、@お名前(団体窓口者の方は団体名も)とAご自身のメールアドレスをお送りください。
宛先:tongtong@kikokusha-center.or.jp
(お問い合わせは 電話04-2993-1660 FAX 04-2991-1689)