中国・サハリン帰国者教育の相互支援ネットワーク

2015年6月4日号

編集・制作:中国帰国者定着促進センター
          教務部講師会
発行者:中国帰国者定着促進センター

今号を印刷してお読みになりたい方は、こちらのPDFをご利用ください。2015年6月4日号PDF

◎目次――――――――――――――――――――――――――――――――
地域情報ア・ラ・カルト
 ・支援・相談員の現場からK
    「中国帰国者一世の高齢化に伴って増えてきた相談」−首都圏センター

行政・施策
 ・厚労省から:平成27年度中国残留邦人等支援関係予算の概要

研修会報告
 ・平成27年度中国残留邦人等支援に係る全国担当者会議

教材・教育資料
 ・子どもの母語教育

とん・とんインフォメーション
 ・戦後70周年記念公演 ― 中国残留孤児・婦人の歴史と今を知ってください ―
  ・「介護に係る研修会」用資料についてのお知らせ/中国語の対応が可能な介護事業所一覧(追加情報)
  ・ホームページ紹介「アーカイブス中国残留孤児・残留婦人の証言」
  ・外国人就労・定着支援研修
  ・「これだけは知ってほしい―外国につながる子ども支援基本の基5つ」田中宝紀さんのブログで紹介
  ・2015年度 多言語高校進学進路ガイダンス[各地の情報]
  ・ニュース記事から 2015.3.2-2015.5.31
  ・お知らせ:人事異動

地域情報ア・ラ・カルト

支援・相談員の現場からK

「中国帰国者一世の高齢化に伴って増えてきた相談」

首都圏センター 支援・相談員 八倉周子


 学習や交流活動で、センターに通ってきている一世からの相談は様々ですが、一世の高齢化に伴って増えてきた住宅や葬儀についての問題はなんともしがたく、改善策はないものかと感じます。

 2014年、神奈川県横浜市で行われた「中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウム」ではパネリストの帰国者一世が、「帰国者は子どもと一緒に住みたいんです」と訴えていました。すべての帰国者が子どもと住みたいと願っているわけではないでしょうが、中国の伝統的な考え方からすると、老後をみてもらうために子どもを産み育てるといっても言い過ぎではないくらいです。一世にとっては見知らぬ土地―日本で無我夢中で子どもを育ててきて、気が付いたら子ども達は遠くに巣立っていってしまっていたとか、或いは一定水準以上の収入のある二世家族と一緒に住むと支援給付が受けられず、経済的に自立した状態で同居することができないため、やむなく別居しなくてはならないという状況は、中国で思い描いていた老後の生活とはひどくかけ離れているのではないでしょうか。

 あるケースでは、同居している二世の収入が基準より高いため一世夫婦が支援給付を受けることができず、それぞれの年金合わせて9万ほどで暮らしているとのことです。医療費や介護保険をそこから支払うと、孫への小遣いも十分に渡せないと嘆いていました。一世配偶者が80歳を超えており、通院には二世の送り迎えが欠かせないため別居はできないとのこと。同じような境遇を経て同じように苦労をしてきた仲間が支援給付を受けていて、なぜ自分がその権利を享受できないのかという悔しさを口にしていました。老いた親の面倒をみることは中国の人にとってはごく自然なことと考える人もいるでしょうが、来日した後は考えが変わってしまう二世が多い中で、「同居したら損だ」という考えをさらに植えつけるようになれば残念だと思います。

 また、住まいに関して気になるのが都営、県営住宅の「承継」です。一般に公営住宅は名義人が亡くなった場合、配偶者か高齢者、障がい者、病弱者しか、引き続き居住することができません。親子で公営住宅に同居している場合であっても、名義人であった親世代がいずれも亡くなってしまうと、生活保護または基準を超えない収入で暮らしていても、子世代(二世)は公営住宅に住み続けられなくなってしまいます。老親の世話に明け暮れ、就労できないでいる二世が、親を亡くした悲しみも癒えないうちに公営住宅の立ち退きを心配しなければならなくなるということが起きてきています。

 一世が亡くなった後の二世の不満は、「葬祭費用を役所で『払い戻し』できるだろう」、或いは「戦争で犠牲になった親世代には、亡くなれば国から何らかの弔慰金があるに違いない」といった思い込みや誤解から来ているようです。
2014年10月改定の「中国残留邦人等の方々への支援給付のしおり」には、葬祭支援給付「葬式のための費用(他に葬祭を行う遺族がいる場合には、給付を受けることができません)」と書かれています。葬祭支援給付は20万ほど(居住地の規定による)ですが、それは亡くなった本人の支援給付から出るのではなく、遺族の支援給付または生活保護から出ます。支援給付を受けている一世の夫婦のうちどちらか一方が亡くなった場合は、残された一世の支援給付から葬祭費用が出ますが、一世が一人で支援給付を受けている場合はこの方が亡くなった時点で支援給付が切れるので葬祭費用の出所がないとのことです。
生きているうちから「死んだ時」の話をするのは憚られるものですが、支援給付における「葬祭費用」については誤解の無いよう「生きているうち」にきちんと説明をしておかなければと思っています。

行政・施策

☆厚生労働省より

平成27年度中国残留邦人等支援関係予算の概要


【26年度予算額】  【27年度予算額】
  11,121百万円 → 11,058百万円    

 「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律」に基づく満額の老齢基礎年金等の支給、支援給付の支給、配偶者支援金の支給など、中国残留邦人等への支援策を着実に実施する。 

1.中国残留邦人等に対する生活支援
10,263百万円 → 10,262百万円

(1)満額の老齢基礎年金等の支給
100百万円 → 67百万円
満額の老齢基礎年金等の支給に必要な保険料納付のための一時金を支給する。

(2)中国残留邦人等に対する支援給付の支給
10,051百万円 → 10,000百万円
支援給付を支給するとともに、その実施機関に支援・相談員を配置する。
また、支援給付の施行事務監査を実施する。

(3)地域生活支援事業の実施
(15,000百万円の内数 → 10,000百万円の内数)

自治体を実施主体として自立支援通訳の派遣や日本語学習の支援、交流事業等を行う。

(4)啓発・広報の実施
8百万円 → 8百万円

中国残留邦人問題への国民の理解と協力を得るための啓発・広報等を実施する。

(5)配偶者支援金の支給
104百万円 → 187百万円

中国残留邦人と長年にわたり労苦を共にしてきた配偶者の置かれている事情に鑑み、 永住帰国する前からの配偶者に対し、支援給付に加えて配偶者支援金を支給する。

2.定着自立援護
419百万円 → 410百万円

永住帰国した中国残留邦人等やその家族を支援するため、中国帰国者支援・交流センター運営事業を実施する。また、中国残留邦人等に関する実態調査を行う。

3.帰国受入援護
409百万円 → 357百万円

中国帰国者定着促進センター運営事業を実施するとともに、永住・一時帰国旅費や自立支度金等を支給する。

4.身元調査等
30百万円 → 30百万円

中国残留孤児の身元調査のため、訪中認定調査や訪日肉親調査等を実施する。

※上記の他、職業安定局及び職業能力開発局において永住帰国した中国残留邦人等の2世・3世に対する就労支援を実施
27百万円 → 27百万円


ハローワークにおけるきめ細かな職業相談や試行雇用の実施等の就労支援を促進する。

※百万円単位で四捨五入しているため、各欄の増減が一致しない場合がある。

研修会報告


平成27年度中国残留邦人等支援に係る全国担当者会議


 平成27年5月19日(火)、厚労省主催で標題の担当者会議が行われ、全国より都道府県や指定都市、中核市、関係機関等の担当者等、175名が参加した。

 会議は、午前10時から始まり厚生労働省より「地域支援事業」「就労支援事業」「満額の老齢基礎年金の支給」の説明、また、今年度秋に6年ぶりに実施される中国残留邦人実態調査への協力依頼、そして10月に京都市で予定されている「中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウム」の告知依頼などがあった。
 午後13時より、「中国『残留孤児』国家賠償訴訟弁護団全国連絡会」の支援弁護士から話があり、@中国渡航の制約への柔軟な対応 A遠方の日本語教室への交通費の支給 B介護問題への支援 C自立支援通訳の拡充 D住宅の住み替え(二世世代の近くに転居したい)の要求実現への尽力 E葬儀費等葬祭支援のシステムの周知等が要望として出された。
 その後、再び厚生労働省より「支援給付制度(配偶者支援金含む)」「中国残留孤児日本人孤児調査(問題の背景、身元調査等)」「帰国受け入れ支援(永住・一時帰国の概要・永住帰国後の受け入れ体制等)」等について説明があった。
 また、関係機関から支援事例の報告があった。北海道中国帰国者支援・交流センターからは「帰国者二、三世の就労支援のために」ということで、北海道センターが行う就労に関する授業や実際の仕事探しへのサポート、面接準備・同行、職場体験実習、就労後の通訳援助、事業所との連携などが紹介された。自治体からの報告として群馬県から「就労相談員派遣事業の取り組みについて」として、自らもシベリア抑留体験を持ち公共職業安定所に勤務した経験のある就労相談員の事例が紹介され、帰国者と就職先との間に立ち根気よく両者を支援、調整している様子が伺えた。また、東京都府中市の支援相談員からは、日頃の取り組みとして一般業務以外にも、日本語・日本事情の学習会、健康講座を実施していること、自治体職員を対象にした中国語講座を開き、帰国者とのコミュニケーションを円滑に行えるように働きかけているという紹介があった。最後に、(公財)中国残留孤児援護基金から養父母及び中国残留邦人等への支援事業と、永住帰国した中国残留邦人等への定着自立支援事業として、定着促進センターや支援・交流センターの運営、就学支援や教材費援助、介護関連資格取得支援、老後支援として平成27年2月に開設された「訪問介護ステーション寿星」の紹介等がされた。
 平成27年度もこれまでの支援事業は引き続き実施され、「中国残留邦人等支援関係予算」の総予算に大きな変化はないようだが、「地域生活支援事業の実施」「定着自立援護」「帰国受入援護(遠隔学習課程含む)」の各予算は縮小されている。
 なお、会議資料については、以下、厚生労働省HPに掲載されている。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000086797.html

 

教材・教育資料

子どもの母語教育


 日本で暮らす、日本語母語話者が、日常生活の中で母語を意識することはあまりないと思います。しかし、外国から来て日本で暮らす人たちはどうでしょう。
外国につながる子どもにとっての母語の重要性は、かなり前から指摘されてはいますが、そのための取り組みはというと、まだまだというのが実情です。今回はその貴重な取り組みの中で生まれた、多言語情報(冊子・サイト)をいくつか紹介します。

1)『子どもをバイリンガルに育てる!』

「にほんごサポートひまわり会」が実施した、外国人保護者向けの講演会「子どもをバイリンガルに育てる」の記録冊子です。外国から来て日本で子育てをしている外国人家族が、子どもをバイリンガルに育てるために注意すべき点、日本人側が気をつけるべき点などが、わかりやすく書かれています。

@母語保持教育講演会報告書
『子どものことばを伸ばすために―母語と日本語の教育について―』
 真嶋潤子教授の講演、質疑応答、言語別の話し合いの記録
 日本語 B5サイズ55ページ 600円 2014.11
A『子どもをバイリンガルに育てる! ―外国から来て日本で子育て中の保護者の方へ―』
上記講演記録のダイジェスト版。中国語/ベトナム語版、日本語(ルビ付き)対訳18ページ 300円
*スペイン語版は近日発行予定
 http://blog.himawarikai200311.org/

2)『バイリンガルを育てる ―外国から来たお父さん,お母さん,あなたが話している言語は子どもにとって宝です―』

京都府国際センターが、京都教育大学の協力により作成した多言語パンフレットです。内容は以下の通り。

1.バイリンガルのすすめ
2.子どもの発達と言語には深い関係があります
3.親子のコミュニケーションが大切です
4.バイリンガルは家族の毎日の習慣で育ちます
5.それぞれの家庭で,子どもの言語と教育について考えましょう
6.日本語以外の言語で話せる仲間を作りましょう!

英語/中国語/フィリピン語/インドネシア語版、各言語日本語(ルビつき)併記、A4サイズ8ページ観音開き用のデザイン
下記からダウンロードできます。
http://www.kpic.or.jp/njfumin/livinginfo/kyoiku12/bilingual.html

3)「母語教育サポートブック 『 KOTOBA 』―家庭/コミュニティで育てる子どもの母語―」

「愛知 外国につながる子どもの母語支援プロジェクト」が、2012年度愛知県委託事業「外国人コミュニティ母語教育等支援事業」の一環で作成したパンフレットです。
内容は、
・母語は大切です…外国につながる子どもたちの母語の重要性
・愛知県に住んでいる外国人のお父さん、お母さんに聞きました「子どもの母語を育てるために、家庭でこんなことをしています」
・探してみよう 行ってみよう 子どもの母語教室…愛知県内の母語教室のリスト、母語教室活動事例
・母語教室をつくってみませんか…母語教室を作るためのノウハウQ&A 等
スペイン語/ポルトガル語/フィリピン語/中国語/韓国・朝鮮語版、すべて日本語併記、B5判 中綴じ28ページ カラー
≪配布場所・お問い合わせ≫
 ◇NPO まなびや@KYUBAN(TEL 070-5642-1618/E-mail manabiya_kyuban@yahoo.co.jp )
 ◇愛知県地域振興部国際課多文化共生推進室(TEL 052-954-6138/E-mail tabunka@pref.aichi.lg.jp
 ◇NPO多文化共生リソースセンター東海(TEL 052-228-8235/E-mail mrc-t@nifty.com )

冊子はいずれも下記からダウンロードできます。「愛知県外国人コミュニティ母語教育等支援事業報告書」もダウンロードできるそうです。
 http://www.aichibogo.org/

4)関西母語支援研究会

 http://education-motherlanguage.weebly.com/
上記のHPにも、子どもの母語教育に関する様々な情報が出ています。
ベトナム語、スペイン語、ポルトガル語、韓国・朝鮮語、中国語、英語で読むことができます。

とん・とんインフォメーション

中国帰国者 戦後70周年記念公演会
― 中国残留孤児・婦人の歴史と今を知ってください ―


 今年が戦後70年に当たることから、援護基金では表題の催しを行うことになりました。再び戦争の悲劇を起こさないために、事実を風化させず帰国者たちのことを世の中の記憶に留めてもらうために、多くの人たちに見てほしいと呼び掛けています。

第一部:中国残留孤児・残留婦人のあゆみ
 
記録写真、映像、そして神田さち子さんによる芝居を交えながら、中国残留孤児、中国残留婦人について語ります。
<出演>
城戸久枝さん  ノンフィクション作家、残留孤児二世
           NHKドラマ「遥かなる絆」の原作 『あの戦争から遠く離れて』の著者
神田さち子さん 監督、女優
           残留婦人の半生を描いたひとり芝居「帰ってきたおばあさん」を全国各地で上映中

第二部:舞踊劇(新作「孤児の涙」)、合唱、独唱、雑技 等
 
中国帰国者・日中友好の会によるミュージカルは、中国残留孤児自らが制作、出演

○日時:平成27年8月26日(水)12:30開場、13:00開演 〜15:30
○会場:所沢市民文化センター“ミューズ”マーキーホール(中ホール)定員500名
     ※西武新宿線「航空公園」駅より徒歩約10分
○入場料・観覧料:無料

席に限りがありますので、観覧ご希望の方はメールかFAXで、公益財団法人中国残留孤児援護基金まで、お申し込み下さい。
e-mailアドレス 70kinen.in.tokorozawa@gmail.com FAX 03(3501)1026
お問合せ:пF03-3501-1050(中国残留孤児援護基金)

詳しくはこちら(援護基金のHP)をご覧ください。

主催:公益財団法人 中国残留孤児援護基金、所沢中国帰国者交流会、NPO法人中国帰国者・日中友好の会
後援:所沢市、所沢市教育委員会


自治体が企画する
「介護に係る研修会」用資料についてのお知らせ(追加情報)
「中国語の対応が可能な介護事業所一覧」(追加情報)


 ニューズレター『同声・同気』web版(2015年3月号)、紙版第59号(2015年4月号)で表題の追加資料・情報をお知らせしましたが、更に以下の資料・情報を加えます。センターHP「介護研修情報」のコーナーで、平成25年度から作成している全ての資料見本がご覧になれます。

◎追加資料

  タイトル 内容
(1)F 『これで助かった!−中国帰国者介護保険サービス利用実例集−』
全10頁
日本語版/中国語版
 介護保険サービスについてイメージできない、従って、今実際に困っていても具体的にどんなことをしてもらえるのかがわからない/どう助かるのかがわからない、何となく制度のことは知ってはいるが言葉や生活習慣の壁があってとても自分たちが利用できるとは思えない/言葉や生活習慣の壁を乗り越えて利用に踏み切る勇気がないという帰国者に、相談員がこの資料の中から適したものを選んで渡し、読んでもらう、詳しい説明を加えるといった活用を目指した。
 帰国者仲間は、こんなふうに介護保健サービスを利用して助かっている、問題が起きても、相談員やケアマネジャーの協力を得て解決できた等の実例を示すことで、帰国者の介護保健サービス利用促進の一助としたいと考えた。
 (実際のサービス利用事例には、深刻な問題、解決できない問題が多々あるが、ここではまず利用の入り口としてふさわしい“好事例”を集めた。)
(1)J 『こんなときどうする?支援・相談員等のための介護サービスQ&A』
全24頁
日本語版/中国語版
 一般日本人利用者を対象とした介護の現場で頻出する質問や不満、トラブルがある。帰国者の場合は、これに帰国者に起こりがちな問題も加わることになる。相談員は、帰国者から直接こうした質問や不満をぶつけられることもあるだろう。また、帰国者とケアマネジャー、帰国者と介護スタッフや施設の責任者等との間に立って通訳しながら問題の解決を図らなければならないことも多いだろう。
 このパンフレットは、そうしたときの“手引き”として活用してもらうことを目指した。また、直接帰国者にこのパンフレットを示しながら、「ここにこう書いてある」、「これはこういう理由でこうしたきまりになっている」と示すことで納得してもらうといった活用も想定し、イラストを入れたりクイズ形式を取り入れたり等、帰国者に興味を持って読んでもらうための工夫も加えた。

※資料全体を見てみたい、入手したいと希望される自治体、支援・相談員等の方は、所沢センターまでご連絡ください。 tongtong@kikokusha-center.or.jp 電話:04-2993-1660 (担当:田中)

◎追加情報
 厚労省で紹介している「中国語の対応が可能な介護事業所一覧」(平成26.12.16現在)の他に、所沢センターで入手した情報があります。(東京3件、長野・愛知・広島 各1件−平成27.3.26現在)


ホームページ紹介
「アーカイブス 中国残留孤児・残留婦人の証言」
http://kikokusya.wix.com/kikokusya


 標題のサイトは、ライフワークとして残留孤児・婦人の聞き取りを続けている藤沼敏子さんによるもので、残留孤児・婦人が自らの苦難の人生を語る貴重なビデオが公開されています。インタビュー形式でおおよそ1時間から2時間、長い方は5時間にわたって語っています。渡満の経緯、「満州」での生活状況、終戦前後の混乱期のこと、その後の中国での生活、日本への帰国や帰国後の生活等々、お一人お一人の境遇と歩みがすべて日本語で語られています。現在は、A〜Zさん、ア〜スさんまでの39人の物語がアップされています。
 戦後70年、孤児・残留婦人とも高齢となり、肉声の録取が急がれる中、藤沼さんはお話をしてくださる帰国者の方を求めているとのことです。お話しして下さる方をご存じでしたら、藤沼さんまでご連絡ください。ホームページの「ゲストブック&ブログ&メッセージ」に移動すると、ページ左側のメニューバーがいくつか表示されています。その上から3番目、「メッセージ」部分の「メッセージを送る」をクリックすると通信用のウィンドウが開きます。


外国人就労・定着支援研修


 一般財団法人日本国際協力センター(JICE)では、厚生労働省の委託を受け、人手不足産業や成長産業などでの人材確保の支援を目的とし、日本語も含めた職場でのコミュニケーション、日本の労働法令、雇用慣行等の基本的知識、履歴書の作成等の知識を習得することができる「外国人就労・定着支援研修」を行っています。
 受講料は無料。日本語コミュニケーション能力等の就労に必要な知識やスキルが十分ではないこと等が原因で、安定的な雇用に就くことが困難である定住外国人求職者を対象としています。
 詳しくは研修専用ホームページ http://sv2.jice.org/jigyou/tabunka_gaiyo.htm から。


「これだけは知っていてほしい−外国につながる子ども支援 基本の基(き)5つ」
田中宝紀さんのブログで紹介!


 4月のNHK「おはよう日本」で、文部科学省「定住外国人の子どもの就学支援事業」が今年の2月で終了したために支援が受けられなくなってしまったネパールの少女の様子が放送されました。その中で、彼女の住む自治体の教育委員会がこれまで人材バンクで指導のできる人を集めたが、話せる言語は英語や中国語などで、ネパール語のように対応できない言語も多いと語っていたことが、支援者間で波紋を呼びました。
 それは、この発言が、まるで子どもの母語が話せないと支援ができないというような印象を与えかねないからです。しかし、子どもの母語が話せなくても支援の技術があれば、日本語教育も学科教育も可能であることは外国につながる子ども支援関係者であれば「常識」です。そのことが常識として共有されていないことに対して、支援者の一人である田中宝紀さん※は4月22日の自身のブログで「私達支援者側も私達の中で「常識」となっている数々の事を、広めてゆく努力を十分にしてきたか、と言ったら、少なくとも私自身は「不十分であった」と言わざるを得ないところです。この点については本当に深く反省しています」と述べています。
 田中さんは上の文に続けて、「外国につながる子ども支援“基本の基”」として、以下の5つを掲げています。

1)日本語は日本語のみで指導可能。
2)日本語が聞くだけで上達できるのは概ね10才くらいまで。
3)日本語ペラペラまで2年、勉強スラスラまで7年。
4)日本語指導が必要な、日本国籍を持つ子どもが増えている。
5)母語の発達が様々な点で重要だ。

 詳しくは http://ameblo.jp/tanaka-iki/entry-12017373327.html をご覧下さい。

 この他にも、田中さんのブログでは、子ども支援者だけでなく、子ども支援に縁遠い一般の人に理解を深めてもらうための有意義な情報が折に触れて発信されていますので、要チェック!  (an)

※NPO法人青少年自立援助センター子ども日本語教室 統括コーディネーター(東京都福生市)


2015年度 多言語高校進学進路ガイダンス〈各地の情報〉
2015.06.03現在


 日本の高校に進学を希望する中国帰国者や外国人の中学生や、その保護者のための多言語高校進学進路ガイダンスが本年も各地で開催されます。

★新情報を随時更新! http://www.kikokusha-center.or.jp/  →新着情報コーナー

宮城県、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、群馬県、富山県、石川県、長野県、愛知県、三重県、滋賀県、大阪府、大阪市、奈良県、福岡県、熊本県、大分県の情報を当センター・ホームページにアップしました。

通訳に予約が必要なところもありますので、事前に連絡先にお問い合わせください。

近隣の地域でこれからガイダンス開催の予定がありましたら、是非、お知らせください!
yamada(a)kikokusha-center.or.jp
 ※(a)→@に変えて下さい


ニュース記事から 2015/03/02-05/31


2015/03/17 樺太等残留邦人8名が3月18日より11日間集団一時帰国/厚労省
2015/03/21 宇都宮大、在日外国人枠を新設。南米系の日系人や中国、フィリピン国籍の生徒などを想定/栃木
2015/03/23 高校入試の外国人生徒選抜方法変更で「難易度上がる」と反発の声/愛知
2015/04/14 樺太等残留邦人6名が4月15日より11日間集団一時帰国/厚労省
2015/04/30 旧ソ連に抑留され北朝鮮や中国東北部などで死亡した日本人2130人の名簿を公開/厚労省
2015/05/09 夜間中学の外国籍生徒1498人 全体の8割超す/文科省
2015/05/11 県内の引揚者でつくる団体「満州会」に続き「新京会」も10日歴史に幕。6月には「撫順会」も/高知
2015/05/16 東京地裁は埼玉県の男性を中国残留邦人と認定し、国民年金一時却下の処分を取り消し/東京
2015/05/17 中国残留孤児と家族 6年ぶり生活実態調査へ/厚労省


〈お知らせ〉人事異動

○中国帰国者定着促進センター所長
  退任 佐藤 恵美子氏(3月31 日付) 所長事務代理に(4月1日付)
  所長就任 小林 悦夫 氏(4月1日付) (公財)中国残留孤児援護基金 常務理事兼任

○九州中国帰国者支援・交流センター所長
  退任 園田 章 氏(3月31日付) 就任 中村 正人 氏 (4月1日付)

お知らせ

★web版『同声・同気』は、情報掲載時に、その内容をメールにてお知らせすることができますので、ご希望の方は、以下の宛先まで、@お名前(団体窓口者の方は団体名も)とAご自身のメールアドレスをお送りください。
宛先:tongtong@kikokusha-center.or.jp
(お問い合わせは 電話04-2993-1660 FAX 04-2991-1689)