【入所者に対する研修−日本語・日本事情の研修−】
T 日本語・日本事情研修の方針・目標
まだ日本での実生活に入っていない入所者に対して行われる6ヶ月の集中研修は、定着後の生活、学習にスムーズにつなぐための研修であり、予備的集中研修という性格をもつものです。当センターでは、この研修の目標を次のように表しています。 日本での生活への自信と意欲、それを裏付ける基礎知識、基礎技能を身に付ける。
U コース、クラス
〔コースの種類〕
対象者 | コース説明 | 参考表(pdf) |
---|---|---|
<大人Tコース>: | 高齢の帰国者一世を主な対象としたコース。心身の健康維持を目標に無理なく楽しく学ぶことをめざします。 | |
<大人Uコース>: | 比較的年齢の高い二世を主な対象としたコース。日常の生活に関連した日本語と日本事情知識の基礎を身に付けます。 | |
<大人Vコース>: | 比較的若い二三世を主な対象としたコース。速いペースで日本語と日本事情の基礎を身に付け、より高いレベルを目指せる基礎作りをします。 | |
<大人特コース>: | 日本語を母語的に保持している高齢帰国者や日本語既習度の高い二三世、またはサハリン等からの帰国者を対象とした特別コース。 | |
<小学生コース>: | 小学生年齢の三世を対象としたコース。定着地でスムーズに小学校生活に適応できるような力をつけます。 | (→低学年用21週表)
(→中高学年21週表) |
<中学生コース>: | 中学生年齢の三世を対象としたコース。定着地でスムーズに中学校生活に適応できるような力をつけます。 | (→中学生用21週表) |
〔クラス〕
各期の状況に応じてクラス編成を行いますが、通常は、上記コース毎に1つまたは複数のクラスが作られます。
V 研修期間、授業時間
研修期間…約6か月間(約21週)
授業時間…火曜〜土曜、各5時限(1時限=50分)
・午前 10:00〜11:50
・午後 12:40〜15:30
(注)高齢帰国者のクラスは午前のみの授業。
W 研修内容
「行動」 プログラム |
日本での日常生活に不可欠な行動達成力を養う。行動場面にともなう日本語と日本事情を学び、実習(交通機関の利用や道聞き、電話、買い物、…)などを通じて実践力をつけます。 交通、消費生活、施設利用、健康、通信、銀行、PC等機器操作、仕事、学校、… |
「知識」 プログラム |
日本の社会や暮らし、帰国者特有の必須事項に関する知識を身に付けます。 日本の社会(地理・気候、戦前戦後史、政治、産業・経済、教育事情、保育園事情)、日本のくらし(冠婚葬祭、年中行事、役所、防災、情報、ライフスタイル)、帰国者事情(異文化適応、情報収集、人生設計、先輩帰国者に学ぶ)… |
「交流」 プログラム |
身近な話題や日本・中国・サハリンの比較、また、調べ学習や体験学習などを通して、その時点の自分の日本語力とその他の手段をフルに使ってコミュニケーションする力をつけます。 私のこと・中露日のこと(自分に身近なことがらや日中露の比較など)、日本語交流会(@知り合おう、Aまた会おう、Bもっと知り合おう、Cまとめ)、訪問接客、中露文交流会、近所付き合い |
「ことば」 プログラム |
日本語の基本(発音、文字、語彙、文法・文型)を4技能(聞く、話す、読む、書く)に渡って学習します。 文型会話(動詞文@、存在文、動詞文A、動詞文B、動詞文C、動詞文D、助詞、位置、名詞文、疑問詞@、形容詞、な形容詞文、い形容詞文、願望、比較、動詞文E、授受@、動詞文F、誘う、動詞文G、経験、例示、動詞文H、疑問詞A、依頼・指示、…) 文字語彙、読解、作文、聴解、学習方法 |
「学科」 プログラム |
小中学生向けのプログラム。小中学校での教科学習と結びつけて日本語を学習します。近隣の小中学校への体験入学も取り入れます。 国語、算数・数学、理科、社会、美術・図画工作、音楽、家庭、体育、… |