中国帰国者生活実態調査結果の概要

(平成11年12月1日調査)

 この調査は、平成元年12月1日以降、平成11年11月30日までに永住帰国した中国帰国者本人のうち、中国帰国者定着促進センターに入所中の者及び永住帰国後に死亡した者等を除いた2,562人を対象に、平成11年12月1日を基準日として実施し、回答のあった2,225人(回収率86.8%)について取りまとめたものである。その結果は別添のとおりであるが、概要は次のとおりである。
なお、今回の調査では、平成6年4月以降に永住帰国した者を対象に、帰国者本人を扶養するために同伴帰国した子世帯による扶養の実態を把握するための質問事項を新たに加えた。

1 帰国者の年齢

 帰国者本人の平均年齢は孤児が58.3歳、婦人等は66.9歳で、婦人等の年齢が9歳高くなっている。前回(平成7年3月1目。以下同じ。)と比べると全体で5歳高齢となっている。
孤児をみると50歳代が68.3%と最も多く、次いで60歳代が31.5%となっており、婦人等は60歳代が35.2%と最も多く、次いで70歳代が31.3%、50歳代が23.1%の順となっている。

2 都道府県別居住地

 帰国者の都道府県別の居住地は、孤児は東京都が20.7%と最も多く、次いで神奈川県が8.5%、大阪府が7.9%、埼玉県が5.7%、千葉県及び長野県がともに5.3%となっている。
婦人等は、東京都が14%と最も多く、次いで大阪府が1O.7%、長野県が8.2%宮城県が4.4%、山形県が3.6%となっている。

3 国費により同伴帰国した子世帯の状況

 この事項は、平成6年4月以降の帰国者のうち回答のあった1,228人の回答の結果をまとめたものである。
国費により同伴帰国した子世帯がいると答えたのは、孤児が46.1%、婦人等が62.4%となっており、そのうち、別居していると答えたのは、孤児が52.3%、婦人等が50.8%となっている。
また、別居するまでの期間は「1年〜2年」と答えたのが最も多く、孤児が41.6%、婦人等が31.3%となっている。

(参考)

平成6年度

65歳以上の帰国者本人を扶養するために同伴する成年の子1世帯を援護対象とした。

平成7年度

帰国者本人の年齢要件を60歳以上に引き下げた。

平成9年度

帰国者本人の年齢要件を55歳以上に引き下げた。

4 生活保護の受給状況

 生活保護の受給状況をみると、孤児世帯では65.5%、婦人等世帯では64.8%、全体では65.1%が生活保護を受給していると答えており、前回の孤児世帯38.5%、婦人等世帯の38.5%、全体で38.5%と比べるといずれも受給率が著しく高くなっている。また、帰国後経過年数別に生活保護の受給状況をみると、帰国後1年未満では孤児世帯が91.5%,婦人等世帯が86.5%が生活保護を受給していると答えており、帰国後年数を経るにしたがって、その割合は減少するが、帰国後5年以上でも半数以上の世帯が生活保護を受給していると答えている。

5 就労状況

 帰国者本人のうち、60歳未満の者の就労状況をみると、孤児は29.2%、婦人等は36%が就労していると答えており、前回(孤児51.2%,婦人等49.4%)と比べると孤児、婦人等ともに就労率は大きく低下している。就労状況を世帯でみると、孤児世帯は60.6%、婦人等世帯は59.7%が世帯の中に就労している者がいると答えているが、前回(孤児世帯66.1%,婦人等世帯69%)と比べると孤児、婦人等ともに世帯の中の就労者がいる割合が低下している。また、就労状況と日本語の理解度との関係をみると、就労している者の約80%は「職場で仕事の会話ができる」又は「買い物に不自由しない」程度の日本語が理解できるのに比べ、就労していない者のうち、同程度の日本語が理解できる者は50%に満たず、就労状況と日本語の関わりの深さが窺われる。なお、就労していない者のうち、孤児の48.9%、婦人等の43.1%が就労するための努力として「日本語の勉強」をしていると答えている。

6 日本語の習得状況

 帰国後1年未満で、日常生活が営める程度の会話ができるようになる者の割合は、前回の25.5%(全体)より少し高くなっているものの、孤児は27.4%、婦人等は27.1%にすぎない。また、日本語の会話が未習得と答えた者は、孤児32.7%、婦人等32.3%で、前回(27.9%(全体))と比べると未習得者はやや増加している。依然として基礎的な日本語習得を要する帰国者が多い。

7 帰国後の生活

 帰国後の感想をみると、「良かった」「まあ良かった」の合計は、孤児は53%、婦人等は69.1%となっており、婦人等の満足度が孤児を上回っている。なお、前回(孤児65%婦人等79.3%)と比べるといずれも減少している。また、「後悔している」「やや後悔している」の合計は、孤児は11.8%、婦人等は7.1%となっており、前回と比べると孤児は14.6%から減少しているが、婦人等では6.8%からやや増加している。帰国して後悔している理由は、孤児・婦人等ともに『老後の生活が不安」(孤児36.5%、婦人等37.2%)が最も多く、次いで「言葉ができない」(孤児33.9%、婦人等27.9%)となっている。