CARRAMAR COMMUNITY CENTRE
3 カラマー・コミュニティ・センター


1.目的等
 過去2年間を振り返って、当センターはコミュニティにあって常に革新的な試みと住民とのパイプ役を果たしてきたといえる。
 センター利用者の75%が英語を母語とせず、出身国は南アメリカ、インド、トルコ、ベトナム、ドイツに及んでいる。利用者数も着実に増加し、情報提供から保育、家庭内暴力、住宅紹介、目的地案内サービスに至るまで多岐に渡るサービスを展開してきた。

2.専門スタッフと多言語対応
 フルタイムの受付を雇うことが、トレーニングや仕事を適切にできる人にやってもらうという計画で強調されたため、外国人支援サービスと職業訓練局からの補助金をその給料に当て、我々は16週間事務アシスタントを雇った。

3.専門スタッフの養成・研修
 保育所のスタッフはチーム作り、ストレスのコントロール方法、時間配分の仕方、行動コントロール方法から応急処置の資格取得等のトレーニングを年間を通して受ける。

4.個別サービス
1)キャラバン・パーク・サービス(★)
  当プロジェクトは地域サービス局からコミュニティ援助プログラムの一環として資金援助を受けているが、センターが資金不足のためサービス時間を削減した。
サービス内容はランスドーンとフェアフィールド西キャラバン・パークスの住民を対象とした情報サービス、他機関につなぐサービス、まちづくりのための諸サービスで、個人、グループ活動やミーティングの場所は確保されている。
  具体的には、失業者に対して工芸、陶芸、マーケティング、コンピューター、ビデオ制作、戯曲づくり、健康とフィットネスの基礎などのクラスを開催。また、週間ニュースの発行と配布、乳児の健康診断、母親のグループ組織化、学齢期の子どもの休日の活動、両親による子供のための文化グループ等がある。
(★)キャラバン・パークとは、家のない人々がホームレスにならずに生活できるようキャラバン等を使いながら暮らしている地域のこと。
  住民が関心を寄せている話題に、子どものための活動、家庭内暴力、アルコールとドラッグ等がある。低所得者層へ教育機会を広める運動も展開している。学校の休日には若者を対象に、オーストラリアに古くから伝わる芸術、工芸、伝説を教える機会を設けた。この催しとこれに関った芸術家は新聞に取り上げられ、芸術交流プログラムを新たに作成する機運も出てきた。
  今後予定しているコースは、陶芸、福祉人権センター主催の社会安全デー、警察と地元住民によるキャラバンパークの保安、盆栽見学、コミュニティ・ガーデン等である。
2)カラマー学童保育
3)休日ケアセンター
  両サービスとも公立ビラウッド校で行われている。
  コーディネーター役のスタッフの一人が個人的な事情(息子の病気。不幸にも彼は亡くなった)で1年間仕事を離れたが、その間もスタッフのチームプレイと熱心さで、事業を続けることができた。彼女は仕事に復帰したが、運営委員会に彼女をもとのコーディネーターのポストへ戻すよう働き掛ける予定である。
利用者の75%の出身国が南アメリカ、インド、トルコ、ベトナム、ドイツに渡るが、自然に文化の違いを受け入れ、文化統合が図られている。様々な国の音楽が流され、子どもたちは喜んで受け入れているのである。また、通常のプログラムに軽度の障害を持つ子どもを実験的に受け入れたところ、子どもだけでなく、親、スタッフにも信じられないほどの成果が見られた。そこで、正規のプログラムとして近い将来位置づけられる可能性が高くなった。
  センターが地域の学びの場として次第に浸透してきたので、私立大学や高校が生徒を送り込むようになったとともに、自発的にボランティアとしての単位を当センターで取得しようとする生徒も出てきた。これは、ボランティアの中からセンターで働く人の候補や子どもに熱心に接してくれる人のリストを作成できることにもなる。
  景気後退に伴い当地域にも失業者が増加し、利用する子ども数は減少傾向にある(子どもの50%以上の親が失業し1993年始めには利用者が30%減少した)。
サービスは定期的に宣伝されているが、「オープンデー」を設ける予定である。この「オープンデー」には地元の企業、センターのボランティアやスタッフ、公立ビラウッド校が協力する。この二つのプロジェクトは、財政のバランスを注意深く見守らなければいけない。
4)障害児サービス
  4歳から8歳までの中度から重度の障害を持つ子どもを対象に、介護者の休息を目的としてレスパイト ・プログラムをボリニグにある養護学校で休暇中に1週間行った。
5)保育所
  家族とコミュニティが積極的に関わること、そして多文化主義の保育を目的に実施している。子どもだけでなくスタッフも様々な文化的背景を持ち、8カ国語が通用する。地域に根ざした機関の活動の多くがそうであるように、この保育も親を勇気づけ、巻き込むことを第一義に考えている。センターの活動は保健、住宅紹介、コミュニティサービスのガイドラインに沿って行われている。
  遊び場に関わる様々な改善事項にも触れておく。日陰を作るために様々な苦労をしていたが、砂場、庭、遊び場にも日陰を作った。屋根をつけかえ、新たに10本の木を植えたが、これらは地域サービス局の設備交付金によるものである。建物内部は、網戸を設置したり、太陽熱を反射する色付けをしたりして、暑さをしのぐ工夫をした。
  寄付集め委員会が様々な活動を通して得た寄付金は$1309.00である。パズル、図書、人形劇、戸外遊戯施設、日除けパラソル等に使っている。
  年間の行事としては以下のものを実施している。
 ○バッジ授与会……企業、議会、運営委員会、メディアなどの代表が招待される。
 ○子供の日のピクニック…スタッフ、子供、保護者がさまざまな活動に参加。
 ○敬老の日…祖父母がセンターに招待され活動に参加したりお茶を飲んだりする。
 ○子供のための安全デー…子供が様々な活動に参加し、コインを集め寄付を募る。
 ○安全講話会…フェアフィールド警察から警官が来て安全に関する話をする。
 ○遠足
 ○人形劇
  今後、コンピューターとそのソフト、保護者向け情報提供、保護者向け図書室、Tシャツと帽子にプリントすること等を計画している。

7.運営等
 運営委員会の経験が浅い分、スタッフ個人が財政、運営をカバーしている。他にも、寄付集めに奔走する等、惜しみなく支援してくれる保護者を忘れてはならない。

8.財源
 C.C.C.派遣プロジェクトの予算の伸びを見てみると、1986年には年間約$22,000だったが、1992/93年には約$500,000になった。
 コース運営はニューサウスウェルズの社会教育委員会の資金に依る。
 住民が最も関心を寄せるのは寄付集めである。センターでの活動資金にするため、機会がある毎に寄付を募る。自治会は現在までに、$400.00を集めた。また地元の企業の財政援助も忘れてはならない。

ス  タ  ッ  フ
財  源
コーディネーター
事務員(非常勤)
事務員助手(嘱託)
事務局長
キャラバン.パークのワーカー(非常勤)
地域サービス局(行政)
地域サービス局(行政)
労働省/職業訓練局
西シドニー援助機構
地域サービス局(行政)


事  業  費
財  源
学童保育    (非常勤) 2名
         (嘱託) 3名
休日ケアセンター(非常勤) 2名
         (嘱託) 4名
統合保育ワーカー(嘱託)   1名
カラマー保育所
    保母 7名
    事務員助手(非常勤)
    調理員  (非常勤)
    掃除婦
    補助職員(嘱託)
保健・住宅・地域サービス局(行政)

地域サービス局(行政)

地域サービス局(行政)
保健・住宅・地域サービス局(行政)
地域サービス局(行政)