FAIRFIELD COMMUNITY ARTS NETWORK(FCAN)
フェアフィールド・コミュニティ・アート・ネットワーク

1.目的等
 基本的には文化的な団体と個人との相互支援を目指し、既存のグループ同様、新規のグループも支援する。当ネットワークは独自性を求めて、できればコミュニティの文化発展の可能性やニーズに応えたいと願っている。他のグループや団体が主催するプロジェクトと手を結ぶだけでなく、独自の地域芸術プロジェクトを持つ所以はそこにある。当ネットワークはオーストラリアの中でも文化的多様性に溢れた地域で活動できることを幸せに思い、才能や伝統が創造的に表現されたもののほとんどに関わっている。

2.専門スタッフ
 専任職員と簿記係各1名が配置されているが、運営委員会、カラマー・コミュニティ・センター、C.C.C.のスタッフに助けられている(事務所はカラマー・コミュニティ・センター内)。

4.個別サービス(活動)
 長期に渡るプロジェクトが以下のとおり実施されている。
1)国境芸術ワークショップ
  カブラマタで1993年初めに開催されたアメリカとメキシコ国境のワークショップ。国際的な芸術家との連携で最も知られている。
2)発見プロジェクト
  カンボジア、ラオス、ベトナム出身の若者30人以上を巻き込んだもの。彼らは新国際センターの一角に「マルチメディア装置」と呼ばれるものをつくり、大いに楽しみ、学び、自分たちの芸術と人生の物語に多くの人を引きつけ、メディアにも注目された。
3)インドシナ写真=物語制作プロジェクト
  C.C.C.のドラッグ・アルコール問題担当ワーカーとの合同プロジェクト。1992年11月のフェアフィールド芸術学校での展示会は成功し、素晴らしい写真や感動的な物語を披露した。似たプロジェクトから生まれた作品と共にこれらを出版するための助成金の申込みをオーストラリア議会に送っている。
4)「夢の束」〜スペイン語と英語のバイリンガルの本〜
  地域の作家マリア・カノが中心となったワークショップから生まれた本で、92年後半に出版された。この本は非常に人気が高くすでに在庫は無いが、ホイットラム図書館に行けば閲覧できる。似たプロジェクトでスペイン女性の戯曲ワークショップが長期間開催されているが、93年前半はマリサと戯曲家クレールヘイウッドが新たなワークショップを開くまで休講した。「結婚式」は1993年末に完成する予定である。

5)多様性の問題に関するディスプレイ
  エッティンガー・ハウスの家庭内暴力担当のワーカーであるアヌープジョーハーを助け、ショッピングセンター向けに多様性の問題に関するディスプレイを創作した。ランズドーン・キャラバン・パークに原住民芸術のワークショップを開く計画など、新たな提案が生まれるのを現在も待っている。
6)グループ「躍動する芸術」の支援
  芸術メディアの全ての分野の専門家160人をメンバーとする芸術家グループ「躍動する芸術」の支援を続けている。素晴らしいことにグループ「躍動する芸術」は、この地域で重要なフォーラムを発展させ続けている。
7)コミュニティ・テレビ
  コミュニティ・ラジオの視覚版で、来年度早々に開始予定である。当ネットワークは他地域に先駆けたこの事業を後押しした。C.C.C.との合同プロジェクトで、後にFLATと名付けられるグループ作りに尽力したのである。テレビ番組の制作には多大な費用がかかるが、もしグループが成長し続けメンバーも関心を持ち続けるならば、芸術及びコミュニティの発展に非常に貢献することになるだろう。
最初の番組は、フェアフィールド移民・難民女性ネットワークが「難民週間」に行なった催しの制作である。

8)その他
  地域芸術や文化発展のためのロビー活動や、ネットワークづくりに関わり続けている。

6.関係機関・団体との連携
 当ネットワークは独立したものだが、ネットワークや共催事業に対する関係省庁の芸術基金援助などを利用しながら、C.C.C.と密接に連携している。
また、情報を広め、接触し、助言を通してフェアフィールド地区のほとんどの芸術プロジェクトと連携してもいる。
 93年には、フェアフィールド市民芸術祭に積極的に参加し、ホイットラム図書館、公立学校、美術館、地元企業などと強い絆を結んだ。また、シドニー西部における芸術促進団体「創造的文化」とも連携を保っている。