STREETWORK PROJECT FOR YOUNG WOMEN
少女の補導プロジェクト
1.目的等
C.C.C.を拠点に、カブラマタとフェアフィールド地域の街頭で群れているインドシナの家出少女を対象にしたプロジェクト。街頭へ補導員を送り、少女たちを行政サービスやシェルターへつなぐ。
4.個別サービス(各種)
1)補導
ショッピングセンター、駅、バスターミナル等、彼女たちの集まる場所で接し、援助情報の提供や案内を行う。補導員は週に10〜15時間、年間800時間の街頭活動を行い、昨年は13〜20才の女性約1,000人と接した。そこでとらえられた問題やニーズは、宿泊場所、教育資金の援助、仕事、研修、法的問題、家庭問題、薬物依存症等である。
2)ケースワーク
社会保障省の青少年プロジェクトのワーカーは、40人の少女がサービスを受けるまで援助した。他にも情報を提供したり、ホームレスに宿泊施設への紹介状を書いたり、様々な必要書類や申込書の記入を手伝っている。10人はシェルターに受け入れられ、また他の者は自立できるように住宅局へ紹介されて生活保護と住居が確保された。また、妊娠、避妊方法、発育他の健康相談に乗り、必要なサービスにつないでもいる。
法律相談に関しては、ワーカーが弁護士に予約し女性が相談できるように手配する。少年裁判所の職員や他のワーカーの協力で少年院を訪問し、少女の出院後の生活援助に向け、進学や就職、職業訓練、家族との関係について相談や情報提供を行う。
3)クリニック
他のワーカーと共同で、ホームレスの若者のための医療クリニックをつくっている。この年齢の若者は医療サービスを受けるのが困難だからである。また、このクリニックは様々なワークショップを開催し、HIV/エイズ、性交感染症、衛生知識、栄養学他、若者の健康に関する情報を提供している。
4)就職情報交換クラブ
C.C.C.の他のメンバーと、街頭を徘徊する若者のために組織した。参加率はとても高く、少女の参加もあった。プログラムの終りに若者達は、仕事を探す時に必要な技術、すなわち経歴書、履歴書の書き方、面接のための注意他を覚える。その中から職業訓練センターへ進み、続けてトレーニングを受ける若者もいる。
5)SBSラジオ(★)
このプログラムは、ベトナム・コミュニティの要望によって開発されたものである。街頭を徘徊する少年が直面している問題や親と子どものコミュニケーションを改善するための相談、問題を抱えている親がどこで援助を得られるかのか情報提供等を行う。若者も自ら問題を語る。若者及び地域の人達から大変評価されている。
6)情報交換ワークショップ
○コブハム少年院教養トレーニング
当少年院に保護されるインドシナ少年の数が増加しているにもかかわらず、少年院のスタッフは彼らの文化的背景や問題、ニーズに詳しくないため、教養トレーニングを依頼した。少年達により適切な援助が行われるよう、少年とスタッフの間のストレスを解消することにも配慮している。このプログラムのもう一つの成果は、少年の家族の面会の回数の増加や地域訪問の機会の増加である。
○カブラマタ社会保障機関との連絡会議
ワーカーはカブラマタ社会保障機関のスタッフに対して、街頭の少年達が抱えている問題と社会的支援との関連について情報を提供した。この情報には文化的背景から来る
困難、身分証明書がないこと、住所不定であること、時にはスタッフの鈍感さによる対応や情報不足、言葉をうまく話せない問題も含まれている。現在はワーカーとカブラマタ社会保障省のソーシャルワーカーとの協力体制が非常にうまく展開したため、援助手続きは改善された。
7)法律ワークショップ
青少年が警察に攻撃されているという苦情が増えているため、ワーカーは市行政の児童問題担当の弁護士も参加するワークショップを開いた。このワークショップをとおして、彼らは人権意識及び警察への質問、検査、逮捕や暴行を受けた時の法的権利について学ぶ機会を得たとともに、法的サービスへ繋がれた例もあった。
6.関係機関・団体との連携
対象者の相談やニーズが配慮されていることを確認するためにも、ワーカーは様々な機関や組織とネットワークを持ち、ロビー活動や情報交換を行う。ワーカーが連携している機関や組織は次のとおり。
・補導員ネットワーク
・シドニー難民少年連絡会
・ニューサウスウェルズ・インドシナ支援グループ
・犯罪を起こした少年の支援プロジェクト(NGO)
*民放のラジオ局。118カ国にのぼる他国語のプログラムを24時間放送している。世界三大多言語放送のひとつ。