NICARAGUAN COMMUNITY ASSOCIATION
7 ニカラグア・コミュニティ協会
1.目的等
本協会は1988年に設立され、ニカラグアからの移民社会における諸問題に対処することを目的としている。
オーストラリアへのニカラグア人の移民は1984年に始まった。以来、言語の障壁、失業、孤立や気欝などの問題が生じている。また、故国に残った親族と再会することの困難さが大きな問題となっている。政府が移民政策を変更したことにより、移民や難民の人々が故国の親族に支援しにくくなっている状況もある。本協会は、移民到着時の必須情報を提供するに当たり、戦乱その他の理由で故国を去らねばならなかった人々の心の深い傷について今まで十分な配慮がなされなかったことを問題にしたい。新しい国に馴染む過程において青少年とその親たちとの間には軋轢が生じる。家族全体がカルチャーショックに立ち向かうと同時に、子どもたちの成長過程の変化にも対処することになるのである。
ラテン・アメリカ支援NGOの支援を受けて、ニカラグア社会の一部では農業での雇用拡大のため様々なプロジェクトを立案し、また、輸入品に変わる物品生産に関する提言などを政府に対し活発に行ってきた。しかしながらこれらの試みは資金不足と政府からの支援不足で実現していない。このことがオーストラリアに対し有益な活動を行おうとした人々に挫折感を与えている。一方、ニカラグア女性の間では労働者生活協同組合の結成気運が盛んである。
新しい環境に適応していくのは易しいことではない。特に戦争体験を有する難民に対しては特別な考慮が払われて然るべきである。
4.個別サービス(活動)
1)まちづくり
以下の事柄に取り組んでいる。
・相談・情報提供
・キャンペーン
・ニカラグア文化の紹介
・法律の異同の最新情報を提供するため、他のスペイン語使用機関や社会保障省、移民局、多文化地域社会教育担当職員と協力し、年に数回、情報セミナーを開催。
・地域の団体がプロジェクトを企画している場合の情報提供、助成金、他団体との調整、提出書類の整備等
・地域の権益の擁護および陳情活動
・上記活動のための他地域のワーカーとのネットワーク構築
・サービスや活動の効率・効果に関する政府諸機関と提携した評価
2)相談
移民、経済困難、住居や営繕問題について電話相談及びグループ形式による相談を行っているが、需要が非常に高い。
3)節税
スペイン語のコミュニティに対し節税トレーニングへの参加を促進している。毎月曜日・水曜日、午後4時半から6時までC.C.C.で開催。
4)健康推進ワークショップ
1991年9月、社会保障省や住宅及び地域サービス局の指導により『薬を賢く使う』キャンペーンに参加。薬物治療の長短両面と薬の正しい使い方を啓蒙。キャンペーン期間中にスペイン語パンフレットの制作・配布、展示、ワークショップなどが多くの人々の助力を得て行われた。
5)借家人の権利(スペイン語圏の人々のための情報キャンペーン)
借家人情報キャンペーンは、西シドニー借家人サービス、ラテン・アメリカ支援NGO、その他のスペイン語使用機関によって企画された。大勢の人々の助力によるスペイン語記事が、スペイン語新聞に掲載された。
6)フェアフィールド市スペイン語コミュニティへの相談サービス
フェアフィールド市議会、ラテン・アメリカ支援NGO、他のスペイン語使用機関の協力を得ている西シドニー援助機構の相談サービスを支援した。1992年4月に発足したが、この種の相談が組織されたのは初めてである。若者や女性からの需要が増えているが、グループ活動のための適当な集合場所に事欠いている。
7)ラテン・アメリカ文化に目覚める日
チリ協会、サルバドル協会、ラテンアメリカ支援NGOの協力のもと、フェアフィールド地域で1992年9月20日に計画され、フェアフィールド市議会の認可を得た。新しく移住してきた人々や難民を重点に、スペイン/ラテンアメリカ・コミュニティのプロフィールを紹介する一助となるよう計画されたものである。コミュニティの連携を強めると共に、より広い意味でオーストラリア社会との連携を強化することを目的としている。個々人を尊重すると共に、互いの文化を共有し学びあうためである。本プロジェクトは当初の目的を殆ど達成し、当日600名以上め参加者があり、成功裡に終わった。
8)ニカラグア・グループに対する技術指導
ウェテリル・パーク職業訓練センターにおいて12週にわたる女性のための洋裁コースが始まった。大学と交渉の結果、このコースは今年(1993年)も引き続き行われ、受講生はファッション検定コースを修了することになる。この事業は、ウェテリルパーク職業訓練センターの職員からフェアフィールド及びカブラマタ地域に最適な技術指導のモデルと認められている。英語教育のコースもある。カブラマタ地域からの受講生に対しては、C.C.Cによる送迎サービスがある。
9)高齢者向けサービス
外出、ピクニック、セミナー、老人週間などへの参加がある。しかしながら、高齢のニカラグア人には、他のスペイン語圏の人々との交流や保守的な習慣の改変、オーストラリアでの生活の不適応から孤独になる人々も多い。種々の高齢者グループと交流することや適当と思われる活動への参加などを推進することが望ましい。
l0)青少年向けサービス
文化的または他の適切な活動への参加が推進されている。今年、運営委員会は地域のメンバーの協力を得て、青少年たちがイベントの企画に積極的に加わるように努め、オーストラリア初の『ミス・ニカラグア’93年』が行われた。この催しは青少年の積極的な参加を促す上で効果的であったとともに、経験を共有し、事業を立案・実施する際に必要な技術取得のための良い機会となった。若者はまた、コミュニティ・ワーカーの企画によるスポーツ行事やリヴェンデ・キャンプ、乗馬、ピクニックその他にも参加している。スペイン語による若者向けサービスはさらに多くを必要とされている。
11)陳情と擁護
ニカラグア人の権益擁護および活動のためのより良い条件づくりを目的に、下記の組織への積極的な参加を通して、陳情と擁護活動を行っている。
・フェアフィールド移民労働者相互機関
・社会保障省
・オーストラリア難民女性全国委員会
・移民局
8.財源
ス タ ッ フ
財 源
コミュニティワーカー
移民局