DETACHED FAMILY COUNSELLOR PROJECT
分離した家族のためのカウンセリング



1.目的等
 1988年以来、インドシナ・中国系住民の親子の問題についてカウンセリングを中心に解決策を探っている。移民となったことで親世代は、自分たちを支える親族たちと切り離され、異なった文化の中で子供の養育に直面するため、多大なストレスを背負い込んでいる。一方、子供たちは十代にさしかかると親とは違う価値観を身につけ、親世代と対立するようになる。

4.個別サービス(活動)
1)ケースワーク
 最近、地域サービス局が行ったアンケート調査では、本プロジェクトを推進するためには何よりも個人的なケースワークを基幹にすることが大事であるとの結果がでた。しかしながらプロジェクト発足当時から、カウンセリングという概念がインドシナ・中国系住民にとって馴染みのないものであるということが懸念されている。実際、彼等は家族の問題を解決するには通常親族を頼り、専門家の力を借りるのは親として能力が無いことの証明であり、『顔をつぶされる』と考える者が多い。したがって本プロジェクトに問題が持ち込まれた時には、事態は既に子供の家出など容易ならざる状況に陥っている場合が多い。
 ケースワークの他に下記の活動が行われている。
・親子の断絶問題についての啓蒙やカウンセリングの宣伝、信頼関係形成のためのグループ活動やコミュニティの啓発活動
・自分たちで問題解決を図る技術を身につけるグループ活動
・移民してきてから日が浅い家族の親子双方を援助する活動。社会に溶け込むまでの数年間は、環境の激変が親子の断絶を招くことが多い。

2)ベトナム人家族のための委員会
 92年11月にベトナム家族の親子問題を話し合うセミナーが開催された。セミナーの結果を受けて上記委員会が結成され、4つの分野(地区懇話会、記録/陳情、グループ活動、社会教育)において活動することになった。93年5月にはラジオの相談番組が発足し成果を挙げている。ベトナム語新聞やラジオ番組での広報活動も行われている。

3)シドニーのインドシナ・中国系難民青少年支援グループ
 コミュニケーションやキャリアについてのワークショップを開催したり、レクリェーションの場を設けたりしてベトナム人青少年が社会に適合するのを支援する。かつて参加者であった青少年が後に主催者となり活動を担う場合が多い。そのようにして社会で輪が広がっていく。

4)学生のグループ
 昨年、ミラー技術学校の生徒を対象とした一連のワークショップをC.C.C.のワーカーと共に企画した。およそ50名の学生がコミュニテイ・サービス、高等教育、職業訓練、技術取得についてのワークショップに参加した。後日これらの学生はC.C.C.での別の活動にも参加した。しかしながら、同校が会場の提供を断ってきたので、現在は別の会場で活動している。参加者のためにC.C.C.の青少年活動を紹介するパンフレットをインドシナ・中国語で用意してある。

5)親のグループ
 カブラマタ地域保健所のバイリンガル・カウンセラーの助力を得て組織した。週1回6週間にわたって、グループで親子の問題を話し合う。

6)土曜クラスと青少年指導プロジェクト
 この国に新たに来た学生の英語、会話、宿題の手助けをするために毎土曜日に活動している。英語集中教育センターから高校に進学するにはより多くの助けを必要としている青少年に、今だ援助の規定が設けられていない。個人あるいは家族間の問題を防ぐために、移民となった初期の段階での手助けが大事と思われる。
 フェアフィールド地区のインドシナ・中国系青少年に対する高等教育や職業訓練および雇用促進のため、青少年指導プロジェクトがある。

7)シドニー難民青少年機関
 難民青少年、特にインドネシア・中国系の若者の問題について活動している。少数民族や青少年の犯罪などについて、政府の諸機関と連携して青少年の擁護や相談に当たっている。

ス  タ  ッ  フ
財  源
コミュニティワーカー
地域サービス局