中国残留邦人国籍関係・参考資料
中国帰国者問題同友会('97,10)
§【省庁通達】
[中国関係]
<法務省・民事局>
☆ 終戦時在中国日本人が、 逮捕をおそれて中国人の身分証明書を取得した者を、 国籍法8条該当者として取り扱うことは適当でない。 (民事甲1048号、昭31・5・17)
☆ 国籍に関する証明について (民事局第五課長→各法務局、地方法務局長、民事5発1025、昭44・9・1)
☆ 日中国交回復前に中華人民共和国へ入籍許可された者の日本国籍喪失の有無及びその時期
照会 入国管理局長→民事局長(昭和49・3・19 管発2350)
中国残留邦人 有日本戸籍、所持「中国・許可入籍証書」の国籍
回答 民事局長→入国管理局長(昭和49・10・11 民五・5623)
中国国籍取得の意志が真正な限り、日中国交回復の日(昭和47年9月27日)をもって日本の国籍を喪失
☆ 中国国籍取得、日本国籍喪失例
◇ 民五・5260号 (昭50・9・10)
◇ 民五・3393号 (昭51・6・14)
☆ 民事局第五課長(民5・7154号 昭50・12・20)
中国からの入(帰)国者に係る国籍照会に対する協力について(通知)
◇ 入国管理局登録課長(法務省管登10.188号 昭50・2・12)→民事局第五課長
中国からの入(帰)国者に係る国籍照会に対する協力について(依頼)
☆ 民事局第二課補佐官(57,3,16・事務連絡)→東京法務局民事行政第二部、法務局民事行政部、地方法務局戸籍課長
中国残留孤児の戸籍の取扱い
◇ 中国残留孤児に関する戸籍の実務取扱い紹介(法務省民事局第二課) <民事情報 昭59・2・>
<法務省・入国管理局>
☆ 入国管理局・登録課長(S57,1,23・法務省管登826 <S50・11・22管登9660改正>)→都道府県外国人登録事務主管部長
中国からの入(帰)国者に係る登録事務取扱について
中国旅券入国者は外国人として扱う、渡航証明書所持者同様。外国人登録。
[樺太(サハリン)関係]
中国残留邦人の場合のように、法務省と裁判所の判断とのズレは見られない
☆ (札幌家裁室蘭支部38(家)258。 39,3,31)
「第三者の脅迫等の事由がなく一見自己の志望によって他国籍を取得したように見え る場合でも、客観的現象からみて意志決定を強制されざるをえないような特殊な条件下における国籍の取得は、国籍法八条の予想しない場合である」
◇ 法・民事局・民事5→室蘭市(38、10、16・民事5発245)<就籍許可の申立を指導されたい>
◇ 判例時報386。 沢木敬郎 ジュリスト 339号
☆ 民事局長指示(電報)→旭川地方法務局(昭40・12・15)
「ソ連の国籍取得は官憲圧力、生活上の理由」 国籍法第八条の適用なし
◇ 民事五発376号→各地方法務局(参考通知・昭40・12・16)
◇ 同旨 (民事甲646号 昭41・3・8)
☆(旭川家審判40(家)576・41,3,30) (オロッコ族)
◇ 家裁月報18-10 P72。 西賢 ジュリスト 369号
☆ (秋田家裁大館支部40(家)222。 41,5,25)
<厚生省>
☆ 援護局長(S59,12,25・援発867)→知事
中国残留日本人孤児にかかる身元判明後の戸籍回復手続き等の促進について
§【国会関係(含、国籍問題以外)】
☆ 衆・法務委員会(昭55・3・5) 国籍問題(柘植秀人事件ー質問後解決)
(議員)楯兼次郎←→法・民事局長
☆ 衆・社労委員会(昭56・4・9) 養父母、入管、定着センター。北朝鮮妻 小沢和秋←→厚生大臣・援護局長
☆ 衆・法務委員会(昭60・11・20) 入国問題
柴田睦夫←→法・入国管理局長
☆ 衆・法務委員会(昭61・4・23) 入国問題・就籍 山本政弘←→法・入国管理局長
☆ 参・社労委員会(昭61・5・13) 養父母、定着、国籍
糸久八重子、中野鉄造←→厚・年金、援護局長、法・民事五課長
☆ 衆・法務委員会(昭61・10・22) 李鳳琴却下事件・国の責任・立法問題
井出正一←→法務省民事局長
衆・予算委員会(昭63・3・9 ) 国責任、帰国、定着、残留婦人
佐藤徳雄←→厚生大臣、援護局長
☆ 衆・法務委員会(昭63・3・23) 国籍問題全般
佐藤徳雄←→厚・援・庶務課長、最高裁家庭局長
身元判明孤児 死亡宣告状況 (250/1175人) 戸籍回復(129/250) 家裁における証拠資料収集、認定根拠(最高裁家庭局長)
☆ 衆・予算委員会(平2・4・27) 帰国、帰還手当(生活保護殿関係-援護、社会局食い違い)
草野議員←→厚生大臣、援護局長
☆ 衆・予算委員会(平5・12・6) 身元引受人、議員立法 田中真紀子←→厚生大臣、総理大臣
☆ 衆・厚生委員会(平7・3・10) 国籍問題
山本孝史←→厚生大臣、法・民事五課長
☆ 参・厚生委員会(平7・3・16) 国籍問題 萩野浩基←→厚生大臣、法・民事五課長
法務省→裁判所で覆されたかなりのケースを真剣に受止め、全国で統一的な国籍認定が行われる方策検討中
☆ 参・外務委員会(平7・12・12) 国籍問題
立木洋←→法・民事局長
【参考文献】
§ 中国残留孤児−これまでの足跡とこれからの道のり 厚生省援護局編 昭63・3
§ 中国残留日本人孤児問題について 厚生省・孤児対策室 佐々木 修 (家裁月報 37-12)
§ 中国残留邦人の国籍について 民事局第一課 醍醐 隆 (民事月報 34-4、家裁月報 36-6、'84・6)
§ 中国からの帰国者に関する国籍法上の問題点について
民事局第一課 小林健二 (民事月報 37-4・5)
§ 中国残留邦人の人権問題−特集− 日弁連・「自由と正義」 VOL.40・NO.10 '89・10
【裁 判 例】
◎−桜法律事務所
[戸籍抹消、行政訴訟関係]
☆ 桜井たかよ(東京地方52(行ウ)354 54・1・23)《自己の志望による中国籍取得として−除籍された》 判決 国籍確認
[判旨] 真に中国国籍取得を志望して申請したと推認できない。 国籍喪失挙証責任は国にある
◇ 衆議院法務委員会(55、3、5) ◇ 判例時報 915号
◆ 生きていた戸籍抹消、法務省-『法律がある以上中国帰りの人にだけ特別扱いはできない』 「祖国は冷たい」 と訴訟 (朝日・証言台-52・12・26)
◎ 加藤清 (東京地方 平3(行ウ)38 平4、5、27) 《自己の志望による中国籍取得−除籍》
判決 国籍確認
[判旨] 生活維持の重大な支障を避けるため、公安からの要求もありやむなく中国籍取得の可能性あり中国国籍取得の任意意思-挙証責任は国にある
◆ 日本国籍確認を提訴 (朝日、読売-H3・2・8) ◆ 残留孤児の日本国籍認定 (毎日、産経-H4・5・28)
☆ 奥山イク子 (京都地方 平3(行ウ)21 平4、12、9) 《結婚による国籍喪失》 判決 国籍確認
[判旨] 結婚は実質的要件、形式的要件を欠き無効。 事実婚が成立した時期は旧国籍法18条失効、外国人との婚姻により日本国籍を喪失せず
◆ 残留孤児国籍の確認を求め提訴へ(朝日-H3・7・7) ◆ 残留孤児国籍の確認を(京都-H3・7・9)
◆ 中国残留孤児の国籍認める(日経-H4・12・10)
◎ 戸島栄子 (東京地裁平5(行ウ)351 平7、12、21) <父一行死亡後、娘訴訟提起> 判決 国籍確認
《父一行・戦時死亡宣告除籍−回復。婚姻届の際調査を受け、自己の志望による中国籍取得として除籍 『入籍証書』。
後死亡》
[判旨]調査時通訳不十分、自らの意志による中国籍取得か疑問。立証責任は国にある
◆ 残留孤児の父の戸籍返して (朝日、毎日、読売-H5・12・10) ◆ 判決国籍認める(各紙-H7・12・22)
◆ 『残留日本人への旅-(戸島一行<父>)』 坂本龍彦 -P33,P96 ◆ 万元戸・孤児、永住帰国したい (朝日[我是日本人]-昭61・4・18)
☆ 石川とき子(東京地裁平6(行ウ)279 平7、12、22) 判決 国籍確認
《失踪宣告除籍回復後−自己の志望による中国籍取得として除籍 『入籍証書』》
[判旨] 調査時通訳不十分、調査不備。 国籍喪失立証責任国にある
◆ 判決国籍認める(各紙-H7・12・23)
[戸籍抹消、裁判によらず解決]
☆ 柘植秀人 ◇ 於、衆・法務委員会(昭55・3・5)質問後、 戸籍復元(昭56・1・27)
☆ 山田君子(ボランティアの努力により解決) 平2・8・13 戸籍抹消 戸籍復元(平4・10・21)
◆ 33年ぶり里帰り、父の死知って涙 (朝日[美濃版]-53・8・17) ◆ 戸籍抹消され無国籍 (読売-H4・9・10)
◆ 戸籍抹消の中国残留婦人 日本国籍復活 法務省決定 (読売-H4・10・23)
[戸籍訂正]
<戦時死亡宣告>
☆ 郭殿挙(福井千雄) 戸籍訂正却下(宮崎家裁日南支部・昭58(家)146)
◎ 就籍許可(東京家裁・昭60(家)6904、61・9・4)
◎ 初雲霞
☆ 名古屋家裁岡崎支部(昭60・(家)918) 戦時死亡宣告除籍−戸籍訂正許可
☆ 〃 (昭61・(家)275 62・9・8) 人違いにより、死亡事項回復許可
☆ 劉恵林(三島勲) ◇ 松倉耕作 中国残留孤児の親子鑑定(判例タイムズ 613号、 86・10・25)
☆ 旭川家裁(昭59(家)620、 60・5・21) 却下 ☆ 札幌高裁(昭60(ラ)25、 60・8・8) 許可
☆ 蘇福琴(河本琴)
◇ 厚生省−血液鑑定書(親子関係不明・昭60・10・19)にも拘わらず、
「血液鑑定の結果肉親関係が確認された」 と発表(昭60・11・11)
☆ 宮崎家裁−戦時死亡宣告取消・戸籍訂正申立 却下 (宮崎家裁・昭61(家)137 昭61・9・30)
血液鑑定結果その他証拠不十分
◆ 厚生省血液鑑定を無視 家裁厚生省発表を否定 帰国できず (毎日新聞-61・10・16その他)
[関連] ◎ 東京家裁 就籍許可 (東京家裁・昭60(家)9573、62・8・19)
◎ 于秀琴(木村琴江)(東京家裁・昭63(家)12827、H元・2・27)
「木村京子」 として戸籍訂正帰国したが、11 年後、17次訪日調査孤児血液鑑定の結果別人が 「木村京子」 と判明、改めて就籍申立、許可
◆ (毎日-昭63・2・26) (朝日-2・18) (各紙-3・10) (朝日-6・21)
<失踪宣告>
◎ 大道武司 [許可、失踪宣告訂正、戸籍回復 主文のみ、理由不記載] (東京家裁・昭52(家)2056、昭52・5・6)
<死亡届>
◎ 宮嵜英幸 (札幌家裁・昭51(家)108) [許可、死亡除籍削除、戸籍回復] 栄養失調・記憶喪失のまま帰国
☆ A (水戸家裁土浦支審 昭57・10・5) [却下、戸籍法113条・科学的血液鑑定なし]
◇ 松倉耕作 中国残留孤児の戸籍回復 (判例タイムス 536号、 84・11・25)
☆ 付士花 (長野家裁飯田支部・平3(家)517、 平5・1・26) 却下
諸条件が合致しない、血液鑑定-ABO式合致するが科学的血液鑑定必要
☆ 喩徳海 (第1次訪日調査団孤児)
東大血液鑑定中間報告- 「親子であること矛盾しない」 厚生省父子と認定、孤児帰国
☆ 釧路家裁- 戦時死亡宣告取消申立却下(血液鑑定結果)
厚生省コメント− 親子判定 血液鑑定にこだわらない (読売-S57・4・14)
◎ N (東京家裁・平9(家)997、 平10・5・25) 戸籍回復許可 [佐渡開拓団跡で死亡、除籍]
母、姉も昭和53年死亡記載消除
◎ 程文厚 (浦和家裁昭62(家)199 昭63・2・8) <孤児本人、訪日調査 身元判明後中国で死亡>
妻、子等(中国人)申立 [戸籍訂正許可(死亡事項消除、戸籍回復、中国において死亡として除籍、妻子入籍)]
◆ わが憂い断腸の如し(S61・8・5-東京新聞)、 家族帰国に国費支給(S62・2・3-東京)、 厚生省国費帰国認めず(S63・2・26-東京))
◆ 遺族5人帰国の願い国は動かず(平4・11・26-読売)
◇ ボランティアの世話で 遺族帰国
[強制退去処分]
☆ 小野福太郎(大阪地方 昭36(行)61 昭40・1・30) 判決 退去処分無効
@ 日本国籍を有する相当高度の蓋然性がある A 外国人との証明責任は処分庁側にある
◇ 判例時報 404号
[就 籍 ] 別資料
[ボランティア団体]
§ 『中国残留孤児の国籍取得を支援する会』 (発足 '84、2、27)
当時身元未判明孤児は永住帰国が困難であったが、 前掲 徐明、松本事件を契機に未判明 孤児を就籍させることによって、 日本人として帰国させる運動が、 ボランテイアー・弁 護士協力して始められ、 大きな成果をあげている。
<国籍取得 944名、 戸籍訂正(許可 11、戸籍訂正より就籍 8) 国籍確認 2 却下 7 (特別事件2、 別扱い5) ('98、9、1)>
◎ 印事件(本資料)= 国籍取得を支援する会・さくら法律事務所扱い (503-3230-4400)
◎ 御願書(昭61・10・20) 厚生省援護局長宛
大量帰国−就籍希望に備え、 (財)中国残留孤児援護基金の本格的取り組み要望、会も協力する (回答・口頭にて拒否)
◎ 御願書(昭62・2・9) 同局長 宛
@ 翻訳、A 通訳の斡旋、 B 所沢孤児審問時の送迎、 C資金援助、 D就籍却下の場合強制退去防止
回答 (昭62・2・20) @〜C 基金と相談善処、 D 法務省に申し入れる
◎ 就籍支援システム確立 発表(昭62・10・29、 於 司法記者クラブ)
§ 『日中友好手をつなぐ会』
<中国から帰国者の国籍問題について> <会報 S53・8・15>
◇「中国帰国者の国籍問題を問う」(山本慈昭 S53・5・29-朝日・「声」) [回答] (6・10-朝日 「声」)
◇ 厚生省・「国籍問題に回答」
◇ 法務省民事五課長・「中国から帰国者の国籍問題でお答え」
◇ 問題実例 <会報 同上 >
◇ 米山経子(勤労奉仕隊。中国人と結婚理由に法務局日本国籍認めず)
◇ 井原和子(死亡宣告抹消を復活家裁許可。法務局日本国籍認めず)
◇ 本間陽子( 〃 )
◇ 上沼美。 上村磯子(中国人と結婚理由に法務局日本国籍認めず。戦死夫の遺族年金不可)
◇ 木口屋菊雄(中国籍のまま、日本国籍認めず)
◇ 山本純江(日本側に就籍認められたが、中国側認めず)
◇ 池上道子(戸籍あり、法務局認めず帰化申請せよ)
◇ 田中和子(肉親間違い、身元未判明孤児でも戸籍作れるか)
§ 『日中孤児問題連合会』
◇ 戸籍回復の権利 (会報 S52.7.12)
◇ 戸籍抹消例 (会報 S53.9.15)
◇ 国籍保有確認処分行政例(S53.3.4 法・民事五課長) ( 〃 )