HOME > 支援情報 > 機関紙「同声同気」 > 第35号(2006年1月24日発行)  PDFファイル
地域情報ア・ラ・カルト
 中国帰国者支援・交流センター 普及啓発事業の紹介
 遠隔学習課程スクーリングの現場から<長野>
 宅老所「ニイハオ」への私達のおもい
 2005年「進路ガイダンス」総括
行政・施策
 厚生労働省から
  身元引受人・自立指導員研修会
  中国残留日本人孤児の集団一時帰国・対面調査
 援護基金から
  養父母お見舞い訪中続々 年度内には百人をこえるか
 文化庁から
  「文化庁日本語教育大会」及び,
  平成16年度「国内の日本語教育の概要」の報告
研修会情報
 ★研修会情報
  第4回異文化間教育学会研修会
  「外国人の子育て支援のための研修会」
教材・教育資料
 中国帰国者支援・交流センター 遠隔学習課程「医療」コース
 『中国語を母語とする人のための医療用語・表現集』
 『子どもといっしょに!日本語授業 おもしろネタ集A』
 『日本で安心して赤ちゃんを』(中国語訳付版)
 『病院で困らないための中国語と英語 会話編(日中英対訳)&用語編 日中英・中日英対照』
とん・とんインフォメーション
 多文化共生センター・東京21「多文化子育てネット」
 『ダブル−中国、日本で生きた凄惨な歴史の証言』
 ご存知ですか? 中国帰国者のための情報誌『天天好日』
ニュース記事から 2005.9.15〜2006.1.13
事例紹介 自分たちで作った太極拳サークル

地域情報ア・ラ・カルト

中国帰国者支援・交流センター〈普及啓発事業〉の紹介

 本紙第34号では、同センター(首都圏センター)の普及啓発事業の一環としての「中国残留邦人聞き書き集 第1集」の発刊についてお知らせしました。本号では、普及啓発事業全般についてご紹介します。

1 普及啓発事業とは
 中国残留邦人問題の背景や経過についての情報を収集するとともに、これを広く一般国民に提供することは、帰国者に対する国民の理解と協力を得る上で不可欠です。また、帰国者の自立を支援する上でも有意義なことです。このため、帰国者関係団体の代表や有識者による資料収集検討会を設置し、収集する資料の内容や収集した資料を後世代に伝えていく方法などを検討しています。また、この検討会の検討結果を踏まえて、以下のような具体的な事業を実施しています。

2「中国残留邦人聞き書き集」の刊行、映像記録集の作製等
(1)「中国残留邦人聞き書き集」の刊行

 検討会の「関係者本人や当時の関係者から貴重な体験を聞き、資料として残していくべきであり、関係者の方々が高齢となっていることから直ちに実施する必要がある」との意見を受けて、平成14年度から中国残留邦人の方々からの聞き取り調査を実施しています。
 この聞き取り調査の結果を基に、平成17年3月に「中国残留邦人聞き書き集 第1集」を発刊し、都道府県、都道府県立図書館、国・公立大学図書館、関係機関、支援団体などに送付するとともに、希望する方には、在庫の範囲内で無償提供しています。
 なお、この聞き書き集は、第2集以降につきましても、まとまり次第、順次公表していくこととしております。

(2)映像記録集の作製
 今後、(1)の聞き取り調査を実施した対象者の中から若干名を選定の上、体験談のダイジェスト版を映像記録集として作製(ビデオテープ及びDVD)し、都道府県、関係機関、支援団体などに送付することとしています。

(3)聞き書き集のHP上での公開
 当センターのHP(ホームページ)上に(1)の聞き書き集の全文を公開する方向で、現在具体的な検討を進めています。

3 中国残留邦人に関する資料の所在調査
 都道府県、関係団体などに対して、中国残留邦人に関する所蔵資料の内容についての調査を平成15年度から実施しています。
 今後、調査結果をデータベース化の上、一般に公開する方向で、現在具体的な検討を進めています。

4 中国残留邦人に関する資料の提供依頼
 3に加えて、中国残留邦人に関する資料を広範に収集するため、平成17年2月から、当該資料の提供方を関係する団体や個人の方々を含む広く一般に呼びかけています。

(中国帰国者支援・交流センター:黒川)

☆遠隔学習課程 スクーリングの現場から:吉見 道子

 東京 御徒町に〈中国帰国者支援・交流センター(略称:首都圏センター)〉がオープンしたのが2001年11月。
 “いつでもどこでも始められる日本語学習”を目指す「遠隔学習課程(通信教育)」も4年目に入り、今年1月からは新たな2コースを加え全20コース、2006年1月現在の受講生は650人を越える規模になっています。
 首都圏センターに課題を提出すると、担当講師が添削しコメントを添えて返却するという郵送によるやりとり、時には電話による連絡等があるものの、「通信教育」は本来孤独な自学自習システムです。「スクーリング」は、こうした学習者を励まし助けるための方策として計画され、徐々に全国に広がってきました。2005年8月に沖縄が加わったことで、スクーリング実施自治体は40都道府県となり、スクーリングの担当講師も150人を越すまでになりました。
 〈地域情報アラカルト〉のコーナーでは、これまで、各地の中国帰国者自立研修センターで行われているスクーリングの様子を紹介してきましたが、今回からは、自立研修センター以外でスクーリングを担当されている講師の方々に近況をお寄せいただこうと思っています。1回目は、現在、長野県でスクーリング講師をされている吉見先生に寄稿いただきました。

 平成17年に私が担当したのは、〈漢字ゆっくりAコース〉受講者1名と、〈消費生活コース〉受講者2名の計3名、いずれも帰国者一世。スクーリングの形は、月に1度ほどのペースで受講者宅を訪問し、1回につき約2時間いっしょに勉強をするというもの。
 スクーリングの際に特に心がけたのは、受講者一人一人の学習方法やペースを尊重し細かな要望に応じることだ。

 〈漢字ゆっくりAコース〉を受講したSさんには、独自の学習スタイルがある。単に課題をこなすだけでなく、自分でノートを用意し全ての課題文を書き込み、さらには中国語訳もつけるという作業を行う。課題は発送までに何度も見直しを繰り返し、完璧に仕上げる。
 スクーリングでは、Sさんの「厳しく見てください」という求めに応じて課題やノートのチェックをする。何度も見直してあるだけに間違いはほとんどないが、それでも時々、拗音や撥音が抜けている、中国漢字を書いているといったミスが見つかる。それらを指摘すると、Sさんは正しい書き方を覚えるために再度ノートに書き出す。
 一連の作業には長い時間がかかるのだが、これがSさんのやり方であり、こうして日本語の勉強をしている時が一番楽しい、生きがいだと感じるのだそうだ。
 「語彙が増え新聞もかなり読めるようになった」と言うSさんの満足げな表情が、私には何よりも嬉しい。

 消費生活コースを受講しているKさんは、開始当初、自学自習の方法が全くわからずにいた。そこでまず学習の流れを一通り解説し、テキストの練習問題も実際にテープを再生しながら説明した。
 しかし中国語の識字力があまりないKさんにはテキストを読むことさえ難しく、また体調もあまりよくないということで、その後もほとんど学習が進まなかった。
 そこでKさんの状況を首都圏センターに報告し、学習の進め方について相談した。その結果、学習内容も課題も大幅に減らすことになった。
 一時は学習継続そのものが難しいと思われたKさんだが、負担が減ったことでかなり気持ちが楽になったとみえ、その後は「テキストのどの項目にも、自分の生活に役立つことが必ずある。少しずつでも覚えたい」という言葉が聞かれるまでになった。
 最初の課題を仕上げるまでに半年以上の時間を費やしたが、自力で仕上げた課題を封筒に入れた時のKさんは「さっそく出してくる」と本当に嬉しそうだった。Kさんは現在も受講期間を延長して勉強を続けている。

 スクーリングのたびに私が思うのは、講師は受講者の先に立って教え導く立場ではなく、受講者の日本語学習をまずは隣で見守り、必要に応じて手助けをするという役目を担っているということ。
 日本での生活に欠かすことのできない言葉、日本語。その日本語を少しでも覚えたいと願い遠隔学習を受けている帰国者。特に一世にとっては、高齢であることに加え識字力や体調といった問題もあり、自学自習には少なからぬ困難が伴っている。
 こうした受講者にとって、たとえ月に一度であっても、講師と共にテキストを開くことが、日本語学習を続ける上での負担を軽減する一助となり、また日本語を少しでも身近なものと感じてもらえる糸口となるのであれば幸いである。日本語学習がいつまでも受講者の楽しみとなるよう、支援を続けていきたい。

宅老所「ニイハオ」への私達のおもい

 私たち「中国帰国者等のための介護・福祉の会 ニイハオ」は平成16年8月1日設立発足いたしました。その後NPO法人の申請を行い、同年12月に認可されました。
 終戦後すでに60年を経た今、悲惨な戦争の犠牲となった中国残留孤児の問題も、一般の人々から忘れさられようとしています。私たちのこの飯田下伊那地域は全国的に見ても特に多くの満蒙開拓団を送り出した地域です。飯田地方で生活する中国帰国者一世は約70所帯あります。残留孤児の平均年齢は今や60歳代後半に達し、言葉や生活習慣の相違から、就労はもとより、社会的自立が困難な状況が続いております。中でも、高齢化に伴う介護問題は深刻化し、年追うごとに問題が顕在化しています。言葉の不自由な帰国者の人たちにとって医療制度や介護・福祉制度などは知るすべさえなく、家に閉じこもり、苦悩されている方が多くおられます。
 在宅で介護サービスを受ける場合には殆どが日本人によるサービスを受けることになります。しかし、言葉の問題で利用者の本当の気持ちがうまく伝わらず、適切な介護が受けられないこともあります。中国帰国者等からは、同じ日本に生活する高齢者として、改善を望む悲痛な声が聞かれていました。 
 そこで私達は、中国から日本に来て生活している二世の人達にホームヘルパー2級を取っていただき、通所でサービスをする事にしました。更に、一般の日本人家庭のお年寄りにも来所していただき、言葉の壁で社会から孤立しがちな帰国一世の方々との交流も持ちながら互いに生き甲斐を感じていただく場にしたいと願っています。
 宅老所「ふれあい街道ニイハオ」は飯田市鼎切石にあります。帰国者が集住している近くの2階建て民家をお借りするとこが出来きました。延べ約140平方メートル。県と市の補助を受けながら、約700万円をかけ改装しました。機能訓練室兼食堂、浴室、トイレなど、宅老所としてバリアフリー設計としました。
 開所以来、毎週来所している熊谷みとさんに話をうかがいました。みとさんは平成5年、永住帰国しました。当時親切な人が字の読めないみとさんの為に色々な歌をテープにとって、日本語勉強の教材にと送ってくれました。それを聞きながら子供の時の日本語を思い出すように毎日勉強したといいます。
 みとさんは今年75歳になりました。みとさんの足には鉄の金具が埋め込まれています。転んで折れたのじゃなく、働き過ぎで自然に折れたのだそうです。
 長年働き続けてきた身を一本の杖で労りながらも毎日運動を欠かしません。体のご不自由なご子息と市営団地に住んでいますが、話し相手もいません。
 「何故ここに、来ようとおもったのですか」、「なぜって、お風呂に入って、中国語でもおしゃべりができて、一生懸命日本語を覚えたあの時の歌を歌えれば、それでいいんですよ!」。みとさんは、宅老所「ふれあい街道ニイハオ」の常連になりました。
 宅老所「ふれあい街道ニイハオ」はスタートを切ったばかりです。まだ課題も残されています。でも、幸い飯田下伊那地域は中国との関わりが深く、中国との平和と友好を願う社会的基盤が広くあります。こうしたことから、中国帰国者ための介護・福祉について、市民の皆様の御協力を得ながら一歩一歩地道にやっていきたいと思っています。

(報告者:樫野武司)

「特定非営利活動法人(NPO)中国帰国者等のための介護・福祉の会」
理事長 中平龍興  
宅老所「ふれあい街道ニイハオ」 所長 石原茂
長野県飯田市鼎切石4010-1番地 電話0265-24-2180

「会の活動方針と目指す活動」

・ 飯田に暮らす全ての国の高齢者にとって、安心して生活ができる地域社会をめざす
・ 中国帰国者等のために介護や福祉に関する情報による啓蒙や、市民間の交流を通じて、介護予防、生活支援のできる福祉コミュニティーをめざす

帰国者に対する具体的な活動

@ 中国語を話すことができる介護福祉支援者(ホームヘルパー、ケアマネージャー、医療関係者など)の養成
A 託老所の設置と運営の具体化 B 健康講座の開催 C 介護保険利用講座の開催
D 日本の高齢者福祉施設見学会の開催  E 日本語学習支援、生活福祉相談事業の開催

2005年「進路ガイダンス」総括

 2005年は、帰国・外国籍生徒たちとその保護者のための進路ガイダンスが全国13都道府県、43会場(※1)で実施されました。1995年に全国で初めて進学ガイダンスをした神奈川が11年目を迎えた一方、今年初めてガイダンスを開いた地域もありました。
 昨年8月6日、7日に静岡県浜松市で開催された「外国人教育支援全国交流会2005」(※2)では、全国各地のガイダンス主催団体や地方自治体や教育委員会、日本国政府に向けた政策提言がまとめられました。高校入試における「外国人特別枠」の設置・拡充や、高校入試における「特別措置」、高校入学後の学習サポート体制の導入など8項目が盛り込まれています(※3)。
 ガイダンス主催団体間の連絡用メーリングリストも開設されています(※4)。このメーリングリストは、上記「全国交流会」や主催者交流会(年に1度関東で開催)の連絡のほか、集住都市会議への提言等各種提言や省庁との交渉案の策定などにも活用されています。外国から来た子どもたちの進学保障問題を中心に、行政に働きかけるために集まる場がない現状で、このメーリングリストがその役目を果たす存在になっています。
 「進路ガイダンス」の実施を起点とした新たな取り組みも始められています。昨年10月には、多文化共生センター東京21主催で「進路ガイダンス及び教育相談のための通訳ボランティア研修」が開催されました。また、神奈川では「ガイダンス終了後に個別の相談が数多く持ち込まれる」といった実情を受けて、必要に応じて随時対応できる「かながわ外国人教育相談」が立ち上げられています(※5)。
 ガイダンス開催地での取り組みは着実に広がり、ノウハウが蓄積されています。2005年は、地域レベルを超えた横のつながりを実感できた1年であったと言えるのではないでしょうか。2006年もさらなる発展に期待したいと思います。

※1 所沢センターが把握している範囲の件数です。実数はさらに多いと推察されます。
※2 浜松NPOネットワーク(N-pocket)主催(『同声・同気』34号で紹介)。「全国交流会」は、2002年に続いて2回目の開催でした。
※3 「全国交流会2005」でまとめられた提言は、N-pocketのホームページで見ることができます。
⇒ http://www.n-pocket.jp/multiculture/2005proposal2.html 
※4 ガイダンス主催者メーリングリストは2004年1月に開設。基本的に「ガイダンスを主催しているという意識のある人」を対象として、ガイダンス関係者間の連絡を主な目的としています。2005年12月現在、ガイダンス主催者に加え、これからガイダンスを開こうとしている人、通訳等何らかの形でガイダンスに参加している人や報道関係者を中心に42名が参加。毎年1回ずつ関東で「主催者交流会」を開くなど、進学ガイダンス関係者の「顔の見える」情報交換の場になっているということです。新規参加をご希望の方は、参加者を通じて、または、ML管理者の島本篤エルネストさん ⇒ Ernesto@iea.att.ne.jp に直接お問い合わせください。
※5 詳細は、「多文化共生教育ネットワークかながわ」
⇒ http://www15.plala.or.jp/tabunka/index.htm で紹介されています。

行政・施策

★厚生労働省から

1.平成17年度身元引受人・自立指導員研修会

 同研修会は、平成17年10月6日から7日の2日間にわたり静岡県で開催し、全体会議及びグループ討議を行いました。
 1日目は、全体会議として、厚生労働省による中国残留邦人等に対する援護施策の説明と立教大学箕口雅博教授による講演のあと、グループに分かれて身元引受人及び自立指導員によるグループ討議を実施しました。
 2日目は、前日の討議内容の発表と厚生労働省への質疑応答を行いました。
 今年度は、昨年度と同様、身元引受人と自立指導員との合同研修会を行いましたが、グループ討議では体験発表を題材として意見交換を行いました。

2.平成17年度中国残留日本人孤児の集団一時帰国及び対面調査について

 平成17年度は、日中両国政府による共同調査において、5名の方が新たに日本人孤児と確認され、これら5名の方々のうち4名は昨年11月24日から12月8日までの15日間、集団一時帰国として来日し、永住帰国に向けたオリエンテーション、帰国者宅・企業・小学校などの訪問、中国帰国者定着促進センター・大阪中国帰国者センター・ハローワーク見学などの行事に参加しました。
 また、判明孤児の夫に同伴して帰国し、既に高知県に在住している1名の方も11月24日から11月26日までの3日間、主に肉親調査の日程に参加しました。
 この間、報道機関、都道府県等の協力により9月30日から実施した情報公開調査の結果、肉親情報のあった「王善林」さんが、11月29日に厚生労働省において熊本県の木村マサヨさんと対面調査を行い、DNA鑑定の結果を待つこととなりました。
 厚生労働省としては、今までに身元が判明していないすべての孤児の方々を含め、引き続き肉親捜しに努めてまいりますので、皆様のご協力をお願いします。

★援護基金から

養父母お見舞い訪中 続々 年度内には百人をこえるか

 一昨年末のNHKテレビ放送で関心が高まり、多くの国民の皆さんから、「中国に住む養父母を訪ねてあげて」とご寄付が寄せられました。
 援護基金では、昨年度末に続き、今年度からは、さらにお見舞い事業を充実させ、すべての養父母にお見舞いの機会を設けることにしました。(既報)
 今年度の目玉事業ともなった「養父母お見舞い訪中」は、ほぼ恒常的に申し込みがあり、毎月7〜10人が、それぞれ住まいの近くの空港から中国へ旅立っています。
 危篤の見舞いや葬儀に参列の場合も6人を数え、中日友好楼に暮らす養父母も去年の春節に5人の孤児と援護基金でお見舞いに行ったときから既にお二人が亡くなったとのことです。
 養父母の年齢からしてもお見舞い希望者には、ひと月でも早く訪中して、元気な顔を見せてあげられるよう援護基金も努めております。

★文化庁から

平成17年度「文化庁日本語教育大会」及び,平成16年度「国内の日本語教育の概要」の報告

文化庁日本語教育大会の開催報告
 文化庁では平成17年度も日本語教育大会東京大会並びに関西大会を実施しました。
 東京大会は,8月3日(水)・4日(木)の2日間,昭和女子大学(東京都世田谷区)において「外国人年少者への支援について考える−子をもつ親への日本語学習支援−」という全体テーマで開催しました。大会初日は,明治大学のマーク・ピーターセン教授の講演,首都大学東京都市環境学部1年生高榕輝さんの日本語学習等の事例発表に続き,「外国人年少者への支援について考える」というテーマでパネルディスカッション(進行:山田泉 法政大学教授)を行いました。外国人年少者の日本語習得における問題の一つである親の課題について,社会参加のための居場所の重要性等が協議されました。
 2日目は,午前中に社団法人国際日本語普及協会の協力による「日本語が必要な子供達へ私たちができること−周囲の大人の連携の実現に向けて−」と題したシンポジウム(進行:関口明子 日本語普及協会常務理事)が3名のパネリストを迎えて実施され,日本語支援や周囲の大人の連携の在り方等が協議されました。午後は,前後半それぞれ1時間半ずつ,3つの分科会に分かれて(計6つの分科会で),日本語教育研究協議会が行われ,年少者の日本語習得支援等の情報交換や議論が展開されました。
 関西大会は,11月13日(日)に,立命館大学(京都府北区)において「日本語で異文化コミュニケーション」という全体テーマで開催しました。午前は,落語家のダイアン吉日さんの講演に続き,「多文化社会の日本語コミュニケーション」というテーマで座談会(進行:水谷修 名古屋外国語大学長)が行われ,活発な意見交換の中から多文化化の進む国内社会で求められるコミュニケーションについてのヒントが示されました。午後は日韓友情年特別企画として,韓国人監督による短編映画を文化・言語・外国人をキーワードに選定し,上映しました。その後,4つの分科会に分かれて,日本語教育研究協議会を実施,活発な協議やワークショップが展開されました。

国内の日本語教育の概要
 文化庁では外国人に対する日本語教育推進の基礎資料とするため,昭和42年以来,国内の日本語教育の実態調査を行っておりますが,このたび平成16年度11月1日現在の結果発表を行いました。国内における日本語教育の実施機関・施設数は,1,816機関・施設,日本語教員数は,29,704人で昨年と比べて増加しました。しかし,日本語学習者数は,財団法人日本語教育振興協会認定施設における学習者数の減少が大きく影響し,128,500人と減少しました。尚,本調査の結果は文化庁ホームページでも紹介されますので,ご覧ください。
⇒ http://www.bunka.go.jp/

(文化庁文化部国語課 中野敦)

教材・教育資料

中国帰国者支援・交流センター 遠隔学習課程「医療」コース大盛況!
+『中国語を母語とする人のための医療用語・表現集』の紹介

 NL34号で紹介した、2006年1月からの新コース「生活場面日本語『医療』コースT・U」に続々申し込みが来ているそうです。2005年12月末現在で170名近くの申し込みがあり、帰国者の医療面に対するニーズの高さがうかがえます。このコースは、期間が標準6ヶ月で、CD付きのテキストと資料集を使って、入院や通院など医療機関利用に関する知識を深め、診察などの場面で必要となる会話を学びます。今回はこのコースで使う『中国語を母語とする人のための医療用語・表現集』を簡単に紹介しましょう。
 この資料集は、NL12号で紹介した、斎藤裕子著『日本語生活用語集 −医療生活分冊−』を原著として再編集されたものです。医療に関係する日本語の学習を第一に考えた「教材」ではなく、中国帰国者の医療現場で意思疎通を行う人々(すなわち、患者である帰国者本人やその家族と医療従事者、および専門的な医療通訳の知識がない通訳者や中国語能力がそれほど高くない通訳者)が本書を仲立ちとして必要な意思疎通を行えるようになることを目指しています。必要な語句や表現を検索しやすくするため、すでに原著において工夫されていた3種類の索引を踏襲するとともに、本書全体の構成を変え、目次も詳しくなっています。また、日本語初歩の人が医療現場で、本書を開きながら医療従事者と意思疎通ができるように、表現や対話の形式を工夫して、「指差し会話」がしやすいようしてあります。医療に関する情報は、日々新しいものが加わります。この資料集の内容に関する訂正事項等は、下記のホームページに随時掲載される予定です。

http://www.engokikin.or.jp/shuppanbutsu/iryo/
*今号では、この他にも医療関係の用語集を紹介しています。次ページをご参照下さい。

『子どもといっしょに! 日本語授業 おもしろネタ集A』

(株)凡人社 大蔵守久・池上摩希子 監修 A5判110頁 2005年9月発行 1100円+税

 この本は20号で紹介した『子どもといっしょに!日本語授業 おもしろネタ集』の続編です。「子どもメール」(注)での呼びかけに応じて提供された“子ネタ”=子どもたちの関心を引き出し意欲的に取り組ませることができる活動ネタが23例紹介されています。1例毎に「指導可能な項目/用意するもの/指導例/注意事項/発展応用バージョン/(監修者からの)一言」でまとめられている他、子ネタを活かすコツ、子ネタに関するQ&A等、支援者が目の前にいる子どもたちに合わせてネタを上手に運用できるようヒントも数多くあげられています。

(注)当センター運営の「子どもたちの日本語教育+αを考えるメーリングリスト」のこと。
詳細は、⇒ http://www.kikokusha-center.or.jp の紹介コーナー(トップ画面右下)をご覧ください。

『日本で安心して赤ちゃんを』(中国語訳付版)―日本語教室の先生といっしょに考える、あなただけのテキスト―

 横浜市港南国際交流ラウンジでは、日本語を母語としない妊婦さんが安心して赤ちゃんを産めるようにとの思いから、2005年6月に上記テキストを作成しました。この本は、ボランティアによって作られた日本語のテキストに中国語訳をつけたもので、妊娠・出産の医療場面における会話を軸に構成されています。必要な語彙が豊富に取り上げられており、学習者の母国での出産経験をもとに、自分の伝えたいことを伝えられるように問題が構成されています。日本語教室の先生とロールプレイを行いながら様々な表現を身につけていくことができます。なおこのテキストは日本語初級前半を修了した人を対象にしています。巻末には、医療機関や役立つテキストのリストや、日本での妊娠・出産に関する様々な表現が掲載されており、非常に便利です。
※残部はそんなに多くはないとのこと、おそらく1団体につき1部となると思われます。事前に連絡して在庫の有無を確かめてからテキストを申し込んでください。なおテキストの代金は不要ですが、送料の負担が必要です。

〈申込方法〉住所、氏名、冊数、利用目的、所属団体(日本語教室名)を明記し、送料分の切手を同封の上、下記まで申し込む。冊子小包料金 1冊:210円、2冊:290円
〈宛先〉横浜市港南国際交流ラウンジ
     〒233-0002 横浜市港南区上大岡西1−6−1ゆめおおおかオフィスタワー13階
     Tel 045-848-0990  Fax 045-848-3669 Eメール:mk01-kil@yk.rim.or.jp

『病院で困らないための中国語と英語 会話編(日中英対訳)&用語編 日中英・中日英対照』

松本 洋子・池上 信子・王燕玲 編著 発行:サンセール

 NL12号で紹介した『病院で困らないための中国語』の増補改訂版です。医療の現場で作られた「会話・用語集」で、旧版の会話編(日中対訳)に英語が加えられました。用語編にはかなり専門的な医学用語も取り上げられており、医療通訳を目指す人にも役に立っているとのこと。2月には中国語部分(会話編、用語編とも)のCD(4500円)も発売されます。本書とあわせて耳からの学習も行えば効果的と思われます。

連絡先:鍬谷書店 TEL 03-5390-2211 / FAX 03-5390-2213

★研修会情報:

2006年春の研修会情報

第4回異文化間教育学会研修会

「多文化共生と地域日本語教育における参加型学習」
2006年2月25日(土)詳細は同学会HPにて

多文化共生センター・東京21
「外国人の子育て支援のための研修会」

第2回 外国にルーツのある家族とDV(ドメスティックバイオレンス)
1月29日(日)1時〜4時半
第3回「国際結婚」と日本社会〜親子関係から見えるもの〜 
3月5日(日)1時〜4時半 ※詳しくは上記下記 HP をご覧ください。

どちらも
場 所:しんじゅく多文化共生プラザ 
参加費:1000円
申込方法:電話、FAXまたはEメールに「住所・氏名・所属・連絡先(電話番号/メールアドレス)」を明記の上、上記下記に、お申込下さい。

とんとん インフォメーション

〈特定非営利活動法人〉多文化共生センター・東京21「多文化子育てネット」

 「多文化子育てネット」とは、外国人親子に様々な現場で関わる人たちが枠を超えて集まり、抱える問題の解決に向けて課題を共有するネットワークです。これまで、地域の日本語教室などでボランティアをしている人たちや、保育士、保健師、児童館職員などはそれぞれ別々の枠組みでネットワークがあるものの、その枠を超えたつながりはあまりありませんでした。それらがまとまる必要性を感じ、2005年1月に「日本で暮らす外国人の子育て支援シンポジウム」を開催したところ、日本語関係者や保育士など100名近くの参加があり、このネットワークを広げていこうと「多文化子育てネット」を立ち上げたものです。

以下に活動の3つの柱を紹介しておきます。
◆研修会・フォーラム:2005年度3回の研修で課題の抽出、2006年度3回の研修で解決に向けた先行事例の紹介。2007年には「多文化子育てフォーラム」を開催し、社会へ提言していく。
◆メーリングリスト:より広域で情報交換の出来る場を設ける。
◆子育て情報ファイル:メーリングリストや研修会等で得た様々な情報を蓄積しwebで公開する。

※メーリングリスト参加希望の方は、下記のe-Mailに「多文化子育てネットML参加希望」と書いて送ると、規約と参加申込書が送られてきます。
〒116-0013 東京都荒川区西日暮里2-57-2 K&Tビル2F 
TEL&FAX: 03-3801-7127 e-mail: tokyo@tabunka.jp http://www.tabunka.jp/tokyo/

訃報:

和泉 清一 前中国残留孤児援護基金理事・元「中国帰国者三互会」会長 が11月17日に ご逝去されました。

『ダブル−中国、日本で生きた凄惨な歴史の証言』

渡辺真弓著 日本図書館協会優秀選定図書、2005年熊本日々新聞出版文化賞受賞 (明窓出版、381頁、1700円)

 著者は中国残留婦人の二世。25年前に母と共に熊本に帰国し、13年かけて両親と娘三人のこの一家の歴史を書き上げたという。
 文化大革命時に知識人家庭の被った悲惨な体験については、日本でもこれまでに『ワイルド・スワン』『上海の長い夜』などで読むことができたが、著者の両親の場合は日本人女性と中国人男性であったことから言われなきスパイ容疑を掛けられて投獄される。家族全員が互いに引き離され、著者自身も12歳で全く一人で3年もの間、文革の乱世を生き抜かなければならなくなる。
 本書では、後に両親と姉たちが語った体験と彼女の目が見た、無実の罪で死に追いやられる知識人たちの様子が語られている。何百万人もの知識人を死に至らしめた毛沢東の再評価が進みつつあるとは言っても中国国内では言論はまだ完全に自由とは言い難いだろうし、思い出したくもないという人も少なくないだろう。ここで語られているのは、今国外にある彼女だからこそ書けた事柄かもしれないとも思う。
 しかし、そんな日々の中でも、三姉妹は両親の無実と再会の日を信じて支え合って生き抜くことができた。それは本書中でも繰り返し語られる両親の深い家庭愛の支えあってのことだった。また、不幸中の幸いは、この潔癖で学究肌の彼女の父が何年も獄中にあって情報から遮断され、外部との交渉も絶たれていたため、却って生き長らえることができたことだろうか。
 「ダブル」というタイトルからは国際結婚家庭の異文化体験が内容として予想されるが、それよりも副題の「凄惨な歴史の証言」の重みのずっしり感じられる一書である。

★★ ご存知ですか? 中国帰国者のための情報誌『天天好日』 ★★

 中国帰国者支援・交流センター(首都圏センター)が発行する『天天好日』は、帰国者世帯に無料で配布されている情報誌です。体裁は、A4判16〜20頁前後、各頁は左側に中国語、右側に日本語で、生活に役立つ情報が多岐にわたって掲載されています。
 例えば、昨年11月刊行の第24号では、残留邦人聞き書き集『二つの国の狭間で』を読んだ帰国者からの投稿、2・3世のための進学情報と奨学生募集情報、「健康相談」のコーナーでは糖尿病についての知識そのDが、「ネット用語辞典」の連載では電子メールの文字化けについての知識が、ニュースの言葉を解説するシリーズでは「アスベスト」の問題が取り上げられています。この他にも、ワンポイント養生気功の連載や、帰国者関連のニュース記事の抜粋、日本の行事や冠婚葬祭の知識シリーズと内容は盛りだくさんです。地震など災害時の安否確認の方法や(23号)、詐欺や犯罪の被害者とならないための知識(19号)等、日本で生活していく上で必要となる知識・情報についても随時取り上げられています。もちろん、首都圏センター日本語学習課程の受講生募集情報についても知ることができます。また、日本語はすべてルビ付きで、日本語学習に利用することもできます。
 『同声・同気』読者で、この情報誌を受け取っていない帰国者世帯をご存じの方は、ぜひ『天天好日』のことをお伝えください。希望される帰国者の方にはこれまでのバックナンバーもお送りできます。
(発行月は:1・2・4・5・7・8・10・11月)

連絡先:
〒110-0015 台東区東上野1−2−13 カーニープレイス新御徒町6階
Tel:03-5807-3171 Fax:03-5807-3174 メール:info@sien-center.or.jp
※同誌は印刷されたもの以外に、これまでに出た号を首都圏センターのHPで読む事ができます。
http://www.sien-center.or.jp/magazine/index.html

ニュース記事から

ニュース記事から 2005.09.15 〜2006.01.13

09/17 中国残留孤児・国賠訴訟:作家・井出孫六氏が証言/長野地裁
09/20 中国帰国者向け宅老所「ニイハオ」が19日オープン/長野:飯田市 ※本紙4頁
09/20 司法・医療の通訳力アップへ学会発足 資格認定試験の新設も目標
09/27 『地方の時代』映像祭で孤児問題を取り上げた作品グランプリ受賞
09/30 中国残留孤児5人発表 新たな認定は過去最少 ※本紙6頁
10/08 日本国籍求め来日:比の残留日系人7人 審判申し立て
10/18 死亡した残留孤児の夫に特別在留資格認める/東京入国管理局
10/29 中国残留孤児支援の会設立/岩手
11/22 中国残留孤児4人24日集団一時帰国 高知在住の女性も上京
11/27 国家賠償求め来年提訴予定 岩手県の中国残留孤児20人
12/08 中国残留孤児肉親調査 初めて身元判明ゼロ・離日へ
12/12 青森・宮城・秋田・福島 の中国残留孤児21人が3次提訴/仙台地裁
12/28 中国残留孤児12人が新たに国に賠償求め提訴/長野

事例紹介

自分たちで作った太極拳サークル

 前号(34号)に続き、帰国者自身が仲間を募りサークルを立ち上げ、それが生活のはりとなり生きがいにもなったという事例を紹介します。(中国帰国者支援・交流センター、ニューズレター『天天好日』23号〈この人の天天好日〉から抜粋)

 東京、江戸川区の小さな公園で毎朝七時から太極拳の練習を行っている帰国者のサークルがある。現在、メンバーは八人。近い人は自転車で来られる距離だが、バスと電車を乗り継いで一時間かけてやってくる人もいる。
 このサークルが活動を始めたのは平成十六年の八月。日曜日も祝日も、夏の暑い日も冬の寒さが厳しい日も、毎日欠かさず練習してきた。「仕事みたいなものさ。」メンバーの一人は楽しそうに言う。ただ、雨の日だけは足もとがぬかるむので休みにする。天候がはっきりせず、練習があるか判断に迷うときには電話で連絡を回す。
 朝、六時半ごろ公園に集まり、ひとしきりおしゃべりをして、七時から一時間の練習を行う。経験の浅い人がベテランの「型」を見て真似しやすいようにと立ち位置にも気を配る。数ヶ月前からテープレコーダーを持参し、太極拳の音楽をかけて練習している。太極拳のテープはメンバーの一人が探してきたものだ。家でも練習できるように全員の分をダビングして配った。
 太極拳のキャリアは様々だ。いちばん長い人で八年、数ヶ月前に始めたばかりの人もいる。みんなに共通しているのは、日本に来てから始めたということだ。誰か一人が指揮をとるのではなく、お互いにうまくできていないところを指摘したり、教えあったりしている。
 このサークルができたきっかけは、首都圏センター(中国帰国者支援・交流センター)の太極拳教室だった。毎週、水曜日の午前十時からの二時間、帰国者の講師を招いて教室を開いている。週に一度の教室だけでなく、もっと練習して上達したいと思った数人が首都圏センターに通いながら、仲間に声をかけ、自分たちの活動を開始した。水曜日先生に習ったとき、うまくできなかったところを解決し、更に練習を積む。センターの太極拳教室がきっかけに始まった自主サークルだが、今は自分たちの活動の方に重点を置いている。
 「しばらく前までは、退職して時間ができたので、家でのんびりしたり孫の面倒を見たりする日々だったが、太極拳のおかげで生活にはりができた。同じ団地の日本人に“早く上手になって、ここで太極拳を教えてよ!”と頼まれているから、もっとがんばらないと。」「友人から誘われて参加するようになったが、太極拳はリハビリにとてもいい。病気の後遺症で体が思うように動かなかったが、だいぶ良くなってきた。」「体重が七キロも減った。前は太りすぎていたし、足に力が入らなかったが、最近はだいぶ、体力がついてきた。」と口々に話すメンバー達。

 しばらく前から、二人の日本人も参加するようになった。近所に住んでいる親子(お母さんと娘さん)で、散歩でたまたま公園を通りかかったときに太極拳を見かけ、「参加してもいいですか」と言ってきたそうだ。二人に太極拳を教えるのは主に日本語の上手なメンバーだが、休憩のときにはみんなで雑談を楽しむ。普段、日本人とあまり交流する機会のない人もこのときは楽しく交流できる。太極拳がやりたい人だったら日本人でも中国人でも誰でも大歓迎するそうだ。
 太極拳がきっかけで知り合ったメンバーだが、今は旧知の友のように仲良く見える。太極拳の活動以外で会うことも多い。「みんな、困ったことがあっても気楽に相談できる相手がいるから安心して生活できる」とメンバー達は言う。日本にいちばん早く帰ってきたTさんは日本の事情にも詳しく、誰かが病院に行って意志疎通ができないときに付き添ったり、書類の翻訳をしたりする。
 仲間が集って行う「太極拳」は体にも心にも、よく効くようだ。
 共通の趣味を通じてできた仲間たちは今日も生き生きと、楽しそうに活動している。

(やま)