中国・サハリン帰国者教育の相互支援ネットワーク

2014年8月7日号

編集・制作:中国帰国者定着促進センター
          教務部講師会
発行者:中国帰国者定着促進センター

今号を印刷してお読みになりたい方は、こちらのPDFをご利用ください。2014年8月7日号PDF

◎目次――――――――――――――――――――――――――――――――
地域情報ア・ラ・カルト
 ・介護施設「老健リハビリよこはま」訪問記
  ・樺太帰国者二・三世の進学事情(北海道センター)

研修会報告
 ・異文化間教育学会第35回大会参加報告

とん・とんインフォメーション
 ・ 2014年度 高校進学進路ガイダンス〈各地の情報〉  2014.8.1現在
  ・中卒認定試験情報
  ・多言語対応「臨時福祉給付金」と「子育て世帯臨時特例給付金」
  ・ニュース記事から(2014.6.1-7.31)
        山形日中友好協会 共同墓苑建設と「祖国は遠かった」
 

地域情報ア・ラ・カルト

「老健リハビリよこはま」訪問記(2014年6月18日)


 中国からの帰国者家族にとって、一世世代の介護問題は切実です。中国語が通じれば介護施設を利用してみたいという帰国者は多いのですが、中国語が通じる介護施設はまだ少なく、いざという時に探すのが大変です。今回は中国帰国者を積極的に受け入れようとしている横浜の介護施設を取材してきました。

 「老健リハビリよこはま」は、リハビリによって人の持っている本来の機能を回復させ、在宅復帰を目指す老人保健施設です。在宅での生活を目指すことが基本的なスタンスなので、入所期間は3カ月から半年、長くても1年未満となっています。同じ施設サービスである特別養護老人ホーム(特養)に比べリハビリが中心であり、自宅と病院とをつなぐ役割を持っています。
中国帰国者受け入れのきっかけは、昨年(2013)12月、マネジメント部長が介護施設間の連絡会に参加した時に、「横浜には中国帰国者が400名ほどおり、介護が必要でも介護制度を知らずに困っている」という話を聞いて、何とかできないかと理事長に相談したところ、すぐに帰国者を積極的に受け入れることが決まったそうです。
 まず、中国語対応の国際部(韓国語対応も加え)を立ち上げました。「この施設は2012年3月にJCI(国際医療評価機構)※の長期療養の認証を取得した施設でもあり、一般日本人であれ中国や韓国文化圏出身者であれ、同じようにサービスを提供したい」とのことで、その後すぐに中国語の通訳が配置されました。
 ※アメリカの医療機関の医療水準を評価する非営利法人JCAHO(Joint Commission on Accreditation of Healthcare Organizations)が制定した国際標準
 しかし、帰国者を受け入れる準備をしていても、それがなかなか帰国者には知られず、ここに入所してきた帰国者も「以前いた別の施設を退所するときに探してもらい、たまたまここが見つかった。当初は中国語が通じる施設とは知らなかった」「保健センターに行ったらそこの人が調べてくれて、たまたま中国語の話せる人のいる施設がみつかった」という状況だったそうです。そして、2014年3月に初めての中国人帰国者1名を迎え、その後3名の帰国者を“たまたま”迎えることに。そして6月現在入所している帰国者は4名になったとのこと。
 施設からは「中国の人・帰国者だからと特別に対応しようとしているわけではなく、どの利用者にも最善の介護をという方針でやっている。基本的には日本人利用者と同じように生活してもらっている。目に留まるところに中国の飾りつけをしたり、部屋では中国語のラジオの音が自然と聞こえるようにするなどして、中国帰国者が落ち着ける場所になるよう気を配っており、週1回は中華料理のメニューも提供している」とのことでした。また、毎週チャイナ会議を開いて、帰国者のためにどんなことができるかを話し合っているそうです。単に中国語のできるヘルパーを雇えばいいというわけではなく、日本人スタッフもこれから中国(文化、食事やおやつ、行事等)のことを理解していくよう職場の風土を多文化対応に変えていかなければならないとの話もありました。
 入所している中国帰国者家族からは、「家族としては親の面倒は見たいが仕事もあり困難。以前入っていた施設では、言葉がわからないのに施設に世話を任せるのは気持ち的にとても辛いものがあった。言葉が通じることでやっと安心して任せられると感じた」との話があり、また、通訳のKさんからは、「帰国者の入所者に中国語で話しかけたら本当に喜ばれた」との話も聞くことが出来ました。その他にも入所者の様子では「今まで入浴時間以外は寝ていることが多かったが、起きている時間が増えた。表情が出てきた」など、中国語による声掛けの効果は大きいのではないかと感じました。
現在、中国語ネイティブ(母語話者)のヘルパーは3人、日本人利用者にも評判がいいようで、施設からは、「彼らは仕事がとても丁寧で利用者に優しい。彼らの自然な接し方を日本人ヘルパーも見習わなければと思った」との感想がありました。中国では小さい時から祖父母との関係が濃いため、祖父母世代を大切にする気持ちが自然と身についているのかもしれません。
 ここは特養ではないのでずっと入所していられるわけではないのですが、退所するときも、「何かあれば助けに行く、戻ってきていい、と安心してもらえるようにしている。通所リハビリ、訪問リハビリ、ショートステイもやっているので、いつでも受け入れ、リハビリを繰り返す、生涯の付き合いをしていきたい」とのことでした。

 今回の訪問で大切だと感じたことは、中国語で対応できる体制づくりはもちろんのことですが、部屋の飾りや中国語のラジオ、食事といった帰国者の出身文化への配慮、そして、一般利用者にも帰国者のことを前もって説明しておくというような心配りでした。こうした説明を受けた日本人利用者が帰国者を何気なく見守り「最近Aさんは笑顔が出るようになったね」などと、スタッフに知らせてくれるというエピソードが印象に残りました。

中国語HP http://www.roukenrihabiri-yokohama-chinese.jp пF080-4787-9153(中国語担当)
日本語HP http://aiyukai.com/facility/?p=1 пF045-369-7711
〒241-0812 神奈川県横浜市旭区金が谷614-3

 
正面玄関  スタッフの皆さん

 

                                                                                                                                          (所沢:T)


樺太帰国者二・三世の進学事情

北海道中国帰国者支援・交流センター  
相談員 篠原恵理子  


 今年度、当センターで関わっていた樺太帰国者二・三世計4名が、大学に進学しました(いずれも20代前半、滞日2〜5年)。そのうち3名はロシアで中等教育を終え、帰国後は当センターや民間の日本語学校での日本語学習を経ての進学、1名は日本の高校からの進学です。
 日本の高校に通学していた1名を除く3名を対象に、大学選びから出願手続きの援助、個別の小論文・面接指導を当センターにて行いました。彼らには、帰国当初から大学に入りたいという強い思いがあり、その願いを叶えるべくこちらも対応に当たりました。受験準備及び試験対策支援の内容と、その過程で起こった帰国者に特有とも言える事例を紹介していきたいと思います。

■大学選び、出願手続きの援助

 まず、受験する大学を選ぶために、彼らの希望を聞きながら実際にどんな大学が受験できるか情報を集めました。自分で大学のオープンキャンパスに参加したり、直接大学に受験の相談に行った際に、学内を見学させてもらった者もいました。
 今回の3名のようにロシアで中等教育を終えている場合、まず大学受験資格が認められるか、という問題が起こります。ロシアでは初等・中等教育併せて11年の課程のため、「外国において、学校教育における12年の課程を修了した者」という基準を満たしていないとみなされてしまうのです。実際には、この点についての対応は大学によって異なります。個別に資格審査を行って資格を認める場合もあるため、各大学に問い合わせをしました。ロシアの学歴証明書を翻訳とともに大学に送って郵送や電話で返事をいただいたり、あるいは受験を希望する本人に伴って直接大学に赴き、相談に応じていただいたりしました。受験可否の返事をもらうまで日数を要する例もありました。結果的には全員志望大学を受験できたわけですが、この教育制度の違いが、受験できる大学の選択肢を狭める要素になっていると言えます。
次に考えなければならないことは、どの入試制度を利用するかということです。学力試験が課される一般入試での受験が難しいとなると、AO(自己推薦)入試、帰国生入試、社会人入試等の利用を、各大学の入学試験要項を注意深く確認しながら検討する必要があります。これらの試験で課されるのは、面接のみ、あるいは面接と小論文です。しかし、特にAO入試の場合は特別な出願要件が設けられていることも多く、その内容も大学により本当に様々です。課題の事前提出の他、英検、TOEIC、簿記検定等の資格が求められる場合もあります。今回1名がどの入試制度の出願要件にも該当しなかったのですが、幸いロシアの大学に1年半在籍していたため、編入学試験の受験が認められました。
もちろん中国引揚者等子女特別枠もあるわけですが、一概に帰国者にとって容易な方法であるとは言えないようです。北海道で特別枠を設けている3つの大学のうち、2校は道内では難関校と見なされており、特別枠での受験者にもそれなりのレベルが求められるのです。今回1名が受験しましたが、不合格でした(その後自己推薦枠で私大に合格)。
また、中国引揚者等特別枠がなくても、海外帰国生入試を利用できる場合もあります。今回、この海外帰国入試の受験を検討した中でも、審査の結果、出願を認めてくれた大学もありました。

■面接・小論文対策

 今回の受験では、AO(自己推薦)入試の場合は面接と事前提出の作文、編入試験では面接と小論文試験が課されました。これらの試験では、質問や設題に対し、自分で素早く考えをまとめて日本語で表現する力が求められますが、彼らにとって、それはなかなか難しいことです。そこで、試験本番の1カ月ほど前から、1対1の個別指導形式で面接、小論文対策支援を行いました。当センターの日本語講師が担当し、1回2時間程度、当初は週2回程度から始めましたが試験の直前にはより回数を増やして実施しました。
 具体的には、担当講師がインターネットを通じて入試の面接・小論文で出題されそうな質問リストを集めて学生に提示し、それらの質問に対してどのように答えるか、まず自分で考えさせ、それをよりわかりやすく丁寧に日本語で答える練習をする、という形で行いました。試験で問われる質問の中には、大学入学前の彼らにとっては考えがまとまらず、答えにくいものもあります。そのような質問をされたとしても、「わかりません」と一言で済ませるのではなく、「その点については大学に入学して勉強しながら考えていきたいです」等、相手に悪い印象を与えない受け答えの仕方等も指導しました。また、面接会場への入退室の方法やお辞儀の仕方、面接時の座り方(姿勢)等、非言語的な側面についての指導も行いました。

 どの学生も、大学入学という目標に向けて非常に熱心に取り組み、現状では帰国者が受験できる大学の選択肢がどうしても狭められる中、2名が自己推薦枠、1名は編入、1名は社会人枠でそれぞれ合格しました。
 目指す大学と実際に受験できる大学との間に隔たりがあることへの葛藤を訴える場面もありましたし、受験準備を進める過程で、学生自身の希望が変化したこともありました。しかし、彼らの将来に対する姿勢は、非常に前向きです。勉強するために大学に行く、日本で自分の人生を切り拓いていくために進学は必須、という真っ当な考えを持っています。「どの大学に行こうと、大切なのは自分が一生懸命やること」と強い意志を持つ姿を見て「この学生たちなら、どこに行っても大丈夫だ」と感じました。
 経済的な面では、社会福祉協議会教育支援資金や日本学生支援機構奨学金を活用しつつも、決して十分とは言えない中で努力しています。今後環境が整えられ、意欲があり高い能力を秘めた二・三世の選択肢が広がっていくことを望みます。

研修会報告

異文化間教育学会第35回大会 参加報告

 2014年6月7日と8日、京都の同志社女子大学で上記大会が開催されました。その中から2点ご紹介します。

● 大会企画:公開シンポジウム「生涯発達の視点を踏まえた日本における外国にルーツをもつ人への支援−保育・教育・子育ての視点から−」

 幼児期、児童期から中高校生への支援、また保護者への支援の事例が地域、学校、行政との関わりの中でそれぞれ発表され、韓国(金侖貞さん)と台湾(翁麗芳さん)のコメンテーターによる、日本と対比させた自国の状況の解説がありました。
 韓国の「多文化家族支援法」は国内の多文化家族への支援を法制化した、東アジアにおける先進事例としてよく知られています。しかし、その背景には、韓国人の夫から外国人(多くが中国朝鮮族、中国、東南アジア出身者)の妻へのDVなど、様々な問題が噴出したことへの解決策としての立法であったこと、2008年の制定当初は韓国人女性と外国人男性の夫婦や外国人同士の夫婦が対象外であったことなどが紹介され、日本と共通の問題の根を感じさせられました。フロアからの質問に、この施策で謳われている「統合政策」の「統合」とは「同化」ということかというものがありましたが、これに対しては、政府は明確な定義をしていないが、この法律の出自を考えると、家父長的な政策であるとも言えるかもしれないとのコメントでした。
 台湾は、今や生まれてくる子どもの数人に一人が外国出身の母を持つと言われるほど国際結婚が増加しました。しかし、それ以前から先住民族をはじめ、多様なエスニックグループにより人口が構成されていて「多元社会」を謳っており、最近のニューカマー施策の下地が古くから準備されていたと言える環境であったこと、先住民族の母語の言語権保障という課題もあり、より複雑な状況にあることなどが紹介されました。
 生涯発達という全体のテーマに、外国ルーツの子どもの乳幼児期が視野に入るようになって久しい日本の状況を改めて感じさせられました。残念だったのは、にも関わらず、成人及び高齢者支援が発表内容に含まれていなかったことです。このことについては、コメンテーターの金さんからも指摘がありました。今後の課題と締めくくられはしましたが、在日コリアンや中国帰国者のように、既に高齢者の生涯発達という視点から語られている人たちへの支援については、今後どころか今現在の課題であり、帰国者の関係者も日本社会に対してもっと発信していかなければならないと痛感させられました。

●日本生まれの子どもたちの発達を妨げる要因

 個人発表でも、日本生まれの子どもたちの言語発達(語彙や文章構成力など)に関する研究発表が多く行われており、完全に時代が「渡日」の子どもたちの時代から次世代に移行したことを感じさせられました。その中で興味深かった研究発表が近田由紀子さんの「外国人児童の学習及び行動の評価と認知力との関連」でした。学力や行動上の問題の原因が認知発達の遅れにあるのか、日本語習得の遅れにあるのかの見極めの難しい子どもが増えてきた今、発表の待たれていた研究だったと思いました。調査対象の60%以上が日本生まれの子どもたちでしたが、その中で、出生地に関わりなく、認知発達に遅れの可能性が見られながら適切な支援が受けられていない恐れのある子どもや、認知上の問題ではなく、日本語の習熟度や家庭環境が学習や行動面の評価に影響している子どもの存在が量的データで示されました。中国帰国者は三世四世の時代となり、子どもたちのほとんどが日本生まれです。現場の支援者にとって非常に説得力のある発表でした。     (a)                                                                     

とん・とんインフォメーション

2014年度 高校進学進路ガイダンス〈各地の情報〉 2014.8.1現在

高校進学ガイダンス実施情報の詳細を当センター・ホームページにアップしています。
http://www.kikokusha-center.or.jp/
「同声・同気」−新着情報コーナー−高校進学進路ガイダンス

8月、9月の予定は以下の通りです。
埼玉県 8/9、9/28、千葉県 9/28、東京都 9/28、神奈川県 9/15、9/23、9/28  
石川県 9/28、長野県 9/28、岐阜県 8/17、兵庫県 8/21、8/23、9/6、滋賀県 8/10
奈良県 9/26、福岡県 8/10、大分県 9/15

ガイダンスの内容やスケジュール、参加予約の要不要、通訳の予約などは事前に連絡先にお問い合わせください。


平成26年度 中学校卒業程度認定試験(中卒認定)受験案内

 文部科学省では、病気などのやむを得ない理由で中学校に行けなかった人のために「中学校卒業程度認定試験」を年に一回行っています。平成11年度からは、日本に住む外国籍の人もこの試験を受けられるようになりました。年齢超過のために日本の中学校に入れなかった人も、この試験に合格すれば、高校入試を受ける資格が与えられます。
 受験を希望する方は文科省、または都道府県教育委員会に受験案内や願書などを取りに行く方法、文科省に郵送を依頼する方法があります。

平成26年度 文科省受験案内 

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/sotugyo/1263188.htm
■試験科目:中学校の国語、社会、数学、理科、外国語(英語)の5教科
中卒認定試験過去問題[平成21年度〜25年度]
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/sotugyo/1263187.htm
■出願期間:平成26年8月28日(木曜日)から9月16日(火曜日)まで 消印有効
■試験日:平成26年10月30日(木曜日)
■結果発表:平成26年12月5日(金曜日)発送予定

平成23年度より始まった「試験科目の一部免除等」は本年度も実施されます。
「全ての受験者対象に行われる免除」
次の技能審査に合格した受験者は試験科目の英語の試験が免除されます。免除申請には出願の際に技能審査の合格証明書が必要となります。
・実用英語技能検定 財団法人日本英語検定協会 3級以上
・英語検定試験 公益財団法人全国商業高等学校協会 3級以上
・国際連合公用語英語検定試験 財団法人日本国際連合協会 E級以上
「外国籍等の受験者だけを対象とする免除」
○申請により、すべての漢字(漢字の読み方を問う問題を除く)にふりがなのついた試験問題で受験することができます。
○次の技能審査の合格による国語の試験の免除
・日本語能力試験 独立行政法人国際交流基金及び財団法人日本国際教育支援協会 N1またはN2(平
成22年3月31日までの試験では1級または2級)
この2つの特例措置の両方またはいずれか一方の適用が受けられます。
【問い合わせ先】
文部科学省生涯学習政策局生涯学習推進課 中学校卒業程度認定試験担当
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
Tel:03-5253-4111(内線2024または2643)
◎平成24年度受験案内ですが、中国語版・ロシア語版を当センターHPにアップしています。ご参照ください。
「同声・同気」− 進学進路情報 −ご存じですか?「中学校卒業程度認定試験」受験案内:中国語版・ロシア語版 http://www.kikokusha-center.or.jp/


多言語対応「臨時福祉給付金」と「子育て世帯臨時特例給付金」:横浜市

 横浜市では多言語による臨時給付金のお知らせをホームページに掲載しています。
「臨時福祉給付金」は英語・中国語・韓国朝鮮語、スペイン語・ポルトガル語・タガログ語のチラシと申請書の書き方
 http://rinji-kyufu.city.yokohama.lg.jp/
「子育て世帯臨時特例給付金」は上記6言語のほかにベトナム語とやさしい日本語でチラシが見られます。 
 http://www.city.yokohama.lg.jp/kodomo/katei/kosodate/kosodatekyuhu/

 この制度自体は国のものですが、市町村によって、受付方法・期間や確認書類などがそれぞれ違っています。詳しくは地元自治体にお問合せください。


ニュース記事から(2014.6.1-7.31)

2014/06/02 サハリン残留朝鮮半島出身者 来年中に永住帰国完了へ/韓国
2014/06/04 中国残留邦人4名が5日より12日間集団一時帰国/厚労省
2014/06/17 中国残留孤児の共同墓苑建設に支援を/山形 ※1
2014/06/17 残留邦人不認定を取り消し 国の基準否定/東京地裁 ※2
2014/06/20 樺太等残留邦人15名が21日より10日間集団一時帰国/厚労省
2014/06/20 中国帰国者2世、「国の施策が人権侵害」  九弁連が勧告 ※3
2014/07/17 香山磐根氏(前中国残留孤児問題全国協議会理事長、前日中友好・残留孤児虹の会)5/7に死去。7/20にしのぶ会
2014/07/18 中国残留日本人孤児や中国人養父母の支援を続ける中国で唯一の民間団体「残留孤児・養父母連絡会」が結成30年/中国黒竜江省ハルビン
2014/07/20 終戦後の満州残留孤児たちの姿を描くスペシャルドラマ『遠い約束〜星になったこどもたち〜』8月25日TBS系列で放映決定 ※4
2014/07/26 夜間中学増設で支援拡充=全都道府県に1校へ/文科省 ※5


※は以下に記事・解説あり。

※1 共同墓地建設に支援を/残留孤児の証言集『祖国は遠かった』

 山形に暮らす中国残留日本人孤児が、山形市内に共同墓苑の建設を進めている。日中友好協会県連合会が協力して計画を進めており、建設のための寄付を呼びかけている。
 日中友好協会山形県連合会は今春、残留孤児の証言集『祖国は遠かった―中国残留日本人孤児の証言』(税込み1600円)を出版しており、本の売り上げも建設費用に充てる予定。残留孤児13人の体験談のほか、国を相手に残留孤児への支援を求めた訴訟の経過を弁護団が記している。
 寄付や証言集についての問い合わせは、平和の碑・中国残留帰国者墓苑建設委員会(023-642-7369)もしくは高橋幸喜事務局長(023-645-3877)へ。

※2 残留邦人不認定を取り消し

 終戦後の1951年に中国で生まれた女性(63)が、国民年金の一時金を受けられる「特定中国残留邦人」の認定を求めていた訴訟の判決で、東京地裁は、「生まれた当時は旧ソ連参戦による混乱が収束していた」との理由で不認定にしていた国の処分を違法と判断し、取り消した。「参戦の影響を直接受けていなくても、他に中国に残ることを余儀なくされた事情があり、特定残留邦人と認定すべきだ」と判断。同種の訴訟で国の認定基準を根拠にした処分を違法とした判決は初めて。

※3 中国帰国者2世、「国の施策が人権侵害」  

 九州弁護士会連合会は国の施策が中国帰国者2世の人権を侵害しているとして、2世を対象にした年金制度や就業機会の創設、病院での通訳サービスや日本語教育などの施策を実施するよう、安倍晋三首相宛ての勧告書を出した。

※4 終戦後の満州残留孤児たちの姿を描くドラマ『遠い約束〜星になったこどもたち〜』8月25日に放映決定 

 『テレビ未来遺産"終戦69年"ドラマ特別企画 遠い約束〜星になったこどもたち〜/TBS』が8月25日21:00より放送される。俳優の松山ケンイチが主演。
 広島原爆の犠牲者数約14万人を超える、24万5,000人を失った戦後満州の難民収容所での孤児たちの姿を実体験に基づいて描いた増田昭一作『満州の星くずと散った子供たちの遺書』『戦場のサブちゃんとゴン』『約束』(夢工房刊)をドラマ化。http://www.tbs.co.jp/drama/dramasp_20140820/
 増田昭一作の『金のひしゃく〜北斗七星になった孤児たち』(終戦後も帰国かなわず、旧満州の難民収容所に収容された孤児たちを描いた絵本)は(公財)中国残留孤児援護基金より発行。
http://www.engokikin.or.jp/

※5 夜間中学増設で支援拡充

 文科省は、現在8都府県に31校しかない公立夜間中学を各都道府県に最低1校設置できるよう、地方自治体への財政支援を拡充する方針を固めた。夜中は、経済的理由や不登校などで義務教育を受けられなかった人が通うが、近年では外国人の生徒が増加。教員への特別な研修や専用教材が必要となり、設置に対する自治体の負担感は強い。このため、2015年度予算概算要求に助成増額を盛り込むことになった。

 

お知らせ

★web版『同声・同気』は、情報掲載時に、その内容をメールにてお知らせすることができますので、ご希望の方は、以下の宛先まで、@お名前(団体窓口者の方は団体名も)とAご自身のメールアドレスをお送りください。
宛先:tongtong@kikokusha-center.or.jp
(お問い合わせは 電話04-2993-1660 FAX 04-2991-1689)