3 就労の状況

(1) 帰国者本人の就労状況
 帰国者本人の就労状況をみると,孤児では51.2%が就労している。
 また,婦人等は49.4%が就労しており,孤児に比してその割合は低くなっている。
《グラフ4 帰国者本人の就労状況》

(2) 帰国後経過期間別の就労状況(帰国者本人)
 帰国者本人の就労状況を帰国後経過期間別にみると,帰国後年数を経る毎にその割合は増加している。

《グラフ5 帰国後経過期間別就労状況》


(3) 帰国者世帯の就労状況
 帰国者世帯の就労状況をみると,孤児については66.1%が就労している。
 また,婦人等は69.0%が就労しており,孤児に比してその割合は高くなっている。 なお,帰国者世帯の就労率は,配偶者や子が就労している世帯があるので,帰国者本人の就労率(グラフ4)に比し高くなっている。

《グラフ6 帰国者世帯の就労状況》


(4) 帰国後経過期間別の就労状況(世帯)
 世帯で就労状況を帰国後経過期間別にみると,帰国後年数を経る毎にその割合は増加している。
 孤児と婦人等で比較をすると,婦人等の世帯が就労の割合が高くなっている。

《グラフ7 帰国後経過期間別就労状況》


(5) 就労者の就労時期
 就労している帰国者本人のうち20.7%は帰国後1年未満で就労し,29.2%は1年以上2年未満で就労している。
 家族を含めた就労者全体では18.3%が帰国後1年未満で就労し,22.2%が1年以上2年未満で就労している。

《グラフ8 就労者の就労までの所要機関》


(6) 就労者の職業
 就労している者の職業は多岐にわたっているが,帰国者本人,家族全体のいずれも「技能工,製造・建設・労務作業者」が多くなっている。

《表1 就労者の職業別状況(一般との比較)》


(7) 調査時の職業への満足度
 就労者のうちで帰国者本人については57.6%が,家族全体では60.6%の者が調査時の職業に「満足している」又は「ほぼ満足している」と答えている。

《グラフ9 職業への満足度》


(8) 就労収入
 就労している者のいる孤児世帯では,収入月額20万円以上30万円未満が31.1%となっており,平均では28万8千円となっている。
 そのうち,孤児本人のみが就労している世帯では10万円以上20万円未満が約半数を占め,平均では16万4千円となっている。

《表2 世帯の就労者別就労収入月額(孤児世帯)》


 就労している者のいる婦人等世帯では,収入月額が20万円以上30万円未満が28.8%となっており,平均では29万円となっている。
 そのうち,婦人等本人のみが就労している世帯では,10万円以上20万円未満が約半数を占め,平均では15万4千円となっている。

《表3 世帯の就労者別就労収入月額(婦人等世帯)》


 就労している者のいる世帯全体では,収入月額が20万円以上30万円未満が30.2%となっており,平均では28万9千円となっている。
 そのうち,帰国者本人のみが就労している世帯では,10万円以上20万円未満が約半数を占め,平均では16万2千円となっている。
 孤児と婦人等の比較では,本人のみの就労の場合には孤児の方が収入額が多く,世帯の計では婦人等の方が多くなっている。

《表4 世帯の就労者別就労収入月額(全体)》


 収入額を一般世帯と比較すると,その格差は7割弱となっている。

《表5 就労収入の一般世帯との比較(世帯)》


(9) 職業をあっせんした者等
 職業のあっせん・紹介を行った者は,帰国者本人,家族全体のいずれも職業安定所が最も多くなっている。

《グラフ10 職業あっせん者等内訳》


(10) 就労していない者の状況
 調査時に就労していない者は帰国者本人49.4%,全体では48.3%となっており,就労していない理由については「病気のため」,「日本語が不十分」等と答えている。