日本語を母語としない児童を教科学習に入りやすくさせるための日本語テキスト作成

             課題番号 07680311

平成7年度〜平成9年度科学研究費補助金 〔基盤研究(C)(2)〕成果報告書              平成10年3月  



 研究代表者   光 元 聰 江

             (岡山大学教育学部講師)

                     目   次

  

研究篇

 
 構文関係
 
  説明文にあらわれた複文について
                         光元聰江・三宅節子・・・・・・・・・・・・・・・・・4
 
 ※説明文にあらわれた名詞修飾節について    
                         光元聰江・三宅節子・・・・・・・・・・・・・・・14
 
  文学教材にあらわれた複文および説明文との比較−文学教材と説明文のまとめとして−
                         三宅節子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
 
 ※小学校国語教科書と日本語テキストにおける『て形』分析
                         光元聰江・三宅節子・田中洋子・・・・・38
 
 語彙関係
 
  語彙分析用デ−タに関する報告
                         三宅ちぐさ・田中洋子・・・・・・・・・・・・・56
 
  小学校国語教科書におけるオノマトペ−日本語補助教材作成のために−
                         三宅ちぐさ・田中洋子・・・・・・・・・・・・・61
 

教材篇

 
  国語の日本語補助教材作成の基本的考え方と試作の実際
                         光元聰江・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79
※の論文はホームページ上には掲載してありません。ご了承ください。


                    は し が き

  この報告書は、平成7、8、9年度の文部省科学研究費補助(基盤研究(C)(2))を受けて行った「日本語を母語としない児童を教科学習に入りやすくさせるための日本語テキスト作成」の成果を
まとめたものである。
 近年、1万人を越す外国人児童生徒が、日本での学校教育を受けている。受入れ校では、初期指導としての生活指導や生活日本語の指導を経て、教科への移行期の指導に入る。いわゆる学習のための
日本語指導に入っていくのである。本研究では、児童の教科学習、特に国語に焦点をあて、日本語教育と国語教育の接点を探りつつ、小学校の国語の教科書における文と語彙の分析を行った。語彙につ
いては、語彙分析用デ−タを作成し、さらにオノマトペについては、その指導の必要性を鑑み、日本語教育における指導上の扱いについて考察した。また、文レベルの分析については、複文についての
調査とその指導法を考察した。それらの基礎的研究をもとに補助テキストを作成する段階で、在籍学級での授業に児童が入っていくためには、在籍学級での実際の授業展開が分っていないと実際に役に
立つテキストはできないことがわかった。授業中に使われる日本語の方が、教科書よりもむずかしいからである。国語の教科書と在籍学級での実際の授業の両方をもとにして日本語教育と国語教育の接
点をさぐり、テキストを作成しなければならない。しかし、実際の授業の日本語を実施する前に分析することは、もちろんできない。そこで、研究の方向性を把握確認するために、公表された実践授業
記録を分析した。その上で、日本語教育と国語教育との接点を考察し、補助テキストの試作を試みた。
その結果、補助テキスト作成の方向性がみえてきた。今後、この方向性を検証しつつ、さらに研究を進めていきたいと考えている。本研究について、あるいは今後の方向性について皆様よりのご教示を
賜りたい。
 最後になりましたが、本研究のために資料提供その他多くのご協力をくださった方々に心より御礼申しあげます。      
 
 
  平 成 10 年 3 月
                            研究代表者  光 元 聰 江


  
 研 究 組 織

  研究代表者:光 元 聰 江 (岡山大学教育学部講師)
 
  研究分担者:三 宅 ちぐさ (就実女子大学文学部教授)
 
  研究協力者:三 宅 節 子 (大阪外国語大学留学生日本語教育センタ−非常勤講師)
 
  研究協力者:田 中 洋 子 (岡山市立商業高等学校非常勤講師)