日本語を母語としない児童を教科学習に入りやすくさせるための日本語テキスト作成
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この報告書は、平成7、8、9年度の文部省科学研究費補助(基盤研究(C)(2))を受けて行った「日本語を母語としない児童を教科学習に入りやすくさせるための日本語テキスト作成」の成果を まとめたものである。 近年、1万人を越す外国人児童生徒が、日本での学校教育を受けている。受入れ校では、初期指導としての生活指導や生活日本語の指導を経て、教科への移行期の指導に入る。いわゆる学習のための 日本語指導に入っていくのである。本研究では、児童の教科学習、特に国語に焦点をあて、日本語教育と国語教育の接点を探りつつ、小学校の国語の教科書における文と語彙の分析を行った。語彙につ いては、語彙分析用デ−タを作成し、さらにオノマトペについては、その指導の必要性を鑑み、日本語教育における指導上の扱いについて考察した。また、文レベルの分析については、複文についての 調査とその指導法を考察した。それらの基礎的研究をもとに補助テキストを作成する段階で、在籍学級での授業に児童が入っていくためには、在籍学級での実際の授業展開が分っていないと実際に役に 立つテキストはできないことがわかった。授業中に使われる日本語の方が、教科書よりもむずかしいからである。国語の教科書と在籍学級での実際の授業の両方をもとにして日本語教育と国語教育の接 点をさぐり、テキストを作成しなければならない。しかし、実際の授業の日本語を実施する前に分析することは、もちろんできない。そこで、研究の方向性を把握確認するために、公表された実践授業 記録を分析した。その上で、日本語教育と国語教育との接点を考察し、補助テキストの試作を試みた。 その結果、補助テキスト作成の方向性がみえてきた。今後、この方向性を検証しつつ、さらに研究を進めていきたいと考えている。本研究について、あるいは今後の方向性について皆様よりのご教示を 賜りたい。 最後になりましたが、本研究のために資料提供その他多くのご協力をくださった方々に心より御礼申しあげます。 平 成 10 年 3 月 研究代表者 光 元 聰 江
研究代表者:光 元 聰 江 (岡山大学教育学部講師) 研究分担者:三 宅 ちぐさ (就実女子大学文学部教授) 研究協力者:三 宅 節 子 (大阪外国語大学留学生日本語教育センタ−非常勤講師) 研究協力者:田 中 洋 子 (岡山市立商業高等学校非常勤講師)