公民館のネットワークを活かした学習支援の試み
               ―飯田市の場合―
                           中国帰国者定着促進センター 田中 義栄





0.はじめに

 飯田市はこれまで社会教育の視点から外国籍住民問題への種々の取り組みを行ってきた。また公民館活動の盛んな地域でも知られる。公民館は市内に19箇所あり、行政のバックアップの下、地域住民の手による町づくりの中心として活動を行ってきた。公民館は互いに連携をとりながらもそれぞれが独自な活動を展開している。また活動を通じて地域には様々な人材が蓄積されていると思われる。これら人的・物的リソースを活用することによって、帰国者に対する支援活動の発展に結びつけられないか。
 特定地域対象「飯田班」では、飯田市生涯学習課K氏をキーパーソンとして、公民館を活動の拠点とした帰国者に対する日本語学習支援の可能性を探った。

1.飯田市の状況

 (詳細は飯田市ホームページ参照)
 飯田市は面積325、35平方q、人口約10万7000名、長野県南西部の中心都市である。


産業別就業者数
(平成7年度国勢調査実績)

産業

人数

第一次産業(農業中心)

7303

第二次産業(製造業中心)

22420

第三次産業

29979




 近年周辺地域と結ぶ交通網の整備にも力を入れ、長野南西部の発展の鍵をにぎる地としてその役割が期待される。市の中心街の周辺には、鼎(かなえ)、上郷、伊賀良、松尾といった近年ベッドタウンとして発展する地域を抱える。また飯田市は、歴史をはじめ地域文化の保存伝承に努め、地域としての独自性を大切にしてきた。

1)帰国者事情

 現在飯田市の外国人登録者数は2004名全人口の2%に達している(平成9年5月末現在)。中国からの帰国者居住状況は、飯田市内だけで209世帯706名、さらに周辺の町村には130世帯468名が確認されている。(平成10年9月末現在下伊那地方事務所厚生課資料)

表1  飯田市および周辺地域の帰国者居住状況

 

本人世帯

2世・3世世帯

合計

 

世帯数

人員

世帯数

人員

世帯数

人員

飯田市→

55

167

154

539

209

706

郡 計→

38

126

92

342

130

468



 市内帰国者は8ヶ所の市営・県営住宅に居住しているが、このうち山本、伊賀良、松尾、竜丘の4地区に多く集中している。呼び寄せ家族の場合、来日後早期に就労し、生活の基盤を築かねばならない状況から、日本語学習に伴う種々の困難が推測される。

2)帰国者に対する支援の現状

○地域内の日本語教室の現状
 帰国者を対象とした日本語学習の場としては、県の厚生課が行っている常磐台教室(松尾地区内)、上郷教室(上郷地区内)、二つ山教室(山本地区内)が確認されている。このうち二つ山教室は、「指導者が確保できない」「市営集会所が建て替え中である」こ とを理由に97年9月時点では休止中であった。(表2) これらの教室は他地区の帰国者に対しても機会を開いているが、市内全域を見渡せば車がないと移動が不便 という土地柄もあり、他地区の帰国者にとっては現実には利用が難しい。


表2 飯田市日本語教室

 

常磐台

上 郷

二 つ 山

日時

日曜夜

日曜午後

97年夏時点休止中

場所

地区集会所

市公民館

市営集会所

指導者

中級:日本人ボラ
初級:帰国婦人

帰国者

 

人数

中級:13人
初級:28人

18人

 

教材

文化庁日本語
日常会話

指導者に選択を一任

 


学習期間:原則として1年
     それ以降続ける者あり
就労状況:中級者は有職、初級者は無職や来日まもない者(常磐台)
 年齢 :10〜60代、70代まで。
○公民館活動の現状
 飯田市には18の独立した地区公民館があり、それぞれ対象区域を持ちながら「学びの場」として地域に根ざした活動を展開している。飯田市公民館は全体的視点から不足部分を補ったり、連絡調整の役割を担っている。公民館には行政から職員が配置されるが、公民館事業の企画運営自体は地域住民によって組織された「体育」「文化」「広報」などの専門委員会が行う。すなわち公民館は行政の支援を得ながらも、行政からは自立した市民による運営母体として、住民の自発的意志に基づく活動を行っている。このような委員会制度を持つ公民館は長野県の中でも少数派であるが、今後の展開について全国から注目が集まっている。  → HP「平成9年度飯田市公民館基本方針」参照


2.飯田市公民館との連携による取り組み

 飯田市公民館はこれまで、外国籍住民の問題解決に向け関係部署と連携・協力しながら独自のプロジェクトを進めてきた。(→HP「わいわいサロン」等の活動参照)これに所沢センターの呼びかけた文化庁プロジェクトを取り込む形でビジョン固めを行っていくこととなったが、その中で所沢センターは リソースセンター的位置づけにおかれている。

          →HP「飯田市における足元からの国際化実現プログラム案」参照
 今回所沢センターが飯田市と関わって行ったものは以下のものである。所沢センターでは飯田市全体のビジョンを尊重しながらも、本プロジェクトの趣旨に沿って、通信手段や訪問を通じ、飯田市側に学習機会拡大に向けた種々の働きかけやアドバイスを行ってきた。

1)「多文化に生まれ育ち飯田市に暮らす方たちの今を知る会」開催(97.9)
 ○目的 :@支援者からの情報を通じて、帰国者・外国籍住民の学習および生活全般に関する実態を把握する。
      A支援に関心を持つ市民も含めた支援者間のネットワークの契機とする。
 ○内容 :@支援の現状および帰国者の直面する問題に関わる情報交換
 ○方法 :パネルディスカッション
 ○参加者:ボランティアグループ「ハンドインハンド和楽」、小学校帰国者学級担当教師、引揚者特別生活指
      導員、女性就労相談員等計8名、その他一般参加の市民多数
 ○結果:
  ・ハンドインハンド和楽談…現在3ヶ所で外国籍住民との交流活動を実施。内、駄科分室ではボランティア
               3〜4名。外国籍住民の参加はこれまで13〜14名。通常は5〜6名が参加。
               参加者がなくても常に場は開いている。
  ・帰国者の学習(ボランティア教室の状況)→?
  ・生活指導員談…相談内容は就労、病気、学校、家庭、事故等様々。有職者の職種は男性は建設関係、女性
          は清掃員が多い。市内の帰国者数は662名、下伊那郡には1,100名位。
  ・就労相談員談…内職の相談にのる。仕事を紹介してもすぐにやめてしまう人がいると次からなかなか紹介
          してもらえない等問題も多い。
  ・帰国者学級教師談…M小、M中では帰国者学級設置、O小では帰国者学級のない学校の子弟を集めて指導。
            帰国後4年未満の生徒には高校入試の特別措置あり。
  以上の他、個人的に知っている帰国者の状況について情報交換できた。参加者たちはお互いに活動交流の機会も今までなかったため、この機会に集うこと自体にも意味があったようだ。

2)市民意識調査
 ○目的:飯田市では人権意識の高揚や人権問題の解消に向けてより充実した取り組みを進めるために、その基礎資料として市民の意識のあり方を探ることとした。
 ○内容:地域の国際化や在日外国人問題にについて、@どんなときに「国際化」「国際交流」を実感するか、A関わってみたい「国際交流」について、B気をつけなければならないと感じていること等が問われている。(質問紙作成にあたって所沢センターよりアドバイスを行った) 
 ○結果:国際化を地域の中の現実として実感している市民が多く、78.1%の市民が何らかの形で国際交流に関わってみたいと答えており、33.6パーセントの市民が「外国人が困っていたら助けてあげたい」と答え、9.9パーセントが「日本語を教えたい」という具体的な行動に結びつく答えをしている。

3.竜丘公民館を拠点とした試み …「協働プログラム」の勧め

1)竜丘地区の状況と所沢との連携の経緯
 天竜川西に広がる段丘の上に位置する。竜丘地区では最近徐々に宅地化が進み人口が微増している。現在長野原団地を中心に相当数の帰国者が居住している。竜丘公民館は飯田市内の公民館の中では、平成6年度から国際交流会を開くなど、外国人居住者家族(帰国者、中国系の他、フィリピン、タイ、韓国、ブラジル等)と地域住民がふれあう機会を多く作ってきた。地区内に日本語教室がないことから、帰国者から日本語教室の開設を求める手紙が届き、これを契機に関係者の間では竜丘ならではの日本語教室を作っていこうと考えていた。一方所沢側は公民館を中心とした帰国者支援モデルを1例として残こしたいとのねらいがあり、竜丘公民館にパソコンを設置し両者の協力関係をスタートさせた。

2)竜丘公民館側のねらい 
 竜丘としては、帰国者に地域住民の仲間入りを果たしてもらうことを第一に考えている。帰国者がゆくゆくは同世代の者で組織される「青年団」や「大人の学校」へ参加し、共に地域活動を進めていけるようになることが最終目標である。その出発点として、まず「マンツーマン」「友達になる」をキーワードに、従来からの日本語学習のイメージにとらわれず、帰国者と住民が相互に学び合えるような機会を作っていこうということになった。

3)作業の手順
(1)準備会の開催…教室立ち上げの核となるメンバー18人で、準備会を開催(98.1.)
 ○参加者:地区の文化委員、分館役員、青年会、運審委員、交流会、大人の学校運営委員
 ○内 容:日本語教室解説についての概要説明と協議
 ○協議結果:参加者から出された主な疑問点「帰国者は本当に日本語教室のようなものを望んでいるのか、生の声を通してニーズを知りたい。」「支援の当初はどのようなテキストが用意できるのか」など

(2)「帰国者のことを考えてみる集い」の開催(98.2)
 ○所沢センターからの説明と提案
@実際に帰国者が何を望んでいるかを帰国者自身に問うことの意義。
  A教え教えられる関係を越えて、帰国者から学ぼうとする視点を持つ。
  Bマンツーマンに対応できる教材の開発が急務であり、所沢センターとして取り組む他、支援者自身にも学習者の状況に合わせたものを作っていく視点を期待

 ○参加者(帰国者)からの生の意見
  ・「若い者は働くのに必要な用語や、どこでも通用する日本語を覚える。年配者は交流を通して日本語を覚えるのがよい」
  ・「誰かが日本語の先生になって教えるのではなく、学び会う姿勢が大切」
  ・「同世代の者同士、共通の趣味や興味がある者同士ならとてもよい交流がもてるのではないか」など。
(3)帰国者に対するニーズ調査の実施
 ○目的:帰国者の生活面、学習面での現状とニーズを把握する。
 ○方法:個別訪問によるインタビュー
 ○対象者: 13家族で、41人
 ○質問項目:所沢センター案を土台にし、竜丘でアレンジする事とした。そこでは訪問時の留意点等具体的な対応にもふれた。(→資料:「ニーズ調査竜丘版」参照

○手順:
  @新文化スタッフで打ち合わせ会議(98.3)
   …調査にあたっての留意点等について打ち合わせ
     訪問調査にあたっては、日本語ができる知り合いの
     帰国者数名に協力を頼み、知り合いの帰国者を紹介
     してもらう形を取った。

  A訪問調査を開始(98.4)。

  B調査結果について竜丘側と所沢センター側が協議(98.7)。

竜丘スタッフ合同会議
(信濃毎日新聞社提供)


 

 ○結果のまとめ…以下は訪問時に通訳をした帰国者の談(一部)
  ・40歳代の帰国者は「なかなか日本語が使えない。家族の中で、息子や娘に頼って用を足している。しかし、機会があれば、日本語学級に入って学びたい。せめて役所や病院などへ行った時に用を足したい。」と。

  ・自分たちの考えている公民館の構想と意図に賛同してくれ「ぜひ早く実現するようにしてほしい」と強く望んでいた。
  ・「公民館でせっかくよい企画をしているので、私たちを仲間にした会をぜひ形として作ってほしいし、協力をしたい」と言う方がいた。

  ・一番望んでいることは、ことばの不自由さ克服もあるが、何といっても地域の中に溶け込むこと、地域の人々と交流することを望んでいるようだ。

  ・交流の中身は、それぞれの考え方を尊重しあって、やがては地域の発展に役立つことにつながりを持てるようにすることが大事だと思う。

  以上の他、訪問した日本人スタッフからは「この訪問調査自体に深い意味があることに気づいた」という発言があった。実際に訪問したことにより互いに知り合うきっかけができたこと、今後一緒に何かをやっていこうという心構えができたことが大きな成果であった。

(4)支援プランの立案と実施
  …上記の結果を踏まえ、今後の進め方について所沢側も参加の上で、スタッフ間で協議した。(98.7) その結果帰国者と地域の住民が対等の立場でスタッフとなり、今後の活動を考えていく「協働プログラム」を提案した。

 ○「協働プログラム」の目標:
  …例えば交流会等(その他活動内容は自由)を開く際、その交流会の開催された時間を共有するだけでなく、準備の段階から企画作りや作業を含め、住民と帰国者双方が話し合って活動を一緒に作り上げていく。その「協働」の過程で帰国者も住民も言葉や文化の壁を乗り越えていくコミュニケーション能力を高めていくことがねらい。同時に帰国者にとって日本語学習への一層の動機の付けにもなると期待される。スタッフの中に日本語レベルの異なる帰国者が数名加わり、取り組みの過程で帰国者同士の助け合いも促進されるようにする。

 ○準備段階
  @文化委員スタッフ5名、地域女性スタッフ2名、帰国者スタッフ5名、館長、主事の計14名のスタッフが選出
  A第1回スタッフ合同会議(98.10)
   …音楽、カラオケ、料理を通した交流、日本の生活習慣を学びたい、日本の料理を学びたい、ハイキングがてら山菜取りもしてみたい、という意見も出て、まずは年内に料理を通じた大交流会を行うことが決まった。また、会の名称も「好友会(はおゆうかい)」と決定した。

  B第2回、第3回と会合を重ねる。
○料理文化交流会「正月料理作り」開催(98.12)
  ・参加者:60人(内帰国者約30名)

「正月料理づくり」
(竜丘公民館撮影)




 ○現時点でのまとめ





4.山本地区での試み …日本語通信学習+スクーリング


1)山本地区の概況
 山本地区は、飯田市南西の山間部沿いに位置する。帰国者集住団地を2ヶ所抱えるが、区内の二つ山日本語教室(1クラス運営??)は97年9月時点で休止中であった。

2)支援の経緯
 98年春…山本在住の残留婦人Oさんから所沢センター宛に「山本地区に相当数の帰国者がいるが、日本語を学習できるところがない」という趣旨の手紙が届く。

 98年夏…飯田公民館のK氏に相談したところ、「山本地区の隣の伊賀良地区で、Uさんという人が日本語教室を始める意志を持っている」とわかり、Uさんに0さん周辺の帰国者への支援を依頼

 同年9月…所沢センターより「通信学習+地元支援者によるスクーリング」の試行を提案

3)スクーリングの概要
 ○目的:
  スクーリングというのは、近くに日本語を学習する場がない、学習する場はあるが時間が合わない、レベルや内容が自分のにあわない、等の理由で日本語学習の機会に恵まれない帰国者のために、所沢センターから直接教材を送り、近くに住む支援者に学習のサポートをお願いするものである。(→「スクーリング詳細」参照)

 ○作業手順:
  @支援者候補Uさんが0さん宅を訪問、聞き取り状況調査行う(98.9)
  ・結果…大平さんの知っている範囲では、乳幼児期や小学生の子供を持つ母親が8人ほどおり、日本語学習が初歩から必要な人もいるが、子どもや学校の関わりからかなり学習意欲も高いとのことであった。父親は土日も含めて仕事がかなり忙しい人が多いようだ。また、小学生の子供を持つ母親も平日は働いている。そこで、まずは山本の二つ山団地に住み、日本語学習に関心を持つ方たちが集まる機会を作ってみようということになった。

  A支援者と学習者それぞれの候補者の初顔合わせ(全体説明会)(98.10)
・場 所:二つ山市営団地の集会場
・参加者:直接支援を行えるスタッフ6名、帰国者11名、
     キーパーソンK氏、所沢担当者
・内 容:スクーリングを伴う通信学習の概要説明
     見本の教材を紹介し、希望者数を確認。
     参加者全員と話をし、日本語の会話のレベルを確認
・結 果:11人全員がスクーリングを希望。人数が多いので
     次のことを提案しスタッフに今後の方針決定を一任。
    a.支援者を増やして全員マンツーマンを組む
    b.ある程度同じレベルの人たちを1グループに
      まとめ、残りの数名をマンツーマン体制とする


(信濃毎日新聞社提供)



  
  Bスクーリング希望者向けに書面での学習ニーズ調査を実施(→資料「事前アンケート」参照)
  ・結果:来日1年以内の人が多く、日本語学習経験のない人がほとんどである。
      学習したという人でも自分で本を見て学んだだけであった。日本語を使う機会は、仕事で毎日あるとこたえた人が3人いたが、他の人はほとんど話す機会はない。毎日使う人でも会話は非常に困難といっている。すぐにでも日本語学習の場を作ってほしいとのことであった。(→資料「事前アンケート結果」参照)

  C所沢センターより通信学習教材の送付
  …スクーリングが始まるまでの間、自分で学習を進められるよう、下記の教材を送付
   ・「交流教材1」+音声テープ、
   ・文法練習帳
  ※学習の進め方や教材の使い方については1回目のスクーリング時に支援者と学習者双方で確認してもらうこととした。
  D第1回スクーリング実施(98.11)
   ・場所:二つ山団地集会所
   ・参加者:受講者11名、支援スタッフ6名
   ・形態:2対1、または1対1での学習
   ・使用教材:交流教材1



(信濃毎日新聞社提供)



   ・結果: 
   …スタッフからは「来日して1年に満たない人から、来日して3年くらいの人があり、また、30代後半、20代の人と、習得レベルの違いがある。次回はレベルによる組分けをしたい。しかしながら、受講者の方たちは、笑顔で、学習にも非常に意欲的であり、支援スタッフも、日本語についてあらためて認識が深まった」など、感激した声もあった。「初回にしては、大変有意義なひとときであったと、手応えを感じている」ということであった。

    受講者はみんな自宅学習をしてきていたようだが、中にはテープレコーダーを持っていないためテープが聴けなかった人もいたようだ。また現在自動車学校に通っている人が一人いたので、その人にはそのための学習も行ったとのことであった。

    現在いろいろなグループに声をかけており、支援者はもう少し増える可能性もある。また、Uさんはこの中で、ゆくゆくは一緒に絵本を読んだりといった活動も加えていきたいと考えている。

  E第2回スクーリング実施(98.12)
  ・参加者:受講者10名、支援スタッフ7名
   …受講者は前回参加した5名に新たに5名が
    加わった。突発的な参加に対応できるよう
    に少しテキストの予備を用意しておいた方
    がよいかもしれないと思った。


(信濃毎日新聞社提供)

・結果:
…スクーリングはテキストに基づいてすすめた。個別の学習が終わったあと、山本の参加者が用意した絵本の読み聞かせをしてくれた。「いただきます」「のせてのせて」「おおきなかぶ」で、日本語学習を楽しくする手段として毎回取り入れても面白いのではないかと感じた。
 一方、Oさんが受講者に声をかけ1人1品持ち寄るように話をしていたらしく、講座終了後は料理講習会のようになってしまった。こういうことが恒例となってしまうとむしろ参加しにくさが出てしまいそうで、講座の趣旨や進め方についての取り決めなどの通信(お知らせ)を作った方がよいのではと考えている。

   F第3回スクーリング実施(99.1)

・結果:
…概ね担当者が固定しつつあり、相手の進度に合わせた学習が可能となってきた感がある。夫婦や兄弟、親子での参加が多く、それが参加の励みとなっているようだ。学習者の意欲は高いと感じている。終了時には図書館の絵本の読み聞かせを会話形式で行い、場の雰囲気を盛り上げる手法としても、日本人支援者の関わり方としても「自分のできること」から入るという意味でも、有効だと感じている。

4)今後について
 センターとしては、スクーリングはお互いの都合がつけやすく、学習の進め方など細かく相談し合えてより親しくなれるという意味で学習者と支援者が固定した1対1で行いたいと考えていたが、山本地区の場合、スクーリングを希望する学習者の人数が多くなってしまったこともあり、スクーリングの日にちを決めて全体で一斉に行うという形ではじまった。今後、スクーリングを重ねていくうちに学習者、支援者双方にとってよりよい形が見つかるのではないかと思われる。




 最後に、飯田市公民館K氏をはじめ、このプロジェクトにご協力いただいた多くの方々にお礼を申し上げます。